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淡路島を原付でツーリングしたい [バイク]

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↑大鳴門橋
 バイクを所有してから早一年が過ぎた。時が進むにつれ、自分の力ではどうしようもないもどかしさを感じることがある。それは淡路島に原付バイクで渡るのが難しいという現実である。
 淡路島はバイクで1周するには手頃な大きさで、かつては結構な人気を博していた。和歌山市のすぐ北にある大阪府岬町にある深日港からは淡路島の洲本行きのフェリーが出ていて、連休ともなると、フェリーに乗り込まんとするライダーであふれていたものだ。筆者も自転車で淡路島に渡ろうとしたものの、順番待ちで断念したことがある。
 状況が一変するのは1999年に明石海峡大橋が開通してからだ。大阪経済圏の南の端にある深日港から発着するフェリーはたちまち橋に客を奪われた。フェリーはより大阪中心部に近い泉佐野に発着するように変更したものの、客足は戻らず廃止となった。明石海峡大橋開通後も海峡間を往復していた「たこフェリー」も、橋の通行料金の相次ぐ値下げにより、廃業に追い込まれた。ただし別会社の淡路ジェノバラインが経営を引き継ぎ、明石ー岩屋間に高速小型船で運航している。クルマは橋の利便性に敵わないから、クルマの積載は諦め、淡路島のバス停から大きく離れた岩屋地区と明石を往復する住民を対象にすることで船を小さくし、運航コスト下げている。船には自転車と125cc以下の原付を積載できるスペースがある。現在のところ、淡路島に原付または自転車で乗り込むにはこのジェノバラインを利用するのが唯一の方法である。だから阪神地区にお住まいの方は原付ツーリングは支障なくできる。問題は筆者のように南大阪以南に住んでいる人たちだ。つまりこの記事は「淡路島を原付でツーリングしたい」というタイトルだが、あくまでそれは南大阪以南住民を対象にしていることをお断りしておく。
 ただし自転車に関しては最近状況が変化してきている。尾道-今治間を結ぶしまなみ街道がサイクリングのメッカとして知名度を上げつつあるのに触発されて、本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋と淡路島と四国を結ぶ大鳴門橋に自転車や歩行者を通れるようにして、観光の起爆剤にしようという動きがあるのだ。さらに深日港ー洲本間の航路を夏季のみ復活させる実験も行われている。これには自転車も台数限定で簡易な分解で乗せることができる。また関西空港-洲本間の高速船も復活した。この高速船には自転車は分解して輪行袋に入れれば積載可能だ。また2017年10月からは自転車をトラックに積んで大鳴門橋を陸送するサービスが始まった。一日3便で予約が必要の上、人は別のバスで利用しなければならないが、自転車を分解しなくてもいいのでその点は便利である。
 その他、鳴門海峡には渦潮観覧用の観光船が鳴門側と淡路島側から運航している。これらの船を互いの港に交互に行き来し、自転車やバイクを乗せるようにすれば、問題は一気に解決しそうに思うが、淡路島は兵庫県、鳴門市は徳島県と管轄が違う上に、観光船と乗合船では安全基準や営業の免許が異なるためにこのようなことは実現困難だという。
 実は大鳴門橋にはクルマが通っている部分の下には新幹線も走れるスペースが確保されている。しかし明石海峡大橋が建設費削減のため道路専用で設計されてしまい、そこに新幹線が走る可能性はほぼなくなった。そこで徳島県はその空間を利用して「渦の道」という観光施設が導入されている。徳島県と兵庫県はこの新幹線導入空間を利用して、自転車道や歩行者道を整備する構想がある。明石海峡大橋も保守点検用の通路を利用して、同様の構想があるという。
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↑この空間に自転車道を整備する
 ここまで見てみると、行政は自転車の利用者の利便性向上のみ考えていて、原付のことは全く考えていない。明石海峡はジェノバラインがあるから、今後何もしなくてもいいとしても、前述した関空からの高速船はもちろん、深日港からの高速船実験も原付バイクを乗せられるわけではない。そもそも自転車の場合、輪行袋を利用するのであれば、それぞれの橋を渡る高速バスのトランクルームに乗せることが可能である。もちろんトランクルームは狭く、必ずしも積載は約束されるものではないというものの、自転車は現状でも淡路島を渡るというのは可能だったのである。もちろん橋の上を風を切って走るという快感は得られないし、グループでの利用はできないだろう。しかし自転車のために多大な費用をかけて大鳴門橋にサイクリングロードを整備する必要があるのだろうか。
 自転車だけの問題ならば、鳴門と南淡路を結ぶバスに自転車を乗せるキャリアを設ければいい。アメリカの一部の都市では普通の路線バスの前方に自転車を乗せるキャリアがあり、バス利用者はそこに自転車を乗せている。大鳴門橋は高速道路で落下の危険はあるものの、確実にロックさせる機能を設けるのは難しくない。運転手も目の前に自転車があるのを監視できれば危険からの回避も可能だろう。ただしグループでの利用には限界があるのは変わりがない。
 しかし原付バイクはどうしようもない。バイクは重くてキャリアに乗せるのも難しいし、落下すれば即事故だ。バイクはどうすればいいのだろうか。
 筆者が考える最良の策は、現在実験的に運航している深日港-洲本間の船を定期便にした上でジェノバラインのように、原付と自転車を積載できる構造にすることだ。旅行者は一般的に来た道を戻るよりも、違う道で帰ることを好む。バイクで淡路島一周という目的を果たすのは、出入り口はひとつでいいのだが、リピーターを増やすにはふたつあった方が旅のバリエーションが増える。もちろん大阪府南部に居住する人にとっては朗報だろう。原付の場合、高速道路を使えないから、一般道で明石まで行かねばならないので、それを考えるだけで淡路島に行きたくないと思ってしまうものなのだ。深日港に出れば少し南にある和歌山港からは南海フェリーで徳島に渡ることができる。すごく遠回りになるとはいえ、最も追加投資を少なくしてとりあえず原付で淡路島から四国に渡ることは可能となる。しかしかつては明石大橋に完敗した航路である。果たして勝算はあるのだろうか。
 だからインパクトがあるのは大鳴門橋を歩行者、自転車、原付で通れるようにすることだ。ただしここには大きな問題がある。大鳴門橋は北東方向に架橋されているので、冬になると北西の季節風をまともに受けることになり、風の影響が大きいのだ。実際、大鳴門橋は二輪車を対象にして強風で通行止めになることが本州四国連絡橋で最も多く、ライダー達のツーリング予定をしばしば狂わせている。そんな調子であるから、自転車や原付では転倒の危険があり、少なくとも例の新幹線導入空間に板を敷いただけでは通行に供することはできないだろう。
 可能性があるのは重量のある鉄の箱で運行する、すなわち鉄道で運送することである。新幹線車両の幅であれば十分に強風でも安定した輸送ができる。渦潮観光用の窓の大きな車両とバイクと自転車を乗せた貨車を連結し、電気機関車で牽引する。スピードは全く必要ではない。コストはかかるが観光の目玉になるので、リピーターも期待できるし、鉄道となれば、全国に散在するいわゆる乗り鉄も黙ってはいないだろう。投資は長い目でみれば回収できるのではないか。ただ列車からの眺望は橋の鉄骨が邪魔になってあまりよくなく、リピータを呼び込むには工夫が必要だ。車内ではアルコール類を提供するバーも営業すれば面白い。酒をできるだけ飲んでいただくのが商売で最も利益率が高いのだ。もちろん売店では限定グッズを発売する。
 しかしながらバイクが乗せられないのであれば、筆者にとってはそれほど魅力ないアイデアとなる。バイクの場合、自転車と違ってガソリンを積載しているので危険物を抱えることになり、仮に鉄道ができたとしてもバイクを載せるようにするとは思えない。結局のところ、原付は今後ともジェノバラインのみとなるのだろう。淡路島の住民にとっては原付がこのような状況で、誠に不便なので、もっと声を上げてほしいと思うのだが、現状は原付に関しては離島扱いになり、自賠責保険が安くなるというメリットがあるのでそれほど積極的でないという話を聞いたことがある。
 筆者が住んでいるのは和歌山市なので、西に開けた海を見ると淡路島の山々は自然に目に入るとても身近な存在なのだ。しかし今は近くて遠い存在だ。是非とも深日港からのフェリーにバイクを載せて、淡路島に渡りたいものだ。
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↑この深日港から再び淡路島に渡りたい
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私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~アドレスに傘ホルダーを取り付け~ [バイク]

 バイクに乗り始めてしばらくすると、傘の置き場の必要性を感じはじめた。バイクに乗っている時は、もちろん傘など差せず、レインコートを着る。しかしバイクを降りてから用を済ますには傘が必要なのだ。折りたたみ傘を鞄に入れるか、フロントのポケットに入れておいてもいいのだが、収容に時間がかかるし、ポケットの場合内部が濡れてしまう。
 そこでアドレスに傘ホルダーを取り付けることにした。なるべく安く済ませようと、ダイソーで「自転車用傘ホルダー」を買ってきた。
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↑ダイソーで買った傘ホルダー
 傘の先端側はエンジンのボルトを利用して取り付け、傘の枝側は電気配線のサドルをかませてリアキャリアに取り付けた。しかしこの方法ではエンジンの振動でボルトが緩み、枝側もすぐに外れてしまうことがわかった。バイクの走行中に傘を落としてしまったら、落下物で刑事責任を問われかねない。
 そこで先端側はボディの樹脂カバーに穴を開けてボルト止めて振動をできるだけ避けるようにした。IMG_20170305_154150.jpg
↑この位置に穴をあけた
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↑ホルダーを取り付けた
 枝側は少々複雑な構造になった。
 1.自転車ホルダーの柄を固定する部品のうち、ハンドルへの取り付け部だけにする。具体的にはホルダーの写真の右側の部品から下のリング状の部品を取り外す
 2.その部品の環状の駆けている部分をゴムのスペーサーで埋める
 3.ゴムで埋めた穴にリアキャリアに取り付けるためのサドルを取り付ける
 4.回転カンを1で外した箇所に取り付ける。取付はステンレスキャップボルトを樹脂スペーサをかませる。
 5.ステンレスのカラビナを回転カンにインシュロックで固定する
 言葉で書くと複雑になるので下の写真を参考にしてほしい。樹脂スペーサが割れているのは作業時の失敗である。
 ダイソーの部品を一部利用して、サドルを取り付けるのは、バイクのエンジン部が湾曲しているので、柄取り付け部をなるべく外側に出す必要があるからだ。しかし僅かに傘を湾曲させた方が、傘を保持しやすくなる。アドレスの場合は20mm程度外に振るのがよかったので、これを利用するのが好都合だったのである。
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↑柄取り付け部完成参考写真
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↑購入した回転カン
 これでどうにか用を足せるようになった。振動で傘の先端部の受けが弛みやすいこと、カラビナが傘の軸のところしか通せないこと、樹脂のインシュロックの寿命がどの程度のものか、などの懸念材料はあるものの、半年経過しても問題なく使えている。
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↑リアキャリアに取り付け
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↑使用しない時はこの位置にする
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↑傘取り付け例
 筆者はこのように作ったが、あまり完成度が高くない。読者の皆さんをこれを参考にして、もっと格好のいいものを作ってもらいたい。
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ポメラDM200ケース作成 [最近買ったもの]

 文章入力機ポメラは出先での使用が前提なので、常に落下の危険があるし、鞄の中に入れる場合でも、むき出しで入れるのはよくない。従って何らかのケースを用意しているユーザーがほとんどだろう。
 キングジムからは純正のソフトケースが用意されている。しかしアマゾンで2000円と高額の上、「ゴムの臭いがする」との悪評もある。
 デジタルメモ ポメラ DM200専用ケース
 ネットで「ポメラ ケース」と入力して検索すると、出るわ、出るわ。自作ケースのオンパレードである。筆者が調べた主な記事をリンクしておく。

ポメラDM200にぴったりサイズ エレコムの汎用レザーケースTB-02LCBRを購入

スリーコインズにポメラに驚くほどジャストフィットなケースが!!

ポメラケースを自作しました

 しかし、筆者はこれらの記事を読む前に、すでにケースを自作していた。ここに紹介させていただく。

1.ダイソーでA4クッションケースを購入
 DM200にぴったりなケースはなかった。少し大きいがA4のクッションケースを買った。色は黒がいいと思ったが、その店には紺しかなかったのでそれにした。
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↑購入したクッションケース
2.サイズをカットする
 このまま使うには大きすぎるので、DM200の大きさに合わせて切る。はさみは洋裁用が理想だが、できるだけ大きいのを使用すること。
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↑サイズが大きいので切る

3.底になる部分を縫う
 ケースは筒状になっているので、これを反転させ、チャックの反対側の端から5mm程度のところを縫う。堅牢に縫わないといけないので、本返し縫いとする。筆者は小学校の家庭科で裁縫の基礎をやっているが、今の教育事情はわからない。なので本返し縫いについての動画を添付しておく。男でも覚えておいて損のない技術だ。
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↑底になる部分を縫う

 道具は旅行用のソーイングセットで十分である。筆者は糸は2重にした。本返し縫いの場合、縫い糸をいっぱいに引っ張らないといけないので、あまり長い糸にすると、作業がし辛くなる。3区間ぐらいに分けて縫うのがいいだろう。糸を止める玉結びの動画も添付しておく。これをしておかないと簡単にほどけてしまう。
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 なおこの縫い目は隠れてしまうので、多少まっすぐにならなくても気にしなくてもいい。

4.反転させてできあがり
 縫い終わったら、裏表反転させれば完成。筆者の場合、少し余裕がありすぎたがまあよしとしよう。ポメラ本体の横は余裕があるが、ここには小型のモバイルバッテリーを収容予定だ。ダイソーで適用な入れ物を買ってきて、縫い付けるか、安全ピンで留めてもいいだろう。
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↑出来上がり
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ポメラDM200を購入した [最近買ったもの]

