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プロ野球16球団は実現できるか [野球]

 昨今、王貞治ソフトバンクホークス会長により現行のプロ野球の12球団に4球団を加えて16球団とする構想が語られた。それ以前、同様の構想を国会議員が提言した時には、既存の球団はもちろん、世間の反応は冷たかったのに、王氏が語ると、可能性を模索する雰囲気になるから不思議だ。
 新型コロナウイルス感染予防のためプロ野球が開幕できないでいた2020年4月、元スワローズの古田敦也氏から現在16球団への動きがあり、早ければ2年後には参入する意思を表明している自治体があると発表された。その自治体とは、新潟、静岡、松山、那覇だという。
 これら4都市の共通しているのはプロ野球の興業実績があり、NPBのオールスターや日本シリーズを開催できる収容人員3万人のスタジアムが既にあることだ。さらに新潟と静岡は政令指定都市とするほどの人口を有している。松山は51万人、那覇は32万人と人口は静岡、新潟より少ないものの、松山は野球熱が高い四国で最大の人口を有し、那覇のある沖縄はキャップ地として名高い。また新潟はBCリーグ、松山は四国アイランドリーグのチームの本拠地としてすでに活動中だ。そして那覇には2019年秋にプロ野球OBを含めたチームが結成された。ただしチームだけで対戦相手にいるリーグは未結成だ。
 王氏はさらに16球団にすれば、現在の上位3チームによるクライマックスシリーズの不具合を解消できるという。現状のシステムでは3位でも日本一になることがあり、現実に2010年にはパリーグ3位の千葉ロッテマリーンズが日本シリーズで中日ドラゴンズを破っている。この時のマリーンズは2位とは僅差の3位で勝率も5割を上回っていたが、シーズン勝率5割を切ったチームが日本一という称号を得られるのはやはり不合理だろう。王氏は16球団、セパ両リーグで8球団ずつになれば、これを東西4チームに分け、それぞれのチャンピオンチームがクライマックスシリーズを戦い、日本シリーズで頂上決戦ができる。4球団のリーグ戦ならどこも1位になる可能性があるから消化試合も減るだろう。もちろんMLBと同様に4球団の地区のみの対戦だけでなく、他地区の対戦や交流戦もやる。
 その線で試合数を算出すると、
 同一地区 20回戦 60試合
 他地区 18回戦 72試合
 交流戦 16回戦 16試合
 合計 148試合
これにクライマックスシリーズが7試合。東西リーグのうち勝率の高い方が4試合できるようにするといいだろう。
 このうち新潟と静岡は当確だろう。新潟はすでに独立リーグを運営しているし、立派な球場もある。人口も多く、新幹線があって首都圏からの選手の移動も楽だ。問題は球団のスポンサーだろう。チーム名はおそらく新潟アルビレックスになるだろうが、その際スポンサーを入れて新潟○○アルビレックスとすればいいだろう。
 静岡は草薙球場がフィールドシート付きに改装されあとは足りないのは付加価値の高いゴンドラシートぐらいだ。静岡は隣の浜松の方が人口が多く、ヤマハ、ホンダなど有力企業も多い。ここに練習場を置いて集客につなげたいところだ。また東海道新幹線の沿線なのもポイントが高い。
 松山は野球熱と坊ちゃんスタジアムの器はいうことがないが、新幹線がないなど交通が不便なのが難点だ。それに松山だけでは平日の集客に問題があるので、高松、徳島、高知といった他の四国の都市にも遠征して、四国という地域性で鳩合する必要がある。四国4県はそれぞれ微妙に県民性が違い、独自性が強く、近畿の大阪、九州の福岡のように明らかな代表都市がないのが特徴だ。まんべんなく移動すると、遠征費用が掛かってしまうのが難点だ。さらに地域交通も高速バスが最速という有様。四国の各都市の連絡を考えれば高松の方がいいが、野球熱と人口は松山の方上回るのが難しいところだ。
 那覇は人口が最も少なく、集客に苦労しそうだ。しかも問題は飛行機でしか移動できないので、台風シーズンは欠航の可能性が高く、試合消化に問題があることだ。それに他の球団が遠征費用がかかり歓迎されないだろう。
 そういう理由から筆者は那覇のNPB参入は難しいのでは考える。そこで那覇の球団は、台湾のプロ野球リーグに参入した方がいいのではないか。そちらの方が地理的に近いし、国際化という目的にも適うからだ。もちろん集客コンテンツとしては弱いものがあるが、台湾側にメリットが大きいので、長い目でみれば発展するのではないか。
 この那覇の代わり適当な都市が必要だ。筆者は神戸を提案したい。神戸はかつてオリックスが本拠地を置いていたし、そのオリックスは近鉄と合併し、自ら保有する京セラドームの試合を増やし、神戸にあったファームの施設も大阪南港に移している。あの天然芝の球場を活用しない手はない。参入企業としてはウルトラC的ではあるがオリックスがいいだろう。オリックス+神戸本拠地なら、あのイチロー氏が振り向いてくれるかもしれないからだ。オリックスバファローズは適当な企業に売却すればいい。ただし買ってくれればの話だが。
 また松山も交通が不便なので他の候補も考えていい。最大の人口を有する関東圏が有力だ。かつて川崎にはロッテオリオンズ、東京ドームには日本ハムファイターズが本拠地に構えていていたが、観客動員に苦しみそれぞれ千葉、札幌に移転した。しかし今は横浜DeNAは横浜スタジアムの集客に成功し、溢れたファンが神宮のヤクルト戦向かっているほどだ。関東に一球団増えたところで、かつてのような悲惨な観客にはならない気がする。川崎は位置的に最適だが、プロ野球を開催できるような球場がない。東京ドームをジャイアンツと共用する手もあるが、どうしてもジャイアンツが優先されてしまう。一番の解決策は、ジャイアンツが自費で築地辺りに天然芝の新球場を建設することだろう。そうすれば東京ドームは主がなくなるので、新球団が使えるというわけだ。ちょっと希望的観測だが松山の代替地は東京とした。
 16球団の割り振りだが以下のようにすればどうだろう
 ●セントラルリーグ
 ・東地区
  読売ジャイアンツ
  東京ヤクルトスワローズ
  横浜DENAベイスターズ
  静岡球団
 ・西地区
  中日ドラゴンズ
  阪神タイガース
  神戸球団
  広島東洋カープ

 ■パシフィックリーグ
 ・東地区
  北海道日本ハムファイターズ
  東北楽天ゴールデンイーグルス
  新潟アルビレックス
  埼玉西武ライオンズ
 
 ・西地区
  東京球団
  千葉ロッテマリーンズ
  オリックスバファローズ
  福岡ソフトバンクホークス

 パリーグは遠征に慣れているので遠方を担当してもらった。地域的にはライオンズは西地区にすべきだが、ホークスと同じにするのはレベルが不均衡なのでマリーンズを西地区にした。神戸をセリーグにしたのは東京にジャイアンツとスワローズがあるように大阪もタイガースともう一つあっても興業が成り立つのではと考えたからだ。
 実のところ筆者もこれがベストとは思えず再考したいと思う。
 この新球団構想で最も重要となるのは親会社を見つけることだ。しかしこればかりは手を挙げてくれないとわからない。ただいえるのは親会社となり得るのはすでに実績のある大企業ではなく、宣伝が必要な新興企業であることだ。過去のプロ野球の親会社もそういう変遷をしている。
 また選手層をどうするかも問題だ。これにはファームを廃止して、独立リーグを下部組織にして選手を委託する。1軍は40人のみとすることで経費を削減する。また外国人枠はMLB出身者を除いて撤廃する。どのみち少子化が進んで高校球界だけでは不足するのは明らかなので先取りするわけである。

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2016年マリーンズを振り返る [野球]