 キングジムから発売されているポメラは文章入力ツールとして、その地位を確立しつつある。筆者は折りたたみ式のDM25を購入したことを当ブログに書いた(参照)。ところが折りたたみの固定金具が壊れてしまった。屋外使用が前提のポメラだけにありがちなことだ。さらに使っているうちに特定のキー入力ができなくなった。これはついに壊れたと思い、新たに折りたたみではないが、Bluetoothや辞書などが搭載されたDM100を購入した。その後DM25をリセットすると、キー入力が復活したが、すでにその時点でDM100は入手しており、やむなくヤフオクで売却した。
 その後DM100は順調に稼働していたが、ある日さあ使おうと思ったら、いつもの置き場にDM100がないことに気づいた。どうやら出先に置き忘れたらしい。それとおぼしき店に電話したものの、届け出はないとの回答。これで盗難の可能性も出てきた。DM100にはパスワード保護を施していなかったし、仮にしてあったとしても、マイクロSDカードを抜かれたら、保護は無意味となる。しかし幸いなことにポメラに書いているのはブログの記事など公開情報で、個人情報は含まれていない。あきらめることにして新規に購入することにした。
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↑入っている箱
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↑開梱したDM200
 こうして手に入れたDM200だが、すっかり気に入ってしまった。利点は以下の通りである。
利点
1.ATOK漢字変換が優秀
2.Wifiでデータを送信できる
3,搭載電子辞書が高速強力
 ポメラは文章入力機としては素晴らしいものだが、パソコンやスマホの強力な予測訂正能力を持つ漢字変換に慣れた身からする物足りないものだった。実のところDM200でもスマホのATOKに比べると予測力は低いのだが、キーの入力のしやすさから互角以上の評価となる。
 Wifi接続によるデータ送信は、スマホのテザリング機能、または家庭内無線LAN、あるいは公衆Wifiを利用して接続することにより実現できる。筆者のスマホはAndroidなので作成したデータをGmailで送信することはできても、スマホで作成したデータを取り込むことができない(Gnoteというアプリでできるようだが筆者は今のところ成功していない)ので使い勝手がよくないが、Gmailを経由することでGoogleに個人情報を提供することになるのは好ましくないとはいえ、それでもマイクロSDカードでデータのやりとりするより利便性が高い。DM100で経験したようにマイクロSDカードにデータ保存することは、セキュリティ上問題がある。極力本体にデータを保存し、パスワードで保護のする方がいい。
 辞書については、ポメラが文章入力機故に必要性が高い。このポメラは文章作成のプロも使っているらしいが、同じ出来事でも異なる言い回しにしなければならないことが多々ある。そんな時辞書があれば心強いものだろう。
 逆に欠点としては以下のことが挙げられる。
1.大きくて重い
2.乾電池が使えない
3,表入力がなくなった
 最初に買ったポメラDM25は折りたたみ式キーボードで分厚くなるもののB6サイズより小さくなった。DM100は折りたたみではないものの、その分厚みが薄く軽さもあって、携帯性はほぼ互角だった。しかも両者の特長は乾電池で駆動するという点で、万が一電池が切れてもコンビニに駆け込めば何とかなるというサバイバビリティの高さを有していた。
 しかしDM200は機能が豊富になった分、図体が大きくなった。また消費電力が増えたので単3乾電池2本では賄えなくなり、大型充電池を搭載することになったのだろう。
 表入力は筆者の場合データ入力に威力を発揮した。エクセルのそれに比べるとおもちゃのような代物であったが、国会図書館でのデータ入力作業はこれなしではなし得なかっただろう。ユーザーの評価も低かったので廃止となったのだろうが、筆者は役に立ったので感謝している。
 しかし大きいという欠陥はどうしようもないにしても、大きさが適度で、画面を傾けることにより、キーの角度の調整ができるのでキーボードが打ちやすい。バッテリーも容量が十分余裕があるらしく、乾電池に比べて交換頻度が減った。それに外出の際にはスマホ用にモバイルバッテリーを携帯しているので、そこからミニUSB端子を介して充電できる。
 だからこれらは欠点ではあるが、自分からすると大きな欠点ではないといえる。
 そうすると、DM200は本当に何の欠点もないのか。いやある。それは価格が約35000円と割高なことだ。
 ポメラはそもそも文書の入力のみに特化した機械だ。メーカーのキングジムの商品企画会議でも、取締役のお歴々が「こんなもの誰が買うのだ」とダメ出ししたものの、出席していた外部監査役が「もしこんなものがあれば私は金を出してでも買う」という意見があり、社長が「一人でも肯定意見があるのだから市場性はあるのではないか」と判断し、量産が裁可されたという。パソコンでは重すぎ、スマホ・タブレットでは入力しにくいというスキマ市場にマッチし、ポメラはヒット作となった。
 だからポメラを買う人は、効率的に文章を書くという明確な目的を持っている人だ。筆者はかつてBluetoothキーボードとスマホ・タブレットの組み合わせで同様のことを1万円ぐらいの追加投資で実現していたが(参照)、Bluetoothキーボードの使い勝手が悪く、スマホの電池消耗が激しく、TwitterやLineをついつい見てしまういわゆるSNSノイズや、わからないことをグーグルで検索し、その目的を果たしても、ついつい関連するリンクをクリックしてしまったりして無駄な時間を過ごしてしまうことが多々あった。
 結局、文章を書くのであれば、ポメラがベストであり、35000円は高くないというのが最終的な結論である。
 ただし、普段文章を書いていない人や、書くのが苦手な人は、ポメラを買っても文章を書けるようにならないので、どうやって使っていいかわからず無駄な投資となるのでおすすめはしない。
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↑割高だが液晶保護シートも買った
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オーストラリア旅行記2017 [旅行]

オーストラリア2017
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■■■1.まえがき■■■
 2017年の5月の大型連休。今年も海外旅行に行こうと思う。当初は30000マイル貯まったユナイテッド航空のマイルを使って中国旅行に行くつもりであった。中国で行きたいところは空中楼閣の異名を持つ昆明、美人が多いというウイグル人のいるカシュガル、中国随一の水墨画的景勝地桂川といったところであった。しかしマイルを使っての旅程では乗り換えの待ち時間が長く、5日の旅程でも2日しか滞在できないとことがわかった。それに自分も年老いて、中国語をしゃべるのが面倒くさくなってきた。英語は得意とはいえないがまだ何とかなる。
 では英語の使えるところに行こうというわけで、マカオに目的地を変えた。日本からマカオやその隣の香港は30000マイルでは往復できないのだが、香港のすぐ隣の中国新センは行ける。なので新センまでの往復でマイルを使い、そこから鉄道で香港経由マカオに行けばいいと考えた。マカオに行く大きな理由は、2012年にマカオに行ったときに、マカオタワーからのバンジージャンプをやり損ねたからだ。勇気がなかったこともあるが、人気があって順番待ちが長かったこともある。
 今度こそという気持ちもあった。しかしマカオタワーのウェブサイトにアクセスすると、1回降りるのに4万円程の費用がかかる。ほんの数秒の緊張感と恐怖心を味わうだけに、その費用は高すぎる気がした。しかもビデオと写真は別途料金だ。何だか割に合わない気がしてマカオはあきらめることにした。
 それではスカイダイビングはどうか。これなら地上に降りるまで3分ぐらいは楽しめる。いやこちらの方がいいだろう。そうだスカイダイビングだ。スカイダイビングだ。私はもうそれしか考えれなくなった。
 ではどこでスカイダイビングをしたらいいのだろう。サイパン・グアムは何となく近すぎて面白くない。オーストラリアはどうか。筆者はオーストラリアは2001年にゴールドコースト、2003年にケアンズに行ったことがある。できればまだ行ったことのないシドニーに行きたい。シドニー近郊でスカイダイビングできないか探した。シドニーから送迎付きで約2万1千円のツアーを見つけた。写真動画撮影は約1万5千円の追加が必要だ。ちょっと高すぎの感があるが、一生一度の経験だからやむを得ない。
 シドニーといえば誰もが頭に思い浮かぶのは、屋根が貝殻を重ねたような形をしたあのオペラハウスだろう。さらにシドニー港をまたぐ美しいアーチ橋のハーバーブリッジもその写真を見れば「ああ、あれか」というぐらい有名だろう。とにかくオペラハウスとハーバーブリッジでほとんどシドニーを語れるぐらい有名である。そのハーバーブリッジにはアーチの鉄骨部分を歩いて頂上に登る「ブリッジクライム」というツアーがある。3時間半のツアーが約2万5千円とこれもいい値段だが、スカイダイビング前の度胸試しとしてやってみることにした。
 海外でバイクに乗ったことがないので、オーストラリアで実現できないか検討した。筆者は日本の中型免許しか持っていない。しかし国際免許には中型という区分がなく、中型免許で1000ccの大型バイクが乗れるという。どうせなら日本で乗れない大型に乗ろう。しかしバイクというのは面倒な乗り物である。まず天候に左右される。海外旅行に必須なスーツケースを固定するのが難しい。かぶり慣れたヘルメットを持って来ようとすれば余計な荷物になってしまう。そしてバイクはクルマより事故率が高い。海外で事故したときに面倒臭さは想像しただけでも嫌になる。さらにバイクの事故は自分自身の怪我に直結する。そしてレンタルバイク屋を調べたところ、結構な額の保証金が必要でレンタル費も高い。バイクの車検のない外国では整備がしっかりなされていないとも聞いた。
 そんなわけでレンタルバイクは断念し、レンタカーを借りることにした。ただできるだけ大排気量でゆったり走りたいと考え、日本でいうクラウンクラスを借りることにした。
 さてシドニーまでのルートだが、まず関西から香港までは格安航空のピーチアビテーションを利用する。香港からユナイテッド航空の30000マイルを使ってシドニーに向かう。ここで片道だけではあるがビジネスクラスを利用する。航空会社はタイ航空である。シドニーからの帰りは当初シンガポール経由のシンガポール航空を利用して5月8日月曜日の朝に到着するような便を予定し、実際に購入していたが、キャセイパシフィック航空の香港経由なら月曜日の朝シドニー発当日夜関西着にでき、滞在時間を延ばすことができるので、出発直前に変更した。キャセイ航空の方が約1万円運賃が高い上に、シンガポール航空のキャンセル料が2万円もかかった。
 往路が香港・バンコクを経由するので直行便の倍ほど時間がかかるが、香港の朝食は飲茶を楽しみ、バンコクの4時間の乗り換え時間はタイ式マッサージやビジネスクラス快適なラウンジで過ごすことにする。

 日程は大雑把に次のようなものになった。
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5月2日
関空からピーチ航空で深夜香港着
5月3日
香港で飲茶。午後タイ航空でバンコクへ。夕刻バンコクから夜行便でシドニーへ。
5月4日
朝、シドニー着。市内観光後ブリッジクライム
5月5日
スカイダイビング
5月6日
シドニー市内観光。オペラ鑑賞。
5月7日
レンタカーでシドニー近郊観光。
5月8日
キャセイ航空早朝便で香港経由で夜関空着。
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■■■2.まずは香港へ■■■
2017年5月2日 晴
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↑関西空港ターミナル2
 関西空港に着いたのは19時頃だった。シャトルバスで第2ターミナルへ移動。
「インチョン行きのお客様はおられませんか~」という係員の声を聞きながら、少し歩いて国際線乗り場へ。ピーチ航空の香港行きは機械でチェックインする。搭乗案内書のQRコードとパスポートを読み込んで終了。
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↑ガシャポンが並ぶ
 ガシャポンが異常な数で並んでいるが、誰も利用者はなかった。まだ時間があるので到着口に行ってみる。レンタルWIFIとかプリペイドSIMとかがあるのが、もはやこの世がネット接続が前提になっていることを如実に示している。
 保安検査はまだ空いている。トレイがコンベアの下から出てくる新型だ。数に限りがあるせいかキャリーバックはトレイに載せない。検査器も全身スキャンになっている。
 第2ターミナルの利用は2014年の台湾行き以来3年ぶり。しかし免税品店街は見違えるようにきれいになっている。
 待ち時間は退屈なので、ビールでも飲もうと思ったら売店には売っていなかった。大阪ゴチ食堂にたこ焼きとビールで1000円というのがあったが家で夕食を食べてきたので重すぎる。結局カフェラテにした。メニューには陶器製のカップが描かれていたが、大げさな受信機が鳴って示されたカフェラテは紙コップだった。
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↑搭乗ゲートへ
 これを飲んでくつろいでいると、20時30分頃に搭乗開始。外人も多いが8割が日本人。飛行機はボーディングブリッジではなく、タラップから乗り込む。航空会社は空港に支払う機材使用料を減らすために沖止めにしているのだが、筆者は乗る前に飛行機をみたいので沖止めの方がいい。
 機体はエアバスA320-200で左右3列ずつ座席がある。左はおそらく香港が初めてな日本人カップル。飲茶ガイドなどを読んでいる。
 21時10分に飛行機はA滑走路から南に向かって離陸した。
 離陸後20分ほど経って、飲み物の販売があり、ウォッカトニックを頼む。おつまみ付きで500円はさっきのカフェラテより安いと思う。缶とプラスチックカップを渡された。
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↑これで500円は安いかな
 飲んでいると機内の照明が少し暗くなり、読書灯が必要になった。読書をしたり、これをポメラで書いたり、機内モードでの使用を解禁されたスマホで香港での交通を確認したりした。
 香港到着30分前を告げるアナウンス。
 飛行機は23時50分に着岸した。LCCとはいえ一般のボーディングブリッジを利用する。
 滑走路の下を走るAGTでターミナルを移動。入国審査は長蛇の列。ようやく到着ロビーに着いたのは0時30分だった。
 前回香港に来たときは到着後すぐに両替所が閉まって難儀した経験がある。それに香港行きの列車は深夜は運転していなかった。しかし今は何と列車は動いているし、両替所も開いていた。5年も経てばいろいろ状況が変わるらしい。しかし私は深夜バスのルートにホテルを予約していたので、予定通り深夜バスに乗ることにした。
 ATMでH$500を引き出す。セブンイレブンでミネラルウォーターを買う。これで小銭を作るわけだ。さらに私は前回の旅行で余った香港ドルを持ってきていた。
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↑深夜バスを待つ
 NA11バスは30分程待った。結構な客でどうにか座れた。隣の男性の日本人2人はプリペイドカードを使おうとしてうまくいかず、何とか運転手と交渉してうまくいったようだ。
 案内表示を見てみると、停まると思っていたバス停には停まらないことがわかった。フェリーターミナルから歩く必要があることがわかった。
 1時15分にバスは発車し、NA11は特急バスなので高速道路をすっ飛ばす。しかしなかなか目的地に到着しない。フェリーターミナルに着いたのは1時52分。
 バスが着いた向こう側にタクシーが並んでいる。これに乗れば確実にホテルに着く。しかし私は自力で歩くことにした。深夜でほとんどの店は閉まっているとはいえ、さすがは香港で歩道にはバス待ちの人がいるし、人が絶えない。
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↑金色のホテルのフロント
 多少遠回りしながらも、予約していたベストウエスタンハーバービューホテルに着いたのは2時30分。金色を基調にしたロビーには誰もおらず、レセプションに一人だけ男がいた。バウチャーとパスポートを見せると、カードキーを渡された。カードに書いている手書きの数字が1710に見えたのでその部屋に行くとドアが開かず、レセプションに戻り確認するとそれは2710号室であった。
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↑簡素な部屋(ピンボケで残念)
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↑天井にはシャンデリア
 部屋は刑務所の独房のようだ。ベッドとテレビ、トイレとシャワーのみ。そのシャワーもカーテンはあるものの、使用後はトイレの床が水浸しになるものだった。ただ天井を見上げるとシャンデリアがあった。
 シャワーを浴びて3時に寝た。