 前年2015年は3位に入り、クライマックスシリーズのファーストステージを突破したマリーンズ。投手陣は涌井、石川の両先発。内、西野、益田の救援陣。打撃陣は今江がFAで楽天に移籍し、層が薄くなったとはいえ、キューバの大砲デスパイネが残留し、前年3割を打った清田、俊足の荻野、首位打者経験のある角中、高卒新人の平沢の加入で刺激を受けた鈴木、正捕手の座をほぼ確保した田村。それに福浦、井口のベテランが固める。さらに巨人にさらわれたクルーズの代役として、韓国プロ野球にいたナバーロを獲得し、打線強化を目指した。
 しかしナバーロが銃刀法違反で謹慎処分を受け、それでやる気をなくしたがどうかわからないが、復帰後も守備で怠慢プレーが目立ち、しかもそれを補う打棒を安定的に発揮しなかった。
 投手陣では、いつもは秋口にしか投げられなかった内が開幕から救援陣の一角を占めて、終盤の反撃を撃退した。先発では涌井は圧倒的な投球はなかったものの、石川が防御率1点台で前半を折り返すなどエース的存在にのし上がった。これにこの年から加入したスタンリッジが試合を作る投球で、彼らが3本柱となった。しかしそれ以外の投手は投げさせてみないとわからず、新人関谷やオープン戦で存在感を示した二木に大きな期待をかけるというのは無理というものであった。しかしここ数年ずっと失点が得点を上回り、防御率も4点台だったことを考えると、チーム防御率3.66は大幅に改善されたといえる。これは伊東監督と落合投手コーチの功績といっていいだろう。
 打撃陣では角中がほぼシーズン通して打率首位の活躍ぶりで、鈴木が3割、2軍では好成績も一軍では実績のなかった細谷も3割をマークするなど春先は打線が好調だった。しかし細谷がすぐに化けの皮が剥がれ、鈴木も夏場になると打率が降下した。デスパイネは期待通りの長打力を示し、チームの危機をたびたび救った。ただ、大砲は彼だけなので、相手チームにとって威圧感がなく、打線がつながらないとすぐに得点欠乏症になってしまうのは、もはやマリーンズの伝統的な病気といえるだろう。ちなみにチーム本塁打数80本は12球団最下位であった。
 シーズンでもっとも痛感させられたのは、選手層の薄さだろう。確かに前述した選手は活躍はしたのだが、その脇を固める選手や故障者の穴埋めをする選手の力量があまりに劣っていた。143試合を戦うには故障者が出ることは避けられず、実際に投手陣では内が故障し、クローザーの西野が戦線離脱すると、ご自慢の救援陣が一気に崩壊した。
 打線にしてもデスパイネ、角中を除けば、鋭いスイングが見られず、さりとてバントがうまいわけでもなく、足技を使えるわけでもなかった。もちろん何試合かは気力が充実して、逆転や圧勝もあったものの、とにかく持続しなかった。井口、福浦といったベテランも40歳を越え、往年の活躍を期待するのは無理というものだった。
 シーズン当初は首位だったが、やがてソフトバンクに抜かれ、独走を許した。交流戦ではソフトバンクに次ぐ2位で食らいついていったが、交流戦後に日本ハムが14連勝で一気に差を詰め、オールスターの頃には3位に落ち着いていた。
 この年の下馬評では長距離砲イデホがメジャーリーグに去ったとはいえ、選手層の厚いソフトバンクホークスが圧倒的に高く、これに二刀流のスーパースター大谷翔平のいる日本ハムファイターズがこれに続き、他のチームは決め手に欠いて3位争いという声が多かった。実際にこの通りの展開となり、ソフトバンクと日本ハムが競り合いを続け、マリーンズは4位以下のチームにはそこそこ戦い、2位ソフトバンクとは12.5ゲームとも4位西武とは8ゲームと大きな差のある3位を確保した。
 ソフトバンクと日本ハムとの競り合いは、終盤までもつれ、大谷の神懸かり的活躍もあって日本ハムが抜け出し優勝した。
 マリーンズは最終的に3位が確定し、チームの功労者であるサブローの引退試合は気楽な消化試合のお祭り的雰囲気で無事に開催できた。
 シーズンが終わり、石川が最優秀防御率、角中が首位打者を獲得した。デスパイネも打点王の可能性があったが、怪我での欠場が響いた。
 マリーンズとしてはお家芸の短期決戦で、ソフトバンクと日本ハムを撃破するしか、シーズンの不名誉を回復するしかなかった。過去、マリーンズはファーストステージの敗退がないこと、3位からの日本一の実績があること、故障者続きだった救援陣に人材が戻りつつあることなどをより所にして、ソフトバンクとのファーストステージに挑んだ。第1戦は先発に涌井を立て、初回に本塁打2発で先制するも、終盤に内が四球を連発しで3対4で敗北。第2戦は再び初回に本塁打で先制するも、終盤に救援陣が守りきれず、1対4で敗退した。持てる戦力からすると善戦したといえるが、結局のところ選手層の薄さはどうすることもできず、マリーンズは球団史上初めてファーストステージ敗退を記録することになった。ジンクスだけでは勝ちようがなかったのである。
 来期の展望だが、契約の切れたデスパイネが残留するのかもわからず、監督続投の条件として戦力の補強を要求した伊東監督だが、約束通り戦力補強がなされるのかどうかは不透明だ。第一、親会社のロッテが前年からお家騒動続きで、球団経営の情熱を失っているように見えるのが気がかりだ。球団自身は営業努力もあって、観客動員数はV字回復を果たした。回復をさらに持続するには、優勝を期待させるだけの戦力を整えることだろう。

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広島東洋カープ25年ぶりの優勝 [野球]

 2016年プロ野球セントラルリーグ優勝は広島東洋カープだった。前年15勝した前田健太がポスティングシステムでアメリカに去り、戦力低下が予想され、Aクラスはともかく優勝は難しいのではないかというのが下馬評だった。
 例年、カープは交流戦を苦手にしていたが、他のセリーグの各チームが軒並み負け越す中、11勝6敗で乗り切った。4月に2000本安打を達成した新井は絶好調で、鈴木誠也という若手のスラッガーが飛び出した。緒方監督が彼の活躍ぶりを表現した「神ってる」は名文句になった。野手陣は前述の新井が、投手陣は日米通算200勝を達成した黒田が精神的支柱となった。外国人は広島で長いエルドレッドがまとめた。ジョンソンに野村の左右エースに豊富な救援陣。打線でも中軸を担う菊池、田中、丸の若いセンターライン、故障者が生じても埋まる分厚い選手層。若手、中堅、ベテラン、外国人すべてが噛み合った。前年は不思議な采配も見られた緒方監督も今年は采配がずばりと的中した。
 すべてがいい方向に向かい、他のセリーグのチームが決め手を欠く中、カープは勝ち進んだ。そしてマジック1とした9月10日、東京ドームのジャイアンツ戦で優勝を決めたのだった。
 広島市内はカープの25年ぶりの優勝に酔いしれた。横浜市を本拠地にするベイスターズや千葉市を本拠地にするマリーンズが優勝しても、横浜市民や千葉市民がここまで熱狂するだろうか。あと10年時間が経過してもそうはならないだろう。首都圏に属するこの両市は東京の付録のようなものだからだ。もちろんそれぞれの市民には異論があろうが。
 さて、このカープが優勝できた理由は、広島からFAで一旦は出た新井と黒田が「広島を優勝させるために」帰ってきてくれたことが最大の理由だと思うが、彼らとて優勝の望みのない球団であれば、帰ってこなかったと思う。そうなる気持ちにさせたのは、2007年に新人ドラフトで逆指名がなくなり、クジ次第で好素材の選手が入ってくれるようになったことと、2009年に新球場に移転したことだろう。