■■■3.香港からバンコクへ■■■
2017年5月3日 晴
 8時20分起床。と思ったら携帯電話アラームのセットミスで6時20分であった。この時刻は筆者がいつも起きている時刻だ。
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↑ホテルを出発
 この香港に来たのは飛行機の乗り継ぎの都合であるが、出発まで時間があるので、香港名物の飲茶を楽しむことにした。このホテルを予約したのも近くに地元で有名な店があるからであった。
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↑飲茶「蓮香居」
 その「蓮香居」に着いたのは7時過ぎ。すでに満員で相席になった。ちなみに飲茶は相席が基本である。お茶は普通茶を頼む。焼売、春巻、その他3品を頼む。後から隣に座った同年代の男が見事な手つきで食器を洗う。動画に撮りたいくらいだった。奥には日本人カップルも見かけた。ネットで有名になりつつあるのだろう。
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↑普通茶
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↑伝票
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↑焼売
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↑春巻
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↑店内
 ホテルまでの帰り道を散策する。周辺は海産物の乾物屋が多い。生鮮食料品も多い。
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 面白かったのは坂を登ったところにあった「和歌山物産」という不動産屋で、ご丁寧に「秋田グループ」とも書いてあった。しかしなんで「和歌山」なんだろう?香港人が適当に日本の都市を選んだのだろうか。
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↑秋田グループ和歌山物業
 9時15分、ホテルをチャックアウト。
 近くの地下鉄駅から中環駅に向かう。2004年の香港旅行から使っている交通系プリペイドカード八達通はもはやチャージすらできなかった。窓口もないのでこの使用はあきらめ、現金で片道切符を買った。その片道切符もICカードになっている。
 香港に来たもう一つの目的は、ノキアの端末のカバーを探すことだった。筆者のガラケーはNOKIA301で、今や日本では骨董品のストレート型なのだ。またあわよくば今使っているNOKIAの予備も入手したかった。しかし1軒だけ見つけた電話屋にはスマートフォンしかなく、香港ではもはやガラケーは過去のものとなっている感じだった。
 10時50分発の空港快速に乗る。6割ほどの乗車率で30分ほどで空港に着いた。香港の公共Wifiの電波は拾うのだが、なかなか認証ができず、結果としてつながらなかった。
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↑空港快速改札口
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↑乗車券
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↑空港快速車内
 この香港からはバンコク経由でシドニーまでタイ航空のビジネスクラスを利用する。航空券引き替え書にはビジネスクラスと明記されていなかったが問題なかった。荷物は預けて上級客らしく振る舞うことにした。
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↑香港国際航空タイ航空カウンター
 保安検査が厳重で、鞄を開けさせられ、モバイルバッテリーを示しこれは何かと説明させられた。
 外は曇っている。ビジネスクラスなのでラウンジを利用できる。しかし搭乗時間まで時間がなく、わずか10分の滞在だった。12時45分には搭乗ゲートに着いた。本屋を覗くと「自衛隊史」「東京裁判」「明治維新」といった中国語の本が並んでいた。日本語のファッション雑誌もある。
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↑ラウンジ
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↑軽食とトマトジュース
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↑バンコク行きタイ航空
 飛行機に乗り込んだ。ビジネスクラスは別世界だ。空いていたので指定された席ではなく、脚を伸ばせる非常口前の席にしてくれた。
 離陸前から飲み物が振る舞われる。アイスティー。日本語の新聞も持ってきてくれた。読売新聞の一面は「安倍首相憲法改正に意欲」だった。
 13時17分に離陸した。離陸するとファーストクラスとの仕切りの青いカーテンが閉められた。
 下界に香港島が望める。しかしすぐに雲に遮れられた。
 ビジネスクラスの座席は大きく、フルに倒しても後ろの客に迷惑を掛けることがない。しかも電動で細かい動きを調節できる。
 ビジネスクラスの食事は豪華で量も多すぎるくらいだ。食前酒の赤ワインに付いているつまのアーモンドからして量が多い。終わったと思ったら、果物とケーキもある。テーブルクロスの上に陶器製の皿が並べられた。ウォッカ、ウーロン茶、コーヒーを飲んだ。
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↑ビジネスクラス
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↑食前酒ワイン
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↑前菜
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↑紅茶と持ってきた本
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↑メインディッシュ
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↑フルーツ
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↑ケーキ
 せっかくのビジネスクラスだから座席を思いっきり倒し足りない睡眠時間を補った。
 14時30分頃頃、バンコク郊外が下界に望めた。ビジネスクラスをもう少し楽しみたいところだがもう到着である。
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↑バンコク上空
 バンコクは香港に比べて1時間遅い。14時過ぎに機体が停止した。ボーディングブリッジではなく沖止めであった。ビジネスクラスは優先的に降りてランプウェイバスの座席を確保できる。ファーストクラスは特別のミニバンに乗る。
 ターミナルビルは新しく建設されたはずだがどうも古くさい。バンコクはとても暑く、空調が追いついていない。保安検査場では大型扇風機が回っていた。
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↑バンコク空港の搭乗ウイング
 シドニー行きの出発は19時30分なのでまだ時間がある。この時間を利用してタイ式マッサージを体験することにした。しかし全身をやってくれる本格的なのはなく、足もみか肩と背中のどちらかだ。施術する場所はガラス張りで外から丸見えである。足もみをしてもらっている人の方が多い。それにしても施術中にスマホを触っている人の多いこと。世界中の人がスマホに取り憑かれている感じだ。
 肩と背中をやってもらった。30分600バーツ。実際は30分以上やってもらった気がする。日本のタイ式マッサージに比べて、さすが本場で上手い。痛くもなく疲れがとれる感じだ。
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↑タイ式マッサージ受付
 まだ17時20分だ。それからはタイシルクラウンジで過ごした。Wifiがつながったのをいいことにtwitterばかりやっていた。飛行機に乗ってもたくさん料理が出るので、このラウンジで食べる量は抑えたが、それでも滅多にない機会なので腹3分目に食べた。
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↑シドニー行き搭乗口
 機体はB747-400。2階席に案内された。ビジネスクラスは窓際での楽にトイレに立つことができる。だから2便とも窓際にした。
 前から2列目だった。離陸前にシャンパンを飲んでテンションを上げる。
 飛行機は19時45分に離陸した。
 約1時間後に機内食。スープが韓国料理のカルビタンに似ていた。トイレは2カ所、操縦席の後ろにある。
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↑食前酒
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↑メインディッシュ
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↑スイーツ
 22時0分、眠りに入る。思い立って小説を書き始めたが、その後完成することはなかった。

■■■4.シドニー初日はブリッジクライム■■■

2017年5月4日 曇
 シドニー時間の4時に目が覚めた。
 5時30分頃機内食。食べて後悔するほど量が多い。
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↑ビジネスクラスは朝食も豪華
 やがて左舷に日差しが照りつけ、その後座っている右舷にも日が差した。下界は厚い雲に覆われている。そのうちに陸が見えて海が見えた。目的地シドニーは近い。
 7時17分、飛行機はシドニー国際空港に接岸した。
 8時に入国管理を突破した。ニュージーランドと違って税関や植物検疫は混んでいなかった。とりあえずATMでA$200下ろした。あと残った230香港ドルをA$29.85に両替した。
 まずはシドニーでスマホを使えるようにする必要があるので、プリベイトSIMを購入する。ヴォーダフォンAUとOPUSの2強が鎬を削っている。並んでいる列の長さは同じような感じだったが、前年にニュージーランドでヴォーダフォンを試したので、違う方をということでOPUSにした。黄色と水色を基調にしたポロシャツを着た白人店員、5日間の滞在、データ回線のみで希望すると、A$20で7日間のプランを勧められた。スマホはあらかじめセキュリティーを解除し、システム言語を英語にしていて、店員にセットアップをやってもらった。難なく4G回線が接続された。これでグーグルマップを使えるので道に迷いことがない。しかし同時にyahooやtwitterのせいで無駄な時間を過ごすことになる。
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↑プリペイドSIM屋OPUS
 市内までは地下鉄で向かうことにしていた。OPALカードを入手した。OPALカードはJR西日本のICOCAのようなICカードで、フェリーを含む市内交通はこれ一枚で済む。A$40チャージしてもらった。ICOCAと違って保証金は不要である。
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↑OPALカードを購入
 空港から2号線でセントラル駅へ。このセントラル駅は多層式になっていてわかりにくい。表示もしっかりしておらず、都市交通になれている筆者でも戸惑った。
 ようやく4号線に乗り、キングスクロス駅に着いた。シドニーの電車はすべて2階建てだ。着席できるのはいいが、扉が2つしかないので乗り降りに時間が掛かっている。
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↑シドニーの電車は二階建て
 予約していたホテル「ホリデイインポッツ」は駅のすぐ近くにある。9時30分にホテルに到着。とりあえずトイレで、ジャケットに着替える。オーストラリアのトイレの出入り口は宇宙船のエアロックのように二重扉になっているところが多い。
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↑ホテル「ホリデイインポッツ」
 部屋の用意まで1時間かかるということなので、荷物を預けて外出する。本日の予定はシドニータワーアイの最上階の回転レストランで昼食。その後ハーバーブリッジのブリッジクライムを体験し、夜はディナークルーズとなっていた。ジャケットに着替えたのは一応レストランでの食事が予定されたからだ。初日から詰め込みすぎの感があるが、とにかく時間が足りないから仕方がない。
 シドニータワーの昼食は11時チェックインなので、まだ十分な時間がある。地下鉄で最寄り駅まで乗る。OPALの特典として、一日8ドル以上利用すると、その後はどれだけ乗ってもそれ以上請求されることがない。空港から乗ったのですでにこの条件を満たし、その後は請求はなかった。
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↑電車のドア
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↑二階建て電車内
 シドニーの繁華街の印象は、ブランド物の店が並んでいて日本の銀座みたいだ。でも建物はヨーロッパ風。道路が狭くてクルマも走りにくく、人も歩きにくい。歴史の浅い国なので特徴のある建造物が少ないという点だ。筆者からするとどうもヨーロッパになりきれない中途半端さを感じてしまう。ブランド物を買うのなら、値段はともかく日本の方がいい物が手に入ることだろう。
 ハイドパークのベンチで時間を潰す。小学校の遠足や地元の老人が憩う。オーストラリアにはシギがたくさん居て、人を恐れずベンチなどに止まっている。
 大道芸人は電子ピアノを弾いていて、マイウエイ、ニューヨーク・ニューヨーク、ミッシェルなどを演奏していた。
 シドニーは秋のはずだが、ジャケット一枚でちょうどいい感じだ。ベンチで座るよりも、ホテルの部屋で寝ていたい気持ちだ。強行日程を組んだ自分が悪い。
 それにしても中国人の観光客が多すぎるほど多い。あと韓国人も幅を利かせている。日本人はこの旅行を通じて確認されたのは10人に満たない。案内標識も中国語は普通にあるし、韓国語も重要なところにはある。しかし日本語の看板は本当に数えるほどだ。そうされてしまうほど日本人観光客が減っているということだろう。オーストラリア海軍が確実だった日本の潜水艦の発注をやめてドイツ製に切り替えたのは、やはり中国を刺激したくないという思惑もあるのだろう。
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↑ハイドパーク
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↑シギは近づいても逃げない
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↑公園から見たシドニータワー
 回転レストランはタワーの4階でチェックインする。4階といっても実質は2階でエスカレータを一段上がったところにある。
 11時10分にそこに行ったが、早すぎたらしく11時30分にもう一度来てくれとのことだった。フロアは筆者には縁のないブランド品ばかり並んでいる。SUSHI RIOという回転レストランがあった。客はまだいない。寿司は本当に世界食になった。
 11時30分にカウンターに現れると、既に先客がいた。観光客よりも、地元の人の方が多い感じだった。扇型のエレベータに乗り込む。筆者は押し込まれるように扇の要の位置に立たされた。ドアの上にモニターがある。これはこの別のエレベータ内部を映しているようだ。どういう意図なのだろう。
 窓際の席に案内された。曇り空でもう一つだが、強い日差しに悩まされることはない。料理は好きなものを自分で取るビュッフェ形式。味はとりわけ旨いわけでないが不味いわけでもない。平凡そのものだろう。それよりも眺めのいい回転レストランというところに意味がある。
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↑回転レストラン(窓側席)
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↑料理1
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↑料理2
 中国人や韓国人の団体観光客がいるが、彼らは窓際でなく上の方に座らされている。この回転レストランで残念なのは、ビルに阻まれて、シドニーの象徴たるハーバーブリッジとオペラハウスがよく見えないことだろう。これはほとんどの観光客が残念に感じるはずだ。
 シドニー観光の最初にシドニータワーに訪れたのは、高いところが見た方が地理を把握しやすいからだ。その目的は概ね達成された。
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↑軍艦が見える
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↑ハーバーブリッジが見える
 食事はバイキングだが、飲み物は別だ。このあとブリッジクライムなので、高所で足元がふらつくことがないようアルコールを控える必要があったので、酒は飲まなかった。コーヒーも飲まず水だけで過ごした。
 窓の脇に黒い鞄があった。客の誰かが置き忘れたのだろう。回転レストランらしい光景だ。レストランは約1時間で一周する。1時間10分後に退出した。何も追加料金はないのでそのままエレベータで降りた。
 タワーからはそのまま北に向かって歩く。メインストリートはライトレールか地下鉄の工事中で車線が狭くなっている。
 フェリー乗り場にやってきた。桟橋が6つあり、行き先別に分かれている。ここでもOPALが使えるので、自動改札がある。ほとんど駅と変わらない。
 豪華客船が停泊している。この船はイギリス船籍のクルーズ船、「ゴールデンプリンセス」だ。総トン数10万トン超。海に浮かぶホテルともいうべき偉容で、標準の乗客定員は2600名。驚くべきは船員は1100名に達することだ。さすがは人的サービスを売り物にする豪華客船だ。
 船とオペラハウスの写真は絵になる。というか船の行き交うシドニーでは船を映さずにオペラハウスやハーバーブリッジを撮影するのは難しいくらいだ。ハーバーブリッジの偉容もさすがである。だが曇り空のせいか、オペラハウスの白い屋根がクリーム色に見える。なんだか思ったほどきれいではないなあ、とその時は思った。
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↑オペラハウスが見えてきた
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↑曇空でちょっと残念
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↑ゴールデンプリンセスの船首
 オペラハウスに近づいてみる。テラスではお茶を楽しんでいる人が多い。ざっとみて半数は中国人だ。本当にどこにでもいる。
 ハーバーブリッジを見ながら、明日のスカイダイビングの事務所へ「明日行かせていただきます」と再確認の電話をする。
 次はブリッジクライムだ。これはハーバーブリッジのアーチ部分を通って歩いて渡るツアーで大変人気があると聞いている。しかし料金はとても高くて2万円以上する。ここの受付には当てすっぽうで歩いて行くと道に迷い、グーグルマップのおかげで予定より少し前の14時30分にようやくたどり着いた。
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↑ブリッジクライムの受付
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↑待合ロビー
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↑参加チケット
 ツアーは11~12人一組で行われ、専用のスーツを着る。橋から物を落とさないように、ポケットには一切物が入れられない。腕時計も不可である。ほぼ下着の上からスーツを着ることになる。そのスーツは欧米人に合わせているのでブカブカである。脱衣所で着替えた服はロッカーに入れる。さらに金属探知機のゲートを通る。
 同意書は英語である。ほぼNoにチェックしておけばよかったが、ひとつだけYesにチェックしなければならないところがあった。筆者は隣の人のをカンニングしていたのでOKだった。
 私のツアーは米国人が2人、英国人の家族が4人、インド人の4人と11人だった。なぜそれがわかったかというと、円陣を組んでそれぞれ自己紹介したからである。
 案内は中国系オーストラリア人の男性。ちょっと幼なじみの顔に似ている。まずは保護ベルトを着ける。そして命綱をつける。橋の柵にはカーテンレールのようなものが並行して走っていて、それに取り付けるわけだ。80kgの重量まで耐えられるという。
 最初に屋内に設置された階段を使って昇り降りの練習する。一段一段登るところを間違えて、命綱を引っ張ってしまい、右腕に傷を負った。意外に深手で2週間ほど治らなかった。
 さていよいよアーチに登る。私は米国人に続き3番だ。ツアーガイドは英語でいろいろ橋や目にする建物について解説してくれるが、英語を理解しない筆者は有益な情報をほとんど捨てていることになる。それでもスティーブン・ジョブズに似た米国人は何となく筆者のことを気に入ってくれているようであった。
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↑ハーバーブリッジ(これは別の日に撮影)
 ブリッジクライムはこの写真の橋のアーチの鉄骨部をグループで登る。上面アーチを登るツアーと下面を移動して中心部で最上部に上がるツアーがあり、参加費はもちろん眺めのいい上面アーチを登るツアーが高く人気もある。