 新球場はあくまでも広島市の所有だが、その企画立案においてカープ球団が関与し、プロ球団が使用することを前提とする球場であった。内野にも天然芝を敷いた、まるでメジャーリーグのような球場に仕上がった。旧広島市民球場は街の中心部にあって路面電車でのアクセスには便利だったが、遠方からの客を集めるには難点があった。その点新球場は広島駅から徒歩圏内で、JRを使ってより広範囲の集客が可能であった。東京からはるばるやってくるカープ女子の観戦にも便利になったのだ。このカープ女子の存在は営業面で大きなプラスとなった。筆者は思うにカープの赤いユニフォームが女子の心を刺激したのだと思う。これが「青」だったら成功していたかどうか。
 もともと広島は野球の応援スタイルの発祥地であることが多い。外野席からのトランペットによる応援歌演奏もそうだし、紙テープにかわるジェット風船もそうだ。この創造力の高さが、他の球団にないような球団グッズが作られ売れるようになったのだ。2004年の球界再編以来、ジャイアンツ戦のテレビ放映権料による球団ビジネスは崩壊し、球場の入場者とその広告看板、それと球団グッズが球団収入の柱になったのだ。この変化に対応できたカープ球団が次第に収支を好転させ、より選手の年俸に反映できるようになった。例えば黒田は年俸6億円と12球団最高だ。FA選手を引き留めることもできず、流出されるがままだったかつてのカープでは考えられないことであった。
 新球場効果で観客が増え、ドラフトで獲得した好素材を、伝統の育成技術で鍛える。この好循環により次第に戦力の整ったカープに、かつてのスターが戻ってきた。まさに今しかないというタイミングでカープは優勝したのだ。
 「今年だけはクライマックスシリーズはなしにしてほしい」とは短期決戦に慣れない広島ファンの気持ちだが、今の勢いなら、クライマックスはもちろん、日本シリーズも突破するのではないか。
 あまりにも出来過ぎたシーズンなので、来年は反動も大きく、とてもカープの黄金時代の到来とはいかないだろう。でも浮き沈みはしても、一度つかんだカープファンはカープを見捨てたりしないだろう。きっとまた夢を叶えさせてくれる筈だ。

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2015年マリーンズ総括 [野球]

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 長年マリーンズを支えた里崎捕手が引退し、左腕成瀬がFAで去り、その埋め合わせもすることなく、前年より戦力低下した状態でシーズンに挑んだ2015年のマリーンズ。当然、下馬評は芳しくなく最下位に推す声が多かった。
 開幕戦の相手は断然の優勝候補のホークスだった。初戦は涌井を立てて勝ち、3連戦を勝ち越すまずまずのスタートダッシュだった。
 しかし大砲として期待されたデスパイネがキューバ国内リーグを優先する契約条項があったために、来日が5月となった。期待された右腕唐川、左腕藤岡は背信投球を続け、投手陣は防御率4点台と相変わらず冴えなかった。ただ救援陣は大谷がセットアッパーとして活躍し、クローザーの西野が安定感を増していた。攻撃面では6年目の清田が23試合連続安打を記録するなど、打率3割を維持する好調ぶりで、シーズンを通じて攻撃の核となった。しかしながら攻守とも圧倒的なものはなく、5月には4位か5位に落ち着いた。
 この年から18試合に減らされた交流戦は10勝8敗と勝ち越し。ただ他のパリーグのチームも頑張ったので、順位の変動はなかった。他のチームに目を転じれば、大型補強で前評判の高かったバファローズが最下位に低迷し、森脇監督が休養する事態となった。前年優勝のホークスは分厚い選手層を武器に、安定した戦いを続け首位を守った。ファイターズは大谷投手が連勝を続け、離れた2位につけた。この2チームが抜け出し、強力打線のライオンズがさらに離れた3位。少し離れた4位にマリーンズ。以下離れてイーグルス、さらにポツンとバファローズという順位で推移した。