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↑日没時が一番人気のある時間帯
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↑シドニーの夜景(アーチにいる人が見えるだろうか)
 前述のようにカメラは持ち込めないのでこの上の2枚は参加者に配布させる画像データを引用している。
 カメラも録音機も時計もないので、記憶に頼るしかない。はじめに腰をかがめながら狭い通路を通って橋桁へ。そこからしばらくしたところで2人のインストラクターが安全のために待機していて、狭い階段を登っていく。インストラクターは「スクイズ」と言っていたので一人ずつ登っていくことになる。
 あとはアーチの上面の高いところを歩いて行く。思ったよりも幅が広いし、傾斜も緩やかで恐怖感もない。怖いのは階段を登るところだけではなかろうか。
 このツアーの特権としてはオペラハウスがよく見えることだ。ハーバーブリッジの歩道からも見えるが、落下防止用の柵が邪魔だ。それに邪魔されずに見るにはこのツアーに参加するしかない。難点はカメラを持って行けないので、ツアー会社の高い写真を買わないと行けない点だろう。写真は集合写真は標準で付いている。ただし3カ所で行われる個別の撮影は気に入ったのを買う別料金である。欧米人は年配の人でもポーズを取るのが上手い。感心する。自分のより彼らの方をもらって勉強したいくらいだ。
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↑購入写真
これはスタッフに撮ってもらった写真。オペラハウスは当然として、ゴールデンプリンセスが映っているのはお得感がある。
 17時を過ぎると日没を迎え、寒気を感じはじめた。腰に収容されていたヤッケを着る。シドニーのサンセットをこんな高く開放された場所で見れたのはよかった。一度は経験した方がいいと思うがそれでも料金は高いと思う。
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↑ブリッジクライム認定証
 オフィスに戻ってきた。着替えるときにやや失敗した。最後に輪になって背中のフックを外すのだが、しなくてもいいジッパーを下ろしてしまったのだ。前のインド人はおかしいとは思ったが英語の理解しない日本人だから仕方ないかと複雑な表情だった。
 しかし背中のジッパーを下ろすのは身体の堅い私には難儀だった。その時ジョブズが助けてくれた。
 着替えの際、アンケート用紙が渡されたが、当然英語で読むのに時間が掛かる。私の着替えが終わったのは最後だった。
 しばらくオフィスで休憩してから、18時20分に出る。
 次はキャプテンクックのサンセットディナー。正直食べてばかりでこの上にディナーは不要かなと思っていた。あまり乗り気でなかったが、船の上の食事なので楽しみにしていた。
 しかしヴァウチャーに書かれたチェックインの19時より前に指定された6番桟橋にやってきたのに、キャプテンクックの窓口は閉まっている。これはいったいどういうことだと思っているうちに、停泊していたクルーズ船は出港してしまった。案内書をよく読むとクルーズ船は19時に出港と書いている。しかも船は実際に19時に出港した。つまり主催のキャプテンクックに落ち度はなく、仲介したベルトランのヴァウチャーの表記が19時チェックイン、19時30分出港と書いていたのが間違いのもとだったのだ。後でベルトランにメールして返金を依頼することにした。
 ホテルに戻りチャックインした。オーストラリアは英国式の階数表記で1階すなわち日本では2階である。エレベーターはカードキーを近づけないと、階数を押せないようになっている。カードはなぜか2枚ある。
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↑英国式エレベータ(2階が1階、1階が地階G)
 部屋は2階で窓が馬蹄形の建物の内側に向いているので眺望はゼロに近かった。設備もそんなによくない。ダブルベッドは1台。枕は硬いのと柔らかいのを選べる。客室金庫あり、アイロンと台がある。Wifiはあるようだが有料なので利用しなかった。LANケーブルがある。バスタブはあるのはありがたいが、シャワーの高さが変えられず使いにくい。女性用のコスメは充実しているのに、歯ブラシやカミソリがない。洗面所は蛇口が固定されていて使いにくかった、ミネラルウォーターが冷蔵庫にあるが、初日の1本だけだった。
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↑ベッド
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↑テーブル
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↑バスタブ
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↑洗面台
 ホテル内に洗濯機はなくクリーニング代は高い。下着だけで3000円はかかる。この利用は現実的でないと考えた。次に近所にコインランドリーがないか探す。グーグルマップでコインランドリーとカタカナで入力すると、近くのコインランドリーが検索される。コインランドリーの英語名を入れる必要がないのである。グーグルのビックデータ蓄積による言語解析技術は目を見張るものがある。あと5年もすれば同時通訳や観光案内通訳案内人は失業するのでないだろうか。
 実際にそのコインランドリーに行ってみた。閉店していたが中身が見える。洗濯機と乾燥機が2台ある。しかしこれを観光客である私が使えるだろうか。コインランドリーはあきらめ部屋で洗濯して干すことにする。
 オーストラリアではHOTELと書いたバーが多い。これは禁酒法の影響でホテルであれば酒を売っていいという頃の名残だ。そこでの食事も考えたが、どうも騒々しいので退散した。といってSubwayのホットドッグで夕食というのもさみしすぎる。結局ホテルに戻り、ホテルのレストランを利用することにした。チキンパスタを選んだが出てきたのは雑炊のようなものであった。ここ数日大食気味だったので、量には不満はないが、ビール込みの値段がA$31と高すぎる。2500円もするのは自分からすると詐欺に近い。しかしこれはホテルのレストランのお約束なのである。
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↑ビール
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↑雑炊みたいなパスタ
 風呂に入り、洗濯をする。テーブルと椅子を使って物干し台を作る。
 寝たのは0時。

■■■5.さあスカイダイビングだ■■■

2017年5月5日 晴
 6時45分起床。洗濯物はほぼ乾いている。朝食はビュッフェ形式で主食はシリアルに牛乳にした。海外独特のカリカリベーコン。野菜が堅いと思ったらそれはジューサー用だった。MOCHAを選んだがそれはココアだった。このあたりのいい加減さはオーストラリアらしい。
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↑シリアルの朝食
 エレベータでカードキーをかざしていると、一緒に居た入れ墨の男が「パインデアース」と言っていた。どこの国の言葉かわからない。
 8時、ホテルの前に大型のバスが待っていた。これがスカイダイビングツアーのバスだ。乗り降り口に座っている恰幅のよすぎる男に名前を告げると、他に待っていた3人の東洋人とともに乗り込んだ。
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↑スカイダイビングの送迎バス
 シドニーの道は狭く一方通行が多い。渋滞も日常的でバスも走りにくそうだ。今日は金曜日で出勤ラッシュの只中である。
 セントラル駅の近くで長時間停車する。ここでの乗車が大多数だ。30人乗りのバスはたちまち満員になった。バスはなかなか発車しなかった。韓国人の連れが寝坊しているのかまだ現れていないようなのだ。その他何とか乗れるように交渉したりする人がいた。急いでいる人は前のミニバンに乗って先行した。
 結局バスは9時10分に動き出した。隣の韓国人は来なかった友人に連絡を取ろうとホテルに連絡しているようだ。その英語は確かに筆者より上手かった。
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↑ダイビングオフィスに到着
 10時50分、WooloonのStuartParkに到着した。ここにスカイダイビングの事務所がある。バスは草むらに停車し、ぞろぞろと降りていった参加者が同意書にサインしていた。英語はおそらく「もし死んでも責任はとりませんよ」といった趣旨の内容なのだろう。しかしこの同意書はどこで入手したのかわからなかった。あとでさっきの運転手が参加者に配っているのを見て「ミートウ」というと、彼は面倒くさそうに無言で渡した。
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↑同意書に署名する
 この同意書とバラシュート協会の入会金A$30と任意の傷害保険A$30が必要だ。
 参加者は白人よりも有色人種が多く七割を占める。その中の半数は中国人で半分は韓国人だ。男女比率は半々だ。日本人は大型連休だというのに筆者だけであった。
 12時00分、名前を呼ばれた。同意書を渡し、タブレットで入会手続きした協会入会金と保険金を支払う。荷物をロッカーに預ける。当然財布、パスポートを含む貴重品は身に付けて飛び降りることはできない。ロッカーといってもただの棚で鍵はない。パスポートを盗られたがどうする気なのだろう。それも自己責任だろうか。
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↑入会と保険契約はタブレットに直接入力する
 すぐに私の名を呼ぶ男がいた。私と一緒に飛ぶミック氏である。サッカーのジーコに似ている。 砂袋の入ったウエストベルトとスパッツ、安全ベルトを身につける。すっかり落下傘部隊だ。
 一緒に飛行機に乗る7人が集められ、簡単なレクチャーを受ける。まず飛び出すときは両手で肩紐を持ち膝を外側に曲げる。空中では両手を広げる。着地の際には両手で腿を持ち上げ脚を伸ばす。これだけである。
 12時10分、参加者とインストラクターを乗せたバスが発車した。12時30分に空港に着いた。小型機専用というわけでなく、カンタス航空の大型機も停まっていた。
 格納庫を抜けるとセスナ機が待っていた。SKYDIVERと書いた青い機体の高翼機だ。
 私が乗り込んだのは最後だった。しばらくすると飛行機は動きしばらく待機した。私の身体の横にある透明のシャッターは開いたままだ。ミックから「お前が最初に降りる」と告げられた。横のシャッターは開いたままで機体は動き、離陸寸前になって閉められた。
 飛行機は高度を上げる。離陸してから5分ほど経っただろうか。ミックがシャッターが開いたら脚を外に出し、合図で飛び出すと言われた。そして扉が開いた。筆者の脚は外に出てブラブラしている。下界を見ると脚がすくむ。まさに地に足がついていない。反射的に左手で扉の上のバーを掴んだ。ミックと私はそれをふりほどくように飛び出した。私は何やら叫んだようだが、高度4000mからの落下はなかなか下界の景色が近づかない。ミックが手を伸ばしてと日本語でいう。ハンディカメラに向かってポーズ。英語でグレイトとコメントする。思ったよりも顔に受ける風圧を感じない。高速道路を走るクルマから顔を出した方がそれを感じるのではと思ったほどだ。
 1分ほど経過してからパラシュートが開いた。こうなると空中に浮いているようなものだ。ミックは体重移動で方向を変える。下界は一面の草原というわけでなく、製鉄所もあるし、民家もある。シドニー方面に続くビーチが息を飲むほど美しかった。
 ケーブルを手渡されお試しで方向を変える。右を引くと右に曲がる。このあたりの融通は日本だと許可されないだろう。
 徐々に事務所近くの芝生が近づいてきた。私は指示された通り脚を伸ばしドンピシャのタイミングで着地した。
 私はカメラに向かってのインタビューで「死ぬ前にいい経験ができた」と英語で応えた。戻ったのは13時であった。つまり乗ってから降りるまで1時間ということだ。
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↑飛行機に乗り込む
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↑ダイビング前の不安な筆者
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↑飛行機は徐々に高度を上げる
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↑ついに飛び降りた
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↑風を顔に受けて
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↑見事に着地
 帰りのバスが発車するのは16時30分だと聞いた。時間が有り余っている。
 事務所に一番近いレストランは入り方がわからず、少し離れた海辺のDIGGIESCafeというレストランに行く。DIGGIES CHEESE BURGERとアイスレモネードを頼む。海を見ながら、海風を感じながら食事するのはなんともいえないよい気分であった。これにはスカイダイビングの高揚した気持ちも作用しているに違いない。無意識に声が出ていたのか声がやや枯れている。
 この店はさすがに観光地化しておらず中国人はほぼ皆無だった。
 DIGGIES CHEESE BURGERのメニューをあらためて見てみると、wagyu beef partyとあった。実際に和牛を使っているかどうかは問題ではなく、オーストラリアの日本人のほぼ寄りつかないようなレストランでこのような言葉が使われているということに軽い衝撃を覚えた。wagyuはブランド化しているのだろうか。
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↑レストランDIGGIESCafe
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↑DIGGIES CHEESE BURGER
 ハンバーガーはとても大きく口を開けて食べられるものではない。ナイフとフォークで切ったが、どうも違うような気がする。正しい食べ方を調べようと思う。フライドポテトが山ほど付いている。オーストラリアではこれがご飯代わりだ。こんな油の塊を毎日食べていれば、そりゃおなかがポンポコンリンのメタボになるはずである。
 10分ほど歩いて事務所に戻る。
 予定の16時30分を過ぎてもまだハーネスをつけている人がいる。戻ってくるのに1時間かかるから、バスが出発するのは早くて17時30分となろう。スマホの音楽を聴いたり、草むらを歩くカモと遊んだりして時間を潰す。
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↑まだ飛んでいる人がいる
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↑黄昏が迫ってきた
 予想通り17時30分バスは出発した。外はもう黄昏時であった。往路は満員だったのに、帰りは8割ぐらいしか乗っていない。残りはどうやって帰ったのだろうか。帰国後に調べてみると、歩いて10分ぐらいのところにFairy Meadow駅がある。そこから電車で帰ればこの無駄な時間を過ごすことはなかったのだ。
 19時20分、バスが停まった。筆者は乗り込んだホテルの前まで送ってもらえると思ったので、バスの中で一人残っていた。するとスタッフが「まだ一人いるぜ」とタバコをふかしている運転手に声を掛け、私に「降りろ」と指示した。
 どこに停まったのかわからなかったが、グーグルマップを起動してセントラル駅の近くだとわかった。セントラル駅はその名のとおりシドニーの中央駅で上野駅のような行き止まりホームと高いドームを有している。金色に照明された構内は美しく、ホテルまで送ってもらえなかった不満は消えてしまった。
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↑金色に輝くセントラル駅
 ところで今夜の夕食はオーストラリアのビーフステーキをがっつり食べたい。スマホで店を検索する。
 19時46分発のライトレールという路面電車に乗る。車内で運賃収受は行わず、ホームにあるカードセンサーにタッチする。これではただ乗りをしようと思えばできる。いわゆる信用乗車である。
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↑路面電車で一駅乗る
 一駅なのですぐに着いた。ジョージストリートを北上する。この周辺はシドニーの中心街だ。写真を撮ったが不鮮明で店の名前は不明だが、「六○○串」というような名前の店に中国人が行列を作っていた。
 20時00分、Scruffy Murphyという店に入った。2階に上がる。BISTROとあるが実態はバーに近い。カウンターで注文して、渡されたバイブが鳴ったら、厨房へ取りに行くというシステムだ。ティーボーンステーキを注文した。露出度の高い衣装を着ているバーガールに「バーボンが欲しい」というと通じなかったらしく、XXXGOLDというビールに切り替えた。代金はその都度払う。
 店内には大型テレビがあり、オーストラリア対ニュージーランドのラグビーテストマッチを放映していた。店内はスポーツバーのごとく盛り上がっていた。盛り上がっているのは若者で年寄りは冷淡だった。奥の方に日本人観光客らしきカップルが見える。
 10分ほど経ってステーキを取りに行った。座ろうと思った席は予約席の札が置いてあった。仕方がないのでカウンターで食べる。カウンターでステーキを食べるというのは変だが仕方がない。
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↑オージーステーキ
 ステーキの量はちょうどよかったが、肝心の味の方は牛肉らしいコクはなかった。しかしこれが14ドルということを考えれば妥当だといえる。
 半時間ほど経って店を出る。地下鉄で帰る。エスカレータに乗ると「SUPER DRYJPN極度乾燥」と書いた上着を着た女性が前にいた。日本人から見たら全然お洒落に見えないが、欧米人から見たら日本の英語をプリントしたTシャツは相当おかしいのだろう。
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↑SUPER DRYJPN極度乾燥
 晩酌しようと酒を求め、近くのスーパーに入る。残念ながらアルコールは置いていなかった。品揃えは外国では標準的なもので、バカみたいにでかい牛乳瓶がある。キッコーマン醤油を置いていた。何も買わずに外に出た。
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↑Colesはオーストラリアを代表するスーパー
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↑中段右にキッコーマン醤油がある
 21時20分ホテルに戻る。
 風呂に入ってから、テレビを見る。NHKは映らないが、中国のCCTVは3チャンネルもある。

■■■6.シドニーを走る・動物園・オペラ鑑賞■■■
2017年5月6日 晴
 8時起床。朝食はルームナンバーを告げるだけだ。スタッフがマーカーでチェックする。レーズンパンにヨーグルト。しっかりと栄養補給する。
 このホリデーインは飛行機の客室乗務員の宿泊としても利用しているらしい。制服姿の女性がフロントの前やこの朝食会場にいる。
 9時25分ジョギングに出発。今回はこの旅行用に小さくたためるナイキのフライニットのシューズを持ってきた。このフライニットは大雑把にいえば、厚い靴下にゴム底をつけたシューズで、軽量かつフィット感に優れている。欠点は雨に濡れると水が染みこんで、レースでは戦闘力を失うことである。
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↑フライニットのシューズ
 目的地はハーバーブリッジだ。その歩道を往復する。ハーバーブリッジはオペラハウスが見える方に歩道がある。自転車道は反対の鉄道線側にある。つまり景色のいい方を歩く人の多い観光客用にしているのだ。
 地図を見るのだが、この歩道にどうやって入っていけるのかわかりにくい。最初に入った道は自転車道だった。行ったり来たり迷っている内についに入り口を見つけた。Cahill Walkの看板があった。左に行くとオペラハウス、右に行くとハーバーブリッジ。勝負は終わった。ついに入口を発見した。あとはただひたすら走るだけだ。
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↑歩道への入口を発見
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↑階段を上がる
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↑ハーバーブリッジは右へ
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↑歩道を進む
 ハーバーブリッジにやってきた。歩道は十分な広さがあり、のろのろ横に広がって歩く観光客がいても、ジョギングする人はかわすスペースがある。実際、ジョギングしている人は多い。
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↑ハーバーブリッジの歩道
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↑無骨な金網
 この歩道の残念なのは両側に金網があって、眺望がすごぶる悪いことだ。しかし安全のためには仕方がない。オペラハウスだけを撮るのであれば隙間があるので大丈夫だ。
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↑オペラハウスも肉眼ではこんな感じ
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↑金網の隙間から撮影
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↑歩道を引き返す
 橋の向こうに着いた。着いたところに電車の駅がある。大概の人は片道は電車を利用するようだ。
 道路の向こう側にあるATMで現金を引き出す。来た道を引き返す。もう十分に撮ったはずのオペラハウスをまた撮った。歩道をまっすぐ進むと、ハーバーブリッジを左、オペラハウスを右に見えるところにやってきた。ここはサーキュラーキー駅の真上で、眼下には船着き場がある。
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↑サーキュラーキー駅の真上の休憩所
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↑左にハーバーブリッジ右にオペラハウス
 歩道の途中にバス停のような休憩所があり、ここで記念撮影。逆光なのでフラッシュを点灯させるが、それでも顔は黒く潰れる。すでにさんざん撮ったハーバーブリッジだが、ここから見るのもきれいだ。
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↑晴天のハーバーブリッジ
 車道に降りる。もしジョギングするならここから入った方が抜群の景色を堪能できる。しかしこの歩道への入り口には何の案内標識がないのは不思議だ。
 シドニーの歩道に立っているポールには自転車を固定しやすいように円形のパイプが設置されている。いいアイデアである。
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↑ポールに固定された自転車
 11時50分、ホテルに戻る。シャワーで汗を流してから2度目の洗濯。まだ部屋の掃除は来ていない。
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↑ジョギングしたコース(橋のたもとで道に迷っている)
 12時半に再び外出する。目指すはタロンガ動物園。地下鉄のセントラル駅で迷う。ここの案内板はわかりにくい。あれでは観光客が迷うのも無理ない。
 タロンガ行きのフェリーの出発まで30分近くあるので、波止場の近くのカフェで昼食。テラスに座る。背中に受ける日差しがまぶしい。カフェモカとフィッシュアンドチップス。今夜はオペラを観るので、夕食は観劇後の21時ごろとなる。腹持ちのいいフライドポテトを選んだというわけだ。量は期待通りであった。
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↑フィッシュアンドチップ
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↑カフェモカ
 5番桟橋にやってきた。運賃はOPALカードで支払える。緑とクリームに塗装されたLADY NORTHCOTTという名の船は既に接岸しているが、まだ乗ることはできない。
 船は14時に出港。内部には椅子があるが、ほとんどの人はデッキに出て景色を楽しんでいる。船は12分ほどでタロンガ動物園に着いた。
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↑ヨットの白い帆も映える
 歩いて3分ほどのところに動物園の入り口がある。A$46の料金を払うと右掌に赤いスタンプを押される。
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↑タロンガ動物園入り口
 さて園内は確かに動物はいるのだが、動きがなく元気がない。カンガルーは寝てるし、コアラは起きているがこちらに向いてくれない。アシカはいるが遠く離れたところで寝ている。象はいったいどこにいるのかわからなかった。なんだか日本の動物園の方がいいと思うし、これで約4000円の入場料は高いと思う。
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↑ヒツジ
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↑コアラ
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↑キリン
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↑ゴリラ
 でもまあせっかく入場したのだからとせっせと歩き回った。一番いいのはハーバーブリッジとオペラハウスの眺め。シドニーの魅力は結局この二つの建造物で9割表現できる。
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↑動物園から見たハーバーブリッジとオペラハウス
 この動物園で面白い試みは園内の上空にロープを張り巡らし、縄梯子を渡ったりとアスレチックをしながら園内を巡るツアーがあることだ。日本では危ないといって許可されないだろう。面白そうだがおそらく家族連れが対象なのでやめておく。
 不思議なのは土曜日で客もそこそこいるのに、園内のカフェとかはほとんど閉まっていることだ。その客層だが、半分はオーストラリア人で残りが観光客。その8割は中国人だ。
 つまらないので予定より1時間早く退園した。入ったところとは違って、目の前にフェリー乗り場がある。
 案内板にサーキュラーキー行きと書いているの確認して船に乗る。16時30分出港。
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↑間違った船に乗る
 後方のデッキに立っていると、オペラハウスがどんどん遠ざかっていく。どうやら逆方向に進んでいるらしかった。そういえば、この船はさっきの緑クリームの公営フェリーではなく、キャプテンクック・クルーズの船だ。焦りはするが時間は十分ある。いやかえって時間つぶしにはちょうどよかったかもしれない。
 船はワトソンズベイ、マンリーを経由して結局タロンガに戻ってきた。船内に時刻表があるが、到着時刻は10分ほど遅れている。その後サーキュラーキーの外国船ターミナル寄りの船着き場に着いた。日は暮れてハーバーブリッジはライトアップをはじめている。その写真を見ると船の揺れでほとんどぶれていた。
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↑黄昏の揺れる船上からの撮影ではブレるのは仕方がない
 オペラの開演までまだ時間があるので、お土産を買うことにした。グーグルでおみやげと入力すると、いくつか店が出てきた。高架駅の向こうの道路を渡ったところにあるオーストラリア・ギフトという店に行った。ここでTシャツやらぬいぐるみやらカンガルーの革製のポーチなどを買った。
 雨が軽く落ちてきた。傘がいるほどでもないが折りたたみ傘を買った。女性向きの派手なやつにした。
 雨宿りしながらオペラハウスに向かった。沿道のテラスには雨も気にすることなく大勢の人が食事を楽しんでいる。
 18時30分、オペラハウスは神々しいまでにライトアップされていた。正面の大階段を上がり、オフィスボックスに予約しているヴァウチャーを見せる。すると女性はエスカレータで下に降りてくれという。オフィスボックスはふたつあるらしい。
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↑幻想的な夜のオペラハウス
 しかしこれがなかなか見つからず、OFFICE BOXの表示にしたがって歩くと元に戻ってしまった。右往左往しているうちにようやく、別のオフィスボックスが見つかった。あとで考えるのこのオペラハウスは複数のホールがあり、最初に行ったのは大ホールだったようだ。
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↑チケットハウス
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↑チケット
 ヴァウチャーを示すとチケットと引き替えてくれた。DOOR1からは入りQ2席に座れと書いてある。時間があるのでオフィス前のベンチに座って待つ。ここでも人々は酒など飲んで開演を待っている。筆者は水と昼食のポテトの残りを食べる。買ったMOUNT FRANKINというミネラルウォーターは4.5ドルもした。炭酸水だった。
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↑劇場内
 19時20分、会場に入る。もぎりの女性はチケットのQRコードをチェックする。Q2席は端っこであった。ホールは想像していたよりもずっと狭く、地元の映画館と同じくらいに思える。実はこの公演は大ホールであるオペラシアターではないく、プレイハウスという小ホールを使用しているらしい。前に座っている男の頭が邪魔でステージが見にくい。
 演目は「Two Weddings,One Bride」。古典的なオペラではなく、新作のオペレッタである。どうせなら誰でも知っているのにしたかったが、この日はこれしかないから仕方がない。料金は8459円だった。
 19時30分開演。自分の英語力ではある程度のストリーが頭に入っていても理解できないも同然だった。観客が笑ってもなぜ笑うのかわからない。歌舞伎のように外国語のイヤホン解説があればありがたいがそんなものはない。英語は理解できて当たり前でしょ。そんな感じなのだ。まあいい。こっちが勉強すればすむことだ。もっと英語を頑張ろう。
 ただ言葉はわからなくても、演技はわかる。時間と空間を共有する演劇の素晴らしさを堪能できた。役者は8人程度で音楽はピアノのバイオリンのみ。最後にかかっていた曲は「天国と地獄」だった。
 1時間半ほどでオペラは終了。まずまず楽しかったが、言葉がわからないという苦痛も同時に味わった。
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↑ライトアップされたオペラハウス
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↑実際はもっときれいな夜のハーバーブリッジ
 夕食はフェリー乗り場近くのCity Extraに入った。赤く照明された店内。ヴィクトリアグリルを食べた。ワインを2杯飲んでしたたかに酔いしれた。シドニーでの最後の本格的な夕食であった。
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↑本日の夕食
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↑白ワイン
 地下鉄を乗り継いでホテルに戻ったのは23時15分だった。

■■■7.オーストラリアをドライブ■■■

2017年5月7日 晴
 目が覚めたのは8時33分だった。レンタカーは8時に営業所に行くといってあったから寝坊である。レンタカー会社に遅れる旨連絡しようとしたら、用件承りセンターみたいな音声案内が流れ超面倒くさいので途中で切った。慌てて朝食をとり、9時前にチェックアウトした。
 幸いAVISレンタカーの営業所は歩いて5分くらいのところにある。日本で予約したヴァウチャーを提出し、パスポートと運転免許証と国際免許証とクレジットカードを見せる。
 太った女性が下の階にある車庫に案内してくれて、借りたクルマと対面した。オーストラリアのホールデン・CALAISという白いクルマだ。最後の海外旅行のつもりだったので大型車をしたのだ。排気量は3000ccだ。
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↑営業所の車庫に待機するCALAIS
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↑センターコンソール
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↑メーター回り
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↑運転席
 装備も立派でシートは電動で、近接センサもある。最初電動シートの位置合わせがわからず、もう一度女性を呼んだ。エンジンはブレーキを踏んでボタンを押すだけメーターの照明はドアを開けることで消える。サイドブレーキも電動で、小さなスイッチを引き上げるだけだ。何だかどうでもいい機能だけが充実している。
 ナビの設定やカメラの取り付けなどで出発したのは10時だった。インターフォンを押して車庫のシャッターを開けてもらう。
 ナビはクルマのと自分のスマホのグーグルマップを併用した。
 左に曲がるべきところを右に曲がってしまい行き止まりでUターン。しかも曲がるところを間違えて、しばらく走ってUターンした。とにかくナビの指示通りに走る。
 まずはAirportを目指す。道路が滑走路の下を走っている。タイミングよくJETSTARの飛行機がタキシングしていた。
 片側3車線の道路を走る。人口400万人のシドニーなのでクルマはそれなりに多い。快走というわけには行かない。10時45分頃には渋滞に捕まった。沿道はそれなりに店はあるが簡単に休憩に入れるような店はない。
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↑シドニー郊外は混んでいる
 しばらくすると自動車専用道路に入った。オーストラリアの自動車専用道の特徴は路側帯を自転車が走行できることだ。走っているのは見かけなかった。しかし幅は十分なので横に100キロで走っていても恐怖感はないだろうと思う。
 11時40分、沿道にロードサイド店が現れた。小便をしたくなったので、THE GOOD GIVEという店の駐車場に停めた。店に入ってみると、厨房用品だらけで今の自分には必要ないものばかりだった。トイレが見つからないので、隣のガソリンスタンドのトイレを借りた。併設のコンビニで水とSHAPESというクラッカーを買った。店員は親切にもポリ袋に入れてくれた。帰国後そのクラッカーを食べたがBBQの辛みが効いてなかなか旨かった。
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↑沿道の店に停める
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↑買ったクラッカー
 クルマはキアーマというところを目指していた。途中のウーロンゴンまでは一昨日にスカイダイビングをしたときに来たので、沿道の風景を覚えている。ウーロンゴンの直前で4キロほどの連続の下り勾配があり、トラックとバスは左車線でセカンドギアで走ることが義務づけられている。
 ウーロンゴンを過ぎるとクルマは少なくなった。ようやくオーストラリアにやってきたのだという実感が湧いてきた。
 12時38分、キアーマに着いた。ここまで126km走った。クルマを停めるところに見つけるのに町を一周した。
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↑キアーマにやってきた
 リゾート地のような街を散策する。まずは腹ごしらえ。適当に入った「short black coffee」レストランでチキンサンドとサンライズジュース。ウエイトレスが3人いる。店主の男は老人で痛そうに腰を曲げながら料理を作っている。あまりおいしくはなかった。あとで調べてみるとグーグルでのこの店の口コミは最悪だった。
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↑チキンサンドを食べる
 このキアーマの代表的な観光スポットはブローホールBlowholeという海辺の洞窟に波がぶち当たり、飛沫が舞い上がるところである。周期性があるようだが、私がカメラを向けたときに限って飛沫が小さかった。灯台をバックにセルフタイマーで記念撮影。しかしこの写真ではオーストラリアに行ったというのがわからないだろう。
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↑灯台を目指して歩く
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↑波打ち際
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↑ブローホールBlowhole
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↑芝生と南太平洋
 こぎれいな観光案内所に入り、立派なパンフレットをもらった。
 14時20分キアーマをあとにする。
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 次に目指すのはカンガルーバレー。ここには歴史ある橋があるらしい。
↑この日のドライブコース(GoogleMapで設定)
 クルマは脇道にそれ、対向も難儀な道に入った。制限速度は80キロだがとてもそんなスピードは出せない。前年に行ったニュージーランドでもこんな狭い道はなかった。
 ニュージーランドの沿道は本当にのどかで美しかった。今回の旅行もそれを期待して、全行程で動画撮影するために、アクションカムとダッシュボードに取り付けるための吸盤付き固定台まで持ってきてた。しかしこの風景は期待以下だった。「ここは日本だ」といってもそれで通用しそうな動画であった。
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↑これで動画撮影
 15時20分、カンガルーバレーにあるハンプデン橋HAMPDEN BRIDGEに着いた。この橋は1898年5月19日に完成した古い橋で道幅は狭く交互通行になっている。しかし信号などはなく、運転手の判断で交互通行している。
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↑ハンプデン橋HAMPDEN BRIDGE
 沢に降りてみる。橋が逆光に輝いている。水辺の風景は年初に京都の高尾に行ったときのことを思い出した。
 観光案内所も機能しておらず、土産物店などはない。私の他にも3台ほどクルマが停まっていて周辺を散策していたがまもなくクルマに乗ってどこかに行ってしまった。
 さて筆者もシドニーに帰ることにする。明日の朝は4時30分起きなので早く寝たいのだ。
 予約しているホテルをナビに入力する。ナビにしたがって走った。中にはかなり狭い道があって大丈夫かと思ったが、まもなく高架のハイウエイに乗った。
 17時14分、セブンイレブンとガソリンスタンドが見えた。ここで休憩する。トイレは仮設で日本と比べものにならない貧弱さ。ちなみにガソリンはスタンダードで129.9ドルとある。ハイオクで131.9、軽油で127.9、ガスで67.9である。ガス以外はどれも差がない。
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↑セブンイレブンとガススタ
 シドニーに近づくにつれて道が混み出した。ハザードを出さないといけないくらいの渋滞になった。
 18時を過ぎるとさらにひどい渋滞となった。といっても日本の宝塚IC付近のようなひどさでない。オーストラリアは都市部では有料道路となっている。日本と違って料金所はなく、ETCのような機械で通信し登録されたクレジットカードから引き落とされる。通信できなかったクルマはナンバーを撮影され、運転していた人は48時間以内に電話かインターネットでクレジットカードを登録して支払う。もし支払わないない場合はクルマの所有者に請求がいき、段階的に加増金を徴収され、最終的には2万円程度の罰金を支払わないといけない。
 これのレンタカーの場合はそのETAGを取り付けているので、クルマを借りたときに使ったクレジットカードから引き落とされるという。のちに来た請求書には673円とあった。
 やがてランプを降りて一般道に出てきた。ホテルに入る前に給油した。もう空港は近いし、明日の朝は忙しいのでガソリンスタンドを探している余裕はないと思われたからだ。
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↑返却前の給油
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↑併設のコンビニで支払う
 オーストラリアの給油は自分でガソリンを入れてから、店に入り、ポンプの番号を告げて支払いとなる。35.03リットル入った。支払いは2964円であった。
 18時50分、予約していたIbisホテルにやってきた。キアーマから192km走ってきた。フロントではヴァウチャーを見せず、眼鏡のかけた若い男が筆者の名前を確認した。部屋は2階。しかしエレベータはない。
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↑味気ないホテルの入口
 ホテルは朝食のみで夕食は提供していない。ホテルはマクドナルドとケンタッキーに挟まれている。しかしまわりにはレストランがない。夕食はこのどちらかになるのだが、ケンタッキーに決めた。外国ではこうしたファーストフードの店は風紀が悪いので注意が必要だ。この日も不良グループのような奴や貧困層と思われる婦人が客としてやってきていた。
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↑ホテルはKFCとマクドナルドの間にある
 持ち帰ってホテルの部屋で食べることにする。
 部屋は狭い。トイレの横にシャワーがあるが、カーテンも段差もないので、シャワーを使うとトイレの床は水浸しになる。洗面台はベッドの横にある。石けんはあるがシャンプーはない。ヘアドライヤーもない。電話がないのでフロントにモーニングコールを頼めない。その代わりのつもりか目覚まし時計がある。しかし試してみると、アラーム音ではなくラジオが鳴るようだ。
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↑機能に徹しすぎの室内
 設備的には大いに不満だ。中でもモーニングコールがないのは不安点だ。明日朝が早いだけに、そして今日実際に寝坊しただけに何らかの対策が必要だ。まず、今日なぜか鳴らなかった携帯電話のアラームを動作チェックした。腕時計のアラームもセットした。スマホのアラームは電源を入れないと動作しないので、充電しようと思ったら、AC変換プラグがない。どうやら昨日まで宿泊していたホリデーインに置き忘れたようだ。ホリデーインまではここからクルマで15分ほどで行ける。酒も飲んでいないし、時間もまだ21時だ。しかし明日は早いしガソリンもそれなりに消費してしまう。リスクは避けるべきだと考えてあきらめることにした。
 スマホにはとりあえず乾電池で充電した。ガラケー、スマホ、腕時計。3つの目覚ましがあれば大丈夫だろう。
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↑KFCの夕食
 ケンタッキーを食べる。偶然にもこのOriginal Tenders Boxは昨年ニュージーランドで食べたのと同じであった。A$10.95 4029KJとある。
 明日の身支度をして22時に寝る。