 オールスター以降も大きな順位変動もなく、ホークスの1位、ファイターズの2位はほぼ確定。興味はクライマックスシリーズ出場権が得られる3位争いに絞られた。
 マリーンズは勝率5割に何度も近づくのだが、開幕から好調だった今江を欠き、デスパイネも理由をつけて出たり出なかったりで、貯金ができない状態であった。しかし8月に入り、3位のライオンズが13連敗という大型連敗を喫し、それに対してマリーンズが7連勝しついに3位に浮上した。その後角中や大谷が戦列を離れ、西野まで離脱するという戦力不足の中、先発では8年目の大嶺、ベイスターズをクビになって獲得したチェンが頑張り、救援投手陣も中継ぎに回った藤岡、益田、松永、そして西野に替わってクローザーを務めた内が踏ん張って、9月以降は俄然調子があがった。。
 ホークスが早々と優勝を決め、ファイターズもクライマックスに向けての調整モードとなり、屋外球場の強みで残り試合の多いマリーンズは、ライオンズとの最後の直接対決で勝って、残り3試合で1勝すれば3位確定というところまでこぎ着けた。マリーンズはこれを3連勝で乗り切り、勢いをつけてクライマックスリーズに挑むことになった。
 クライマックシリーズファーストステージは敵地札幌でファイターズと対戦。第1戦は難敵大谷を崩し9対3で勝った。第2戦は落としたものの、第3戦はエース涌井が登板。涌井は最多勝を狙って最終戦に登板しており、そこから中4日での登板であった。再三のピンチを迎えながらも気合いで143球を投げ、初回の1失点に抑えた。井口とデスパイネのソロ2発でマリーンズは2対1でファイターズを下し、5年前の3位からの日本一の再現を目指し、勇躍福岡に乗り込んだ。
 ファイナルステージは優勝したホークスが待ち構えていた。マリーンズは激戦続きで選手が疲労しており、凡ミスが多く数多い得点機を逸した。それに対して、ホークスは内川、イデホ、柳田という中軸がしっかりと仕事をして、つけいる隙がなかった。第1戦2-3、第2戦1-6、第3戦1-3と3連敗でクライマックスシリーズ敗退が決まった。伊東監督は選手をねぎらいつつも、ホークスとの力の差を認めざるを得なかった。
 2016年も伊東監督が指揮を執ることが決まった。現状の戦力で3位に入った伊東監督の手腕が評価されたわけである。来年の展望としては、マリーンズの親会社のロッテがお家騒動で大型補強には難色を示すであろうし、現有戦力の底上げやドラフト新人の大化け、外国人選手の活躍など、不安定要素に頼らざるを得ないだろう。長いシーズンで優勝するには、故障者がでてもすぐに埋め合わせのできる分厚い戦力が必要で、ホークスは正にそれを有していた。マリーンズは短期決戦に強いことは、今年の戦いを見ても明らかだが、それは逆にいえば、予備戦力がないことの裏返しである。引退した里崎氏がシーズン前に「マリーンズは5年に一度のゴールデンイヤー」とさかんに煽っていた。それに乗せられたのか、今年はクライマックス進出までこぎ着けた。ただファンとしては5年に一度ではなく、毎年優勝争いするチームを見たいのである。
 マリーンズの観客動員は増加に転じたものの、未だ12球団最少の数字である。2年連続最下位となったイーグルスは、収容人員が少ない球場にもかかわらず、チケット販売方法を工夫するなどして、観客が増加している。さらに来年度は球場を天然芝に改修して、さらに増加を図ろうとしている。マリーンズはそうした工夫が見られず、バレンタイン監督時代に作られた施設をそのまま利用し、フィールドシートもネットを設けるなど魅力が低下している。チーム力を強化するのは、優勝争いするほど強くなれば、観客が増えるからだ。そのための資金を用意できなければ、イーグルスのように営業上の工夫をして、観客の増加を図るべきだ。ロッテが球団経営に情熱を失う可能性も出てきた現在、新たな買い手を振り向かせるほどの魅力のある球団にしておくことは、勝つ以上に重要なテーマであろう。