■■■8.さらばシドニー■■■

2017年5月8日 晴
 1時頃携帯電話の着信音が鳴って目が覚めた。ローミングで接続したというメッセージであった。携帯の電源を切り忘れた。安眠妨害は痛い。
 ところでオーストラリアに入ってから気になるのは、ソフトバンク携帯のローミング先が一日に何度も替わることだ。5日間の滞在で40回だ。Telstra、Vofafone Australiaを交互に繰り返す。Telstraに繋がって、しばらくしてまたTelstraにつながるというのもあった。いずれにせよ、この状態は電池が消耗するので歓迎できない。
 それよりもなかなか眠れない。エアコンは動作しているがLEDは消灯している。
 2時頃ようやく眠れた。
 4時30分アラームが一斉に鳴った。忘れ物のないように身支度する。
 フロントには誰もいない。カードキーは「EARLY CHECK OUT KEYS」と書かれた黒い箱に入れる。
 まだ真っ暗なので動画撮影しても仕方がないが、空港のレンタカー駐車場へ入るところに興味があったので、カメラを据え付けた。
 5時30分、シドニー国際空港に到着した。クルマはAVISと書かれた枠の中に停める。係員は誰もいない。いやさっきは誰かいたがすぐにどこかに行ってしまった。
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 どうやら到着ロビーにあるレンタカーのカウンターにキーを返すらしい。行ってみると「燃料は満タンにしましたか?」と聞かれ、キーを返却して終了。パスポートの確認も、クルマのキズ確認もしなかった。クレジットカードがあるので何かあればそこから請求するつもりなのだろう。
 5時45分、カウンターBにやってきた。キャセイパシフィック航空の香港行きCX110の搭乗手続き。すで20人くらい並んでいる。荷物はふたつ預ける。
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↑クルマは無事に返却
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↑キャセイ航空のカウンター
 姉に頼まれていたクリニークの化粧水を買った。現金とカードで払った。関空の免税品店価格より安く買えた。ただしこれを買うのに時間が掛かり、ラウンジを体験できなかった。
 今日はまだ何も食べていない。機内食を当てにしていたからだ。しかし腹が減ったので、自動販売機でキットカットを買って食べた。クレジットカードで支払った。日本で100円くらいのチョコレートだが、256円もする。オーストラリアは物価が高い。
 7時20分機内に乗り込む。このA330-300は2列4列2列の座席配列だが、筆者の列からは中3列となるので、脚を通路側に伸ばしやすくなっている。
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↑機内
 約20分後北に向かって離陸した。
 9時15分、Connemara上空でお待ちかねの機内食。パンとオムレツと果物。私は普段パンにマーガリンはつけないが、機内食でそれがバターであればつける。
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↑機内食(朝)
 機内はやがて消灯した。日よけは下ろされる。寝不足で寝ている人が多い。あとは機内の映画を観ている人もいる。日本の映画では本能寺ホテルがあった。私はもっぱら旅行記を書くつもりだったが、機内サービスのアンケートが回ってきたのでそれに回答した。英語なので超面倒だった。景品のTWO RETURN TICKETが当たればいいのだが(結果は駄目だった)。
 オーストラリア大陸を抜ける頃に機体は揺れはじめた。ベルト着用のサイン。
 10時20分、室内灯が点灯した。食後の眠りだったらしい。
 香港時間12時に2度目の機内食。ピーナッツとワインから始まって、魚がメイン料理。Carlsuergというブランドのビールも飲んだ。あとでMOVENPICKというアイスクリームも出た。 機内映画は観なかったのでもっぱら地図を表示させていた。広告に「FTLife富通保険」と
いうのが出てくる。
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↑機内食(昼)
 ずっと座っていると脚の血流が悪くなるので、両腕で肘掛けを押して、腰を浮かせたり、ふくらはぎを浮かせたり、いわゆる「エコノミー症候群防止体操」をした。
 13時に消灯した。航空機では食後は消灯するのがお約束らしい。
 14時37分、機内外が急に静かになった。まもなくすると着陸態勢に入ったとのアナウンス。もう香港は近い。
 15時13分に香港国際空港に着陸。
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↑香港に到着
 保安検査を突破するのに半時間を要した。この香港では1時間半しか乗り換え時間がない。棚の下の方に隠れるように置いてあったメルシーのチョコレートを買った。これは筆者の海外旅行土産の定番である。3つ買うと1つおまけで付いてくる。
 免税品店街に寄っていたのでもう関空行きの搭乗開始時刻が過ぎている。49番ゲートは果てしなく遠かった。動く歩道に乗っていた筆者に向こうから走ってきた地上係員の女性が「急げ!」と促され一緒に走った。ゲートには既に乗客が誰もおらず、這々の体で間に合った。
 機体はさっきと同じA330-300。16時48分に離陸した。
 昼間から酒をチャンポンしたせいで頭が痛い。旅行記を書くものの筆は遅い。
 隣の男は香港人の用だが、入国カードでホテルの名前はひらがなで書いている。観ているのも日本のバラエティ番組を中国語字幕で観ている。しかもスマホも日本のXPERIA。画面をきれいに拭いている。どうやら日本製品のファンらしい。
 機内食はカレーライス。それを食べたい気持ちだったのでいいタイミングだった。
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↑タイミングよくカレーライスの機内食
 大隅半島上空を過ぎて半時間ほど経つと、徐々に高度を下げはじめ着陸態勢。21時ちょうど搭乗機は関西空港に着陸した。

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↑オーストラリアで買ったぬいぐるみ
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↑画像データUSBメモリ(上=ブリッジクライム 下=スカイダイビング)
「無事に着いた」と家に電話し、荷物を受け取る。税関ではどちらに行かれましたと聞かれたので「シドニー」と答え「結構です」とのことだった。
 無事に着いたことで祝杯を挙げようと思ったが、開いている店はエアロプラザにあるものの、明日から仕事であることだし、ということであきらめることにした。
 家に着いたのは23時を回っていた。明日から仕事だと思うと気が滅入るが、仕事があるからこうして海外に遊びに行けるのである。

■■■9.オーストラリア旅行を終えて■■■
 今回の旅行で最も気になった点は旅行費用が32万円と通算30回を迎えた自分の海外旅行で2番目の高価格となった点である。これはシドニーのホテル代や物価が想像以上に高かったことと、スカイダイビングやブリッジクライムなど高価なオプショナルツアーに参加したこと、帰国便をシンガポール航空からキャセイ航空に変更したためにキャンセル料が発生したこと、レンタカーはあとから考えれば必要性の低い大型車を借りたことなどによる。すべては終わったから「よかった」と思うしかないが、やはり「ボーナス1回分か。思い出作りにしては高いな」と反省した。キャンセル料とレンタカーを小型車にすれば3万円ほど節約できたはずである。
 さて、この旅行ではスカイダイビングのことに触れなければならない。これは本当にやってよかったと思う。帰国後1ヶ月ほどは感動に打ちのめされたものだ。あのグーグルアースで見るような風景をもう一度見たいと思った。そして想像以上に恐怖心がなかったので、マカオタワーのバンジージャンプの挑戦したいという気持ちをなかなか抑えられなかった。
 ブリッジクライムに関しては、確かにオペラハウスがよく見えてよかったけど、価格の割には合わないと思う。3時間に渡る案内人の説明はすべて英語で、カメラは持ち込めないので、つまらないのだ。オペラハウスを上から見たければ、ハーバーブリッジの塔から見たらいいのではないか。
 シドニータワーは肝心要のハーバーブリッジとオペラハウスが見えないのでがっかり度最大だった。その他はよかっただけにこれを承知の上で行くべきだっただろう。
 タロンガ動物園は正直日本の多摩動物園や旭山動物園の方が面白いと思う。4600円という高い入場料に見合っていない。ここに行くのなら他の観光地に行くべきだ。
 シドニーの飲食事情だが、ホテルのレストランは高いのは当然として、利便性の高いところにあるレストランは高い印象だ。Hotelいう名のバーは喧噪ではあるものの食事は安い傾向にあるので、もし次に行く機会があったら、そちらを利用するだろう。
 オーストラリアの道路事情は、少なくともシドニー近郊を走った限りは、まるで日本を走っているような感じだ。ニュージーランドやアメリカを走ったようないかにも外国を走っていますという感じはなかった。せっかくビデオカメラまで用意したのにこれは空振りだった。大陸だから地平線を目指しアクセル全開みたいな世界を想像して大型車をレンタルしたのに、意外と山がちでちょっと損した気分になった。
 オペラに関しては自分の英語力のなさを嘆くしかない。今後一生懸命精進して英語を学ぼうと思う。
 インターネットとスマートフォンはもはや旅の必需品である。今回の旅行では必要と鳴りそうな地図をプリントアウトして持参していったが全く必要なかった。グーグルマップを使えばことたるからだ。海外旅行の長年の友として「地球の歩き方」というガイドブックを持って行ったが、これもほとんど開かなかった。すべてインターネットでつなげば得られる情報だからだ。どうしても紙でないといけない情報を除けば、スマホに画像保存すればことたる。反面必要になるのが、ネット接続環境と電池だ。電気がなくなれば、一瞬にしてただの重い荷物となるスマホだけに、予備の電源の確保は重要で、それは意外に重かったりする。
 反省点は多々あったが、やっぱり海外旅行は面白いというありがちな結論になったようだ。
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私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~冬の寒さに勝つ~ [バイク]

 いうまでもなく冬のバイク乗りは寒さとの戦いとなる。長年自転車通勤していた筆者は、その寒さで手が凍え、手が荒れ、しょっちゅう指先はひび割れを起こしていた。バイクは自転車と比べはるかに高速で、指先に襲いかかる走行風で凍傷になることもあり得た。また自転車と違って身体を動かさないので、身体の防寒も考えないといけない。
 まずは防寒に関してはウィンドシールド、すなわち風防を取り付けることにした。筆者が選んだのは、スズキの純正でもなく、比較的選ばれているパーツ屋さんのでもなく、台湾製のこれである。このスズキアドレスは台湾製なので、こういうパーツ屋が存在するのである。
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 身体に当たる風を減らせば、体感温度が下がるのは自明の理である。見栄えよりも実用性を重視し、かなり大きな風防を取り付けた。意外だったのは、空気抵抗を減らす効果があること。夏場は暑いだろうと思って、風防を取り外してみたら、風を身体にまともに受けて疲れることがわかった。風防は空気の流れをよくする一種のエアロパーツ的な効果もあるのだろう。また虫除けにもなるので、風防は年中つけたままにすることにした。こうなれば冬における風防の効果は書くまでもないだろう。欠点があるとすれば、左横から風を受けると、風防がヨットの帆のような効果が生じ、反対車線に飛び出しそうになることと、やはり格好がよくないことだろう。
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 さて本題の手が凍えないようにしなければいけない。ハンドルカバーはオジン臭いとまずは却下。風よけのナックルバイザーの取り付けを考えた。しかしこれはすぐに駄目だとわかった。つまり家の駐輪スペースが狭いので、バイザーを付けると壁に当たってしまうのだった。そこで初っ端から否定したハンドルカバー購入に傾いた。オジン臭いと欠点は筆者自身がオジンであるから問題ないということで解決した。
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 ハンドルカバーはブランドやデザイン、防水性により価格に幅がある。筆者が買ったのは以下の製品である。スーパーカブに取り付ければマッチしそうな、見るからにオジンなデザインだが、実用性を重視した。注意書きには「防水性はない」とのことだが、少しぐらいの雨なら問題はない。
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 実際に使ってみると、効果抜群だった。転倒時の安全を考慮すると、バイクに素手で乗るのは推奨されないが、素手でも十分暖かい。素手の方がスマートフォンを使いやすいということもある。ハンドルカバーの威力に感服した筆者であった。
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 ところが1月のえべっさんが過ぎて寒さに佳境に入るとハンドルカバーだけでは手がかじかんできた。防寒手袋をはめても改善されなかった。次の一手が必要になったのだ。
 まずはグリップヒーターだ。グリップにヒーターを仕込んだ代物でバイクによってはメーカー純正品が存在する。このアドレスにも上級車にその設定がある。筆者はグリップヒータ付きのPCXに試乗したことがあり、効果は確認済みだ。
 しかしこのグリップヒーターは取り付けが面倒なのだ。特にグリップが回転するアクセル側は特にそうだ。自分ならできないことはないが、もたもたしているうちに冬が終わってしまう可能性があった。
 グリップの回りに巻くヒーターもあるようだが、通販の口コミを見ると「おもちゃみたいなものだ」などと辛辣なことが書かれていた。
 そこでヒーター付きのハンドルカバーを購入することにした。手を温めるにはグリップヒーターよりも理想的だ。つまりグリップヒータは分厚い掌しか暖められないのに対して、ヒータ付きハンドルカバーならば、直接触れるのは皮が薄い手の甲だし、下のヒーターによってカバー内全体が暖められるからだ。
 そうと決めたからには通販サイトで購入した。9980円だった。
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↑購入サイト
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↑梱包箱("Ride till die"="死ぬまで乗れ"って・・・)
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↑商品の中身

 このハンドルカバーを利用するには、ヒーターへ電源を供給しなければならない。大電流を要するヒーターはバッテリーから直結し、イグニッションキーをオフにしたら電源が切れるようにしなければならない。そのためリレーも購入した。
 早速取り付けてみよう。筆者はUSBコネクタを付けたことがあるので、その技術を応用した。そのUSBコネクタはイグニッションと連動させているので、これをリレーのスイッチし、電源はバッテリーから直接取り入れた。バッテリーターミナルは狭くケーブルでパンパンになったが何とか収まった。
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↑まずは前のパネルを外す
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↑呼び線(銅線)でバッテリーにヒーターの電源を引き込む
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↑狭いが何とか収まった
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↑購入したリレー
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↑リレーの説明書にしたがって配線する
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↑リレーはここに固定
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↑作動実験(赤LEDが点灯)
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↑ハンドルカバーに接続するコネクタ
 ヒーターの電源と強弱コントローラはメーターの前のマウントバーに取り付けた。
 ハンドルカバーは大きく見栄えも悪い。確実に取り付けるにはハンドルのエンド部とネジ止めするのだが、このアドレスにはそのネジがないため、単に紐で取り付けられるだけだ。このあたりは将来改良を要するだろう。
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↑取り付け後
 使用してみると、ヒーターの威力を見せつけられた。まるでコタツに入っているような感じで、手袋をするよりも、素手の方がよく暖めるようだ。ただヒーターの強弱は5段階で変えられるのだが、どうやらどこの位置でも最強らしかった。つまり温度調節ができないのだ。あえて調節するには自分で適当にオンオフするしかない。このあたりは中国製だと感じてしまう。もしかすると現在同製品を販売していないのはその欠陥が指摘されたのかもしれない。
 ところで、先に買ったヒーターのないハンドルカバーはどうしたかというとまだ使っているのである。ヒーター付きは威力は十分だが、図体も大きく、風雨にさらされることで寿命が低下する。だからヒーター付きは厳冬期に限定し、それ以外はノーマルハンドルカバーを取り付けることにしたのだ。
 装着カレンダーは以下のような感じだ。
 1月中旬(ヒーター付き)3月中旬(ヒーターなし)5月上旬(ハンドルカバーなし)9月中旬(ヒーターなし)

 何はともあれウィンドシールドとヒーター付きハンドルカバーで冬の寒さを乗り切った。格好さえいとわなければ、これが最強の「冬の寒さに勝つ」方法だと思う。


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私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~アクションカム~ [バイク]

 前作、「私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~カーナビ&動画撮影~」で、スマホがバイクツーリングの動画撮影には不適当だとわかった。そこでアクションカムを購入することにした。
 こういったアクション用のカメラはスノボとかスケートボードをする人が身体に取り付けて、そこからの動きを撮影するために設計されている。具体的にはカメラ本体が動いても、レンズとセンサーを一体として光学ユニットを空間に浮かせる「空間光学手ブレ補正」が搭載されている。アメリカのGoProとソニーのアクションカムがその手の二大メーカーとして君臨している。筆者は日本のソニーに頑張っていただきたいので、ソニーを選んだ。
 画質のいい4Kで撮れるアクションカムもあるが、そこまでの解像度は必要ない。選んだのはこのHDR-AS300であった。
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 いつも感心するのだが、ソニーの製品はどれもデザインが優れていて購買意欲をそそる。単にいいデザイナーを雇っているだけでなく、審美眼を備えた経営トップがいるのだろう。
 このカメラはどのように映っているのか確認するための液晶モニターはない。ではどうやって見るのかというと、別売りのコントローラで見るか、スマホにアプリをインストールして確認するのである。これらはアクションカムから発するWifi電波を介して画像を見ることになる。筆者はバイクに取り付けるという関係上、一度位置を決めれば画像を確認する必要性は低いので、コントローラは購入せずスマホアプリをインストールした。アプリは無料である。
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 バイクへの取り付け位置だが、もともとナビ用スマホを取り付けていた、メーターの前のバーに取り付けることにした。
 カメラを固定する台としてミノウラのカメラマウントVC100-Sを購入した。これだけでは位置が低くメータが映り込んでしまうので、Velbenの自由雲台をカメラマウントの上に取り付けて高さを稼いだ。自由雲台というだけあって、上下左右にカメラを動かすことができる。安物の海外製は衝撃で簡単に首が振れてしまい、いらぬところが映ってしまい怒りを覚えることがある。しかしこのマウントと自由雲台は日本製。この組み合わせで首が振るようなら、動画撮影はあきらめよう。
ミノウラ.png
雲台.png
↑購入サイト
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↑商品入荷
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↑アクションカムと繋ぐ
 さてこのアクションカムの実力を確認しよう。
 アクションカムとスマホは写真のような位置に取り付ける。写真では見えにくいがそれぞれのカメラはストラップを介してステンレスワイヤーでマウントバーに連結している。これは「私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~カーナビ&動画撮影~」で指摘したように、カメラの万一の落下に備えてのものだ。
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 今回は比較のためにスマホのドライブレコーダーを起動させた。アクションカムはこの位置だと、風防のステーが映ってしまうので、画面の倍率を上げて、そこが映らないようにした。その結果は以下の動画のようになった。

 画面が揺れまくり、酔ってしまいそうなスマホに対して、アクションカムは揺れもないのがわかるだろう。これがアクションカムの実力かと舌を巻いた。問題があるとすれば、128MBのメモリーカードを入れれば8時間の動画撮影が記録可能だが、実際に撮影していると2時間ほどで電池が切れてしまう。使用時はUSBコネクタから常に電源を供給しておく必要がある。
 このアクションカムにはGPSが内蔵しており、付属ソフトを利用することで走行位置や速度を合成した凝った画面を作ることができる。
 アクションカムに問題があるとすれば、3万5千円と高価な割に利用率が低いと見込まれることだろう。クルマにはドライブレコーダーが付いているし、デジカメの代わりは務まらないからだ。帽子の庇に取り付けて、ジョギングの風景でも撮影しようか。

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私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~カーナビ&動画撮影~ [バイク]

 バイクに乗っていても、通勤では全く必要のないナビゲーションシステムだが、見知らぬ土地を走るツーリングでは必需品となる。クルマの場合ナビゲーションシステム(以下カーナビ)がなくても、助手がナビをしてくれる場合もあるし、地図を助手席に放り出して、必要な時に見るという芸当が可能だ。しかしバイクの場合、基本的に一人で乗ることになるし、後ろに乗っている人がいたとしても、地図を見ながら道案内は無理だ。普通のオートバイの場合地図はタンクバックに入れることが可能だが、スクーターでは無理だし、グローブをした手で地図を捲るのは鬱陶しい。だいたい路面状況を観察しなければ、横転の危険のあるバイクでよそ見運転は厳禁である。ことツーリングに関する場合、バイクこそカーナビの必要性が高いといえる。
 バイク用のポータブルナビはいくつか発売されているが、わざわざ買わなくてもスマートフォンのナビアプリで十分だ。筆者が愛用しているのはヤフーが提供している「Yahooナビ」。はっきりいって自分のクルマについている10数年前のカーナビより性能がいい。経由地も対応しているし、何よりもオンラインで地図が提供しているので、常に最新だということだ。問題があるとすれば常に通信しているので、パケット通信費がかさむのと、スマホの電池の消耗が激しいことだ。
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 パケット通信費に関していえば、筆者は格安SIMのIIJと契約していて、4G回線を1ヶ月3Gバイト使用可能で、使わなかった分は翌月に繰り越しできる。今までの経験から丸一日ナビを使ったとしても500KBもあれば十分で、ツーリングもせいぜい3日。だからパケ死することはないが、仮になったとしても、速度を200KBに落とせば制限なしに使える。しかも200KBに落としても、ナビの使用に問題がない。だからはじめから200KBにセットしてもいいくらいだ。
 むしろ電池の消耗の方が深刻だ。ナビを使いながらスマホを使うと電池の容量にもよるが2時間から3時間しか持たない。けれども筆者のバイクはUSBコネクタの設置で電源の心配はなくなったので問題はない。
 バイクはヘルメットをかぶっていて視界が狭い上に、転倒を避けるために近くの路面と同時に高速で移動するために遠くも見ておかなければならない。したがって、横方向の視野が狭くなり、クルマのようにカーステの操作や、ナビの操作をしている余裕がない。
 だいたいバイクの場合、グローブをしているのでカーナビにしているスマホの操作は難しいし、画面を見続けることはクルマ以上に危険だ。
 したがって必要になるのは音声案内だ。スマホの音量を最大にすれば、走行中でも何とか聞こえるが、周囲に音が漏れるのはあまり格好がよくない。
 そこで便利なのは、Bluetoothレシーバーだ。Bluetoothとは電子機器をごく近距離でのデータ転送に用いる無線規格のことである。このレシーバーとヘッドフォンをヘルメットに仕込み、スマホとペアリングすれば、ナビの音声案内を聞きながら運転できる。またスマホの音楽再生アプリやラジオも聞けるし、ナビの音声案内が入るときは音量が小さくなるので便利だ。
 購入したBluetoothレシーバーとヘッドフォンは以下のものだ。レシーバーはそのまま使うがヘッドフォンは改造が必要だ。
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↑Bluetoothレシーバー
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↑ヘッドフォン
 まずヘッドフォンの耳掛け部を外す。次にスピーカーの反対側にマジックテープを貼り付ける。改造といってもこれだけである。次にヘルメット内部の耳の当たるところに、マジックテープを貼り付ける。そして右左を間違えないようにスピーカーを貼り付ける。配線は束ねてヘルメットの内張に隠す。
 Bluetoothレシーバーはスマホの電話の着信にも使えるので、ヘルメットのあご紐の下の方に取り付けるのがよい。ヘッドフォンのジャックを差し込み、レシーバーとスマホをペアリングする。Bluetoothのペアリングはやや面倒ではあるが、2回目以降はレシーバーの電源を入れれば自動的に認識してくれる。s-IMG_2143.jpg
↑マジックテープを切り取ってs-IMG_2145.jpg
↑耳掛け部を取ったヘッドフォンに貼るs-IMG_2140.jpg
↑取り付けるヘルメット(安物のシステム)
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↑ヘルメット内部にヘッドフォンを仕込む
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↑Bluetoothレシーバーをあごひもに取り付ける
 これでナビの準備は整った。
 次に考えたのは動画撮影だ。自分のクルマにはドライブレコーダーを装着している。これを取り付けている主目的は、不幸にも事故に遭ったときにこちらに過失がないことを証明するためのものだが、遠出したときの記録にも使える。バイク用のドライブレコーダーも販売されているが、筆者はとりあえずツーリングでの記録を主たる目的としたのでこれは購入しないことにした。
 バイクの場合カメラの取り付け位置によって、動画の雰囲気が全く異なることだ。ヘルメットに取り付けると、目線に近い画像となるが、安全確認で首を振るたびに画面が揺れて落ち着きがない。タイヤのハブに近いところに取り付けると、クルマでは難しい迫力のある画像となる。しかし画面の端にタイヤが常に映ることになるし、確実な取り付けをしないと事故につながる可能性がある。
 思案した結果、バイクのスマホを取り付けるバーを利用することにした。バイクのメータの前にマルチマウントバーを後付したので、これにカメラを固定するマウンターを取り付ける。s-IMG_20161105_095940.jpg
↑マルチマウントバーを利用する
 ところで撮影用のカメラをどうするかだが、わざわざ買うのはもったいないので、型が古くなって余っているスマホを利用することにした。単にカメラとして使うなら通信機能は必要ないからだ。動画撮影アプリとしてはアウトガードやDailyRoadsなどがある。
 しかし問題が生じた。スマホのカメラは背面に付いているので、カメラをバイクの進行方向に向けると、画面が路面に対して垂直方向になるため、スマホの画面が見にくくなることだ。バイクの場合、前述のように画面を見れる時間はクルマに比べて短いので、画面が見にくいことは致命的だ。
 そこでスマホを垂直に取り付けられるように工夫することにした。マルチマウントバーは金具を介してミラーの取り付けネジととも締めしている。その金具には約6mm幅の長穴が開いている。ここに長さ150mmのアルミ丸棒を立てることにする。その図面を以下に示す。
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↑丸棒の図面
 丸棒の底にはM6のタップを切る。その反対側には直径方向にバカ穴を開ける。これは丸棒の固定にはステンレス六角ボルトを用いるが、スペースが狭くて、スパナが回らないので、スパナは固定して、丸棒のバカ穴に六角レンチなどを突っ込んで回すためである。
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↑完成したアルミ丸棒
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↑丸棒を取り付ける
 こうして取り付けたアルミ丸棒にはカメラマウントを取り付ける。買ったカメラマウントは以下のものである。s-IMG_20161210_093132.jpg
↑カメラマウント
 これによりスマホによる動画撮影が可能になった。動画撮影、ナビ、音楽は同時にできるがバッテリーの消耗が激しいことが予想されたので、ここに置くスマホは動画撮影専用にして、ナビと音楽用は日頃持ち歩いているスマホを、以前から使っているArkonのスマホマウンターで固定することにした。そのArkonの詳細は以下のものである。
 ところで装着を予定していた二台のスマホはいずれも防水ではなかった。バイクで使用する場合はそれは致命的だろうということで、動画撮影用には堅牢なGSHOCKスマホを中古で購入した。ナビ用は普段使っているHauweiGR5をそのままで使い、雨が降ってきたら、カバーすることにし、そのための防水ケースを購入した。
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↑GSHOCKスマホを中古で入手
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↑防水ケース
 問題はまだある。これらのスマホはラチェットで固定されているだけなので、穴ぼこにタイヤがハマったときなどに、衝撃で落としてしまう可能性がある。バイクの場合落下は事故を誘発するし、落としたスマホはクルマに踏まれて使用不能になる可能性大だ。そこでダイソーでワイヤーとカルビナを買ってきて、ワイヤーをマルチマウントバーに通し、スマホのストラップにワイヤーを通すことで、落下しても致命傷とならないようにした。後日実際に、ツーリングの度に最低一度はスマホが外れ、このワイヤーのおかげで助かった。バイクをスマホを取り付ける場合、この「アンビリカルケーブル」は絶対に必要だ。
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↑丸棒にスマホを取り付け
 またバイクの場合、クルマと違って、車内という概念がないので、ツーリング中に休憩でコンビニなどに入った場合、これらのスマホを放置するのは盗難の可能性があるということだ。その対策としては休憩する度に外すしかないだろう。そのためスマホは簡単に取り外しできるようにしなければならないし、落下防止もしなければならないというわけだ。簡単に取り外すために、やはりダイソーで買ったカルビナを利用することにした。
 そういうわけで初ツーリングに出掛けた。目的地は徳島ほぼ一周。その内容は割愛するとして、この「スマホシステム」についての使い勝手を評価する。s-IMG_5306.jpg
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↑愛車にナビ用スマホと動画撮影用スマホを取り付ける
 その結果として次のような問題点があった。
1.ナビ用スマホの位置が悪い
2.スマホで動画撮影すると振動でまともな動画にならない。
3.電池の消耗が激しい