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2014年マリーンズ総括と来年の展望 [野球]

 前年は大した戦力でもないのに、3位に入り、楽天イーグルスとクライマックスシリーズを戦い、無敗街道を進む田中将大投手にはじき飛ばされてしまった伊東監督率いる千葉ロッテマリーンズ。
 この年の目玉は何といっても、西武ライオンズからFAで獲得した涌井投手だろう。マリーンズは高額年俸となるFA選手を獲得することなどほぼ皆無であったし、最多賞の実績もあるこの投手を獲得したのは、球団の本気を感じさせた。左エースの成瀬、右の実績一番手の唐川、それに涌井を先発三本柱にし、前年育成からブレイクした西野をクローザーに据え、リリーフ実績のある益田をセットアッパーに据えた投手陣。打撃陣は長打力こそ望めないものの、鈴木、荻野といった俊足好打の若手に、角中の広角打法、中堅の今江に、ベテランの井口と並んだ打線はそれなりに期待できるものであった。
 ただ里崎の後継となる捕手が育っていなかった。これについては捕手出身の伊東監督の育成手腕に期待された。
 さてシーズンが始まってみると、先発3本柱が思うように勝ち星が伸びなかった。涌井はそこそこ試合を作るのだが、序盤の失点を挽回できないことが多く、さっぱり貯金を作れない。最終成績は8勝12敗。成瀬は相変わらず被弾が多く、しかも途中で離脱してしまった。最終成績は9勝11敗。もっとも期待を裏切ったのは唐川である。さっぱり勝てない背信の投球の連続で、監督も懲罰的に中継ぎをやらせたりしたが、結局ファーム落ちした。初勝利は7月1日であり、4勝9敗が最終成績。つまるところ2014年マリーンズの敗因は期待はずれな先発投手陣に尽きた。
 崩壊した先発陣でひとり気を吐いたのは新人の石川でほぼローテーションを守り、10勝に到達して新人王を獲得した。リリーフは先発陣の不振で酷使された割にはよく頑張り、西野はクローザーとして日本代表に選ばれるまでに成長し、益田は前年並みの安定した実績を残した。これまで便利屋的に使われてきた大谷がセットアッパーとして信頼を勝ち取った。
 打撃陣は長打力がない分、つながりが重視されるわけだが、残塁がやたらと多い効率の悪い攻めが多かった。つまり低打率の選手が多かったのである。3割打者が複数いないと、こういう打線は機能しない。その典型的な例を見せつけられた。チーム打率のトップが鈴木の.287で、今江は.270だったし、井口はもはや年中行事となった春先だけ調子がよくあとは急降下で最終打率は.238であった。首位打者実績のある角中が.277。ただし出塁率は.385と一定の存在感は示した。
 長打力不足はわかっていたことだが、20本を越えたのは皆無だった。3割打者もおらずで、個人タイトルを獲得した選手もゼロだった。本塁打に関していえば、もともと風の影響の大きいマリンスタジアムを本拠地にしているとはいえ、何とかならないかと思ってしまう。まあこの選手成績では優勝に絡むのは無理というものであろう。
 そんななか頑張ったのは外国人選手である。クルーズはチーム本塁打王の16本。ハフマンが試合数こそ少ないものの打率.270。得点圏打率は3割を超えた。キューバから途中入団したデスパイネは45試合で12本塁打と実績通りの打棒を示した。彼ら外国人選手が残留できたことは、とにかく長打力不足に悩まされるマリーンズ打線にあって、心強いところである。とにかくマリーンズはオリオンズ時代から外国人選手が活躍しないとどうにもならないチームである。
 捕手については、前半は新人の吉田をはじめ、川本、江村、金沢といった選手を競わせる方針で進んだ。もう配球と守備で精一杯で打撃はほとんど1割台といった状態で、攻撃が分断された。いつの試合だったが