1.ナビ用スマホの位置が悪い
 このナビ用スマホはメーターの手前にある。この位置だとフルフェイスのヘルメットをかぶった場合、チンガードが邪魔になって、目線を落とさないと、読み取ることができない。目線を落とすとそれだけ前方視認がおろそかになり、事故の危険性が高まる。
 そこで、動画撮影用スマホの位置にナビ用スマホを持ってきた。実際にやってみると、実に見やすくなった。スマホ画面と前方が同時に見えるので、クルマのナビより視認性が高い。これにより問題が解消した。

2.スマホで動画撮影すると振動でまともな動画にならない。
 期待したスマホによる動画撮影は芳しい結果は得られなかった。バイクはクルマよりも振動の影響が大きいが、それをまともに拾ってしまう。画質は申し分ないものの、画面が揺れて、じっと見ていると乗り物酔いをしそうである。アプリに内蔵されている振動軽減をオンにしても結果はほとんど変わらない。ムービーメーカーで画面の揺れを修正するとどうにか見れる状態になるが、それでも揺れているのがわかるし、不自然さは否めない。
 ここは身体を動かしながら撮影するのに使用する、GoProやアクションカムを使うのが正解だとわかった。

3.電池の消耗が激しい
 ナビ用スマホはナビ、通信待ち受け、音楽プレイヤーを3役をこなすため、電池はたちまち消耗してしまう。USBコンセントから充電しながらでも、消費が激しすぎて、消費した分を補うのが精一杯だ。
 動画撮影用スマホにしても、1800mAという低容量のため、電池の消耗が激しい。動画撮影アプリによる撮影は画面が消えている状態でもなされるとはいえ、やはりカメラ素子、画像処理、メモリ書き込みはスマホにとって大きな負担になっているようだ。
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私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~アドレスにUSBコネクタ取り付け~ [バイク]

 アドレスV125Sの前機種にあたるアドレスV125Gにはシガーライタソケットが付いていた。しかし、アドレスV125Sにはない。これはメーカーのスズキが調査した結果、利用が少なかったことによる。中にはその存在さえ知らないユーザーもいたという。その理由としては、通勤快速のコピーで売り出し、実際通勤で使われることの多いアドレスは、30分程度の通勤時間では、メーカーが想定したような、スマホの充電などで使ってもらうことができなかったということによる。
参考URL↓
通勤スペシャルが新しくなった! スズキ「アドレスV125S」試乗レポート【後編】

 しかし筆者は充電するための電源の必要性を感じていた。何故なら筆者はアドレスを通勤だけでなくツーリングでも使うつもりだったからである。普段からケータイとスマホの2台持ちなので、移動中に充電できれば便利だと思っていた。
 目的はスマホなどの充電なのでUSBコネクタの方がいい。だいたいスズキがシガーライターにした理由がよくわからない。
 それは置いておいて、USBコンセントをアドレスに取り付けることにした。2台同時に充電できるように2口コンセントがあること、給電時にランプが点灯すること、雨の水滴を保護するゴムキャップがあることを条件に探した商品がこれだった。
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【注 意】 この作業は自己責任でお願いします。電気工作及び機械工作の未経験者はお勧めしません。

 取り付け位置はイグニッションキーの反対側に取り付けることにした。しかしそうすると買ったばかりのバイクに大きな穴を開けることになる。それに抵抗がなかったわけでないが、利便性が勝るので割り切った。
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 まずはフロントパネルを取り外す。前3本と後ろ2本のボルトをプラスドライバーで外し、下側にある2カ所の樹脂製クリップを取り外す。この作業には釘抜きに似たリムーバーを使うとやりやすいが、なければ六角レンチでもかまわない。いずれにせよテコの原理で外す。
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↑フロントパネルの前の3本のボルトを外す
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↑後ろの4本を外す
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↑下側にある2カ所の樹脂製クリップを取り外す
 右左の方向指示器のコネクタを外す。これでフロントパネルは自由になる。
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↑方向指示器のコネクタを外す
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↑外すとこうなります
 まずはコンセント用の穴を開ける。コンセントの形状を測定して穴を開ける場所をテンプレートでケガく。このコンセント場合キー溝があるのでその分もケガいておく。
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↑テンプレートで位置を決める
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↑鉛筆でケガく
 コンセントの穴はホールソーで開ける。まずは穴の中心にポンチを打つ。次にホールソーの先端がズレないように、2mm程度の穴を電動ドリルで開ける。次に28mmホールソーをドリルに取り付けて穴を開ける。樹脂なので簡単に穴が開く。キー溝部分はリューターで削り、ヤスリで形を整える。加工が終わったら、コンセントを差してみてハマり具合を確認する。
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↑中心を小さな穴を開けてからホールソーで開ける
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↑穴が開いた
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↑リューターでキー溝分を削る
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↑キー溝も切れた
 次にコンセントを固定する。このUSBコンセントは元々はバイクのハンドルに固定することを想定していて、そのためのバンド状の輪が用意されている。これをコンセントの固定に利用する。
 まずはバンドの部分をリューターで削る。次に写真右の雌ねじの部分を削る。この部分が先ほど開けた穴の裏側に当たって固定することになる。確実に止まる位置まで少しずつ削る。筆者の場合、3mmほど残すのがよかったようだ。
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↑元の取り付け部分
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↑バンド部分を削る
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↑削った直後
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↑加工最終形
 コンセントの裏側から加工したバンドを差し込んでみて、確実に固定できるのを確認する。これで外観の加工は終了である。
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↑裏から差し込んで固定する
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↑取り付けられたコネクタ
 次に電気配線を行う。スマホの充電は2Aもあれば十分なので、ホーンの電源から分岐させることにする。
 まずはコンセントの赤いケーブルの丸形端子は不要なので切断する。次にホーンの橙の線に分岐用の圧着端子をかまし、さっき切断した線ととも締めにする。できればこの時できればテスターで橙の線がプラス側であることを確認しておくのが望ましい。正常ならば、キースイッチを入れたときに、ボディーとこの線の間に13Vボルト程度の電圧があるはずだ。
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↑ホーンとボディアース間の電圧を確認
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↑コンセントの赤いケーブルをホーンの橙線の近くに持ってくる
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↑コンセントの丸形端子は切断する
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↑赤いケーブルと橙線を分岐コネクタでとも締めする
 マイナス側は当初、ボディーアースから取ってみたが、うまくいかなかったので、バッテリーから直結させることにした。アドレスのバッテリーはライダーの足下にあり、キャップボルト2本で外すことができる。バッテリーからフロント側に出ているケーブル穴は狭い。できれば下部のカウルと外した方がケーブルを這わせやすいが、筆者は銅線を呼び線にしてコンセント側のマイナス線を引き込んだ。
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↑呼び線でマイナス線を引き込む
 マイナス線は長さが足りなかったので別に用意した。新規のマイナス線のバッテリー側にY型端子を取り付け、コンセント側のケーブルの丸形端子を切断する。それぞれの線はギボシ端子を間にかまして接続する。次にバッテリ-のマイナスターミナルにY型端子を取り付ける。そしてギボシ端子を接続する前に、テスターでキースイッチを入れてホーンの端子と引き込んだマイナス線との通電を確認する。その後一旦キースイッチをオフにして、ギボシ端子を繋ぐ。
 いよいよ動作確認である。USBコネクタ側のマイナス線と引き込み線をギボシ端子で接続し、再度キースイッチを入れる。コネクタの回りに青いランプが点灯。成功である。キーをオフにして消灯を確認。あとはスマホなどUSB機器をつないで充電できるか確認する。
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↑ランプが点灯
 ケーブルの余分はインシュロックで束ねて、パネルを元に戻す。

 以上で作業は終了。実は作業の最後の方は暗くなってしかも雨が降ってきて写真どころではなかった。マイナス線をバッテリーに引き込むところなどは十分な写真がない。ご了承をいただきたい。
 何はともあれ、USBコンセントができた。


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「写ルンです」が静かなブーム [最近買ったもの]

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 携帯電話にカメラ機能が付くようになって、もはやその役割を終えたと思われた「写ルンです」が若い女性を中心に静かなブームだという。撮影結果がすぐに見れない、画質もよくない、そうした不便さが綺麗で便利に慣れた彼女らにとっては、それが新鮮に映るのだろう。何でもデジタルのような鋭さがなくボケた柔らかい感じがいいのだという。アナログレコードやカセットテープもまた静かなブームらしいが、それと同様の流れだろうか。
 かくいう筆者も「写ルンです」を愛用している。その理由は以下の通りである。

1.シャッターを押せばすぐに撮影できる
2.盗難にあってもダメージが少ない
3.普通のフィルムカメラと違って撮影済みのコマがパトローネに収まるので安全性が高い
4.空撮に適する
5.シャッターを頼みやすい
6.電池が不要


1.シャッターを押せばすぐに撮影できる
 スマホや携帯電話のカメラを使うにはカメラ機能を呼び出さないといけない。筆者の経験ではその時間は1秒から7秒といったところだが、その間にシャッターチャンスが逃していることがある。特に動物相手は致命的だ。コンパクトデジタルカメラでも電源オンから撮影可能になるまで3秒ほどかかる。「写ルンです」なら手に持ってシャッターボタンを押すだけだ。これほどすぐに撮影可能にカメラは他にない。上着のポケットに入れておいても邪魔にならないので、必要なときにすぐに取り出せる。

2.盗難にあってもダメージが少ない
 筆者は一人で海外旅行に行くことがあるが、もっとも頭を悩ますのが、ビーチで泳ぎに行った場合の荷物である。パスポートは客室金庫に預けるし、ホテルのルームキーはレセプションに預けるか、首に掛けておくことが可能だ。しかし海で泳いでいる間の着替えは岸に盗難覚悟で置いておくことになる。海の風景を撮るためにカメラを持ってきたくても、デジカメ、スマホなどは盗難、悪用の危険がある。
 そんな時、「写ルンです」は安いので、盗られても、今まで撮った写真をあきらめれば済む。また防水ケースに入った「写ルンです」もあるので、これならこれを身につけて海に入っても大丈夫だ。
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↑防水型「写ルンです」

3.普通のフィルムカメラと違って撮影済みのコマがパトローネに収まるので安全性が高い
 普通のフィルムカメラはパトローネからベロのように出ているフィルムの端を、カメラの巻き取り部に引っかける。しかし何らかの理由でカメラの蓋が開いてしまった場合、たちまち感光してせっかく写した写真がだめになってしまう。
 しかし「写ルンです」はこれとは逆に、未使用フィルムが外にあって、撮影済みフィルムがパトローネに収められるので、万が一の場合にもデータが残る。もっとも、写ルンですの場合蓋が開くことは全くないといっていいのだが。

4.空撮に適する
 つい最近になって航空機内のデジタルカメラ使用が許可されるようになったが、それまでは空からの景色はフィルムカメラに頼るしかなかった。もっとも離着陸時は客室乗務員が歩き回ってチェックしないので、こっそりデジタルカメラで撮影していたのが現実だ。だからこれはもともと大したメリットではない。けれども飛行機は高速で飛んでいるので、景色は一瞬ですぐに雲に隠れることもよくある。こんな時はこの写ルンですのすぐに写せる利点を生かすことができる。
5.シャッターを頼みやすい
 操作が簡単なので、例えば飛行機で通路側に座っていても、窓際の客にシャッターを頼むことができる。また観光地で他の人に自分の写真を撮ってもらうときも頼みやすい。頼まれた方も「写ルンです」なら失敗も少なく気軽に引き受けてくれる。そもそも外国人は「写ルンです」は知らないので、これをきっかけに会話が弾むかもしれない。

6.電池が不要
 デジカメにしろスマホにしろ、電池がなくなれば撮影できない。スマホの場合、カーナビなどを使った後は温度が上がりすぎてカメラが立ち上がらないことすらある。予備バッテリーがあれば充電できるが、それを持っていなければ、ただの役立たずである。
 その点「写ルンです」は通常撮影に電源は不要。内蔵フラッシュは39枚分を連続して撮影してあまりある電池を備えている。何らかの理由でスマホの電池を使い切ったときなど、写ルンですは予備として使えるカメラである。

もちろん「写ルンです」にも欠点はある。
1.撮った写真をすぐ見れない
2.動画を撮れない
3.写真屋で現像してもらうコストがかかる
4.デジカメの写真に比べて何かボケていてはっきりしない


1.撮った写真をすぐ見れない
 これはもう仕方がない。ただし昭和時代以前のカメラはすべてこうだった。デジカメの場合、とりあえずメモ代わりに撮ることができるが、フィルムカメラはそれはできない。これはデジカメの絶対的に有利な点である。これも現像という面倒な行程が必要ないからで、デジカメがフィルムカメラを駆逐した最大の要因である。
2.動画を撮れない
 ほとんどのデジカメやスマホは動画撮影機能が付いている。これはフィルムカメラにはできない芸当である。昭和時代では動画を撮ろうと思ったら、重いビデオカメラを担ぐ必要があったが、今や専用の機材を用意する必要はほとんどなくなった。これもデジカメがフィルムカメラを駆逐した要因のひとつである。

3.写真屋で現像してもらうコストがかかる
 フィルムの場合、現像という行程を経ないと、画像を得ることができない。それをやってくれるところ、いわゆるDPE店にフィルムを持ち込む必要がある。かつてはカメラ屋はもちろん、本屋や酒屋、スーパーのDPEコーナー、コンビニでも受け付けてくれたが、フィルムカメラの衰退に従って、その店は一気に縮小している。かつてはカメラ屋はフィルムを買う、現像に出す、写真を受け取ると三度の商売ができるといわれたが、デジカメによって一気に駆逐された。今の生き残っているDPE店は他店の競争に勝ち抜き、デジカメの高品質プリントで活路を見いだしている店だ。
 「写ルンです」はたいていのコンビニに置いているが、住んでいる場所の近所にDPE店がないと、写ルンですを購入することは無意味になってしまう。
 かつてはフィルム現像と同時に紙に写真を焼いてもらう同時プリントが一般的だったが、デジカメ世代はほぼ自宅にパソコンがあるので、フォトCDに焼いてもらう方がコストが安い。27枚撮りで1000円くらいだ。

4.デジカメの写真に比べて何かボケていてはっきりしない
 これは「写ルンです」の味だから、大して欠点ではないが、デジカメのように鮮やかな写真を期待するとがっかりする。最低1mを要する固定焦点、焦点が合っている範囲を広げるために絞りが絞られているので暗い場所に弱いという写ルンですの特性を理解しておく必要がある。フラッシュは付いてはいるが光量が少なく、かなり接近しないと中心部しか浮かび上がってこない。
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↑この条件で「写ルンです」

 以上、筆者の「写ルンです」論を述べさせていただいた。2012年には全盛期のわずか5%まで売上げが落ちた写ルンですだが、近年は前年比5倍のペースで伸びているという。それはブームのせいもあるが、「写ルンです」が小型軽量安価というデジカメにない有利な点を有していて商品として優れていたから生き残ったのだろう。「写ルンです」の撮影テクニックに付いては他の人が有益な情報を提供しているので、そちらを参照していただきたい。

リンク集
●写ルンですは実はスゴいフィルムカメラなのです
●その瞬間を最高の一枚に。「写ルンです」で失敗しない5つの撮影のコツ
●ブーム再燃の「写ルンです」 使いこなすポイントは?
●【徹底解説】写ルンですが、今カメラ女子の間で大ブーム!その魅力とは?

「写ルンです」による拙作写真集
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↑ウラジオストクの街並み
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↑グレートバリアリーフの珊瑚礁

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↑フィリピンシキホル島の海

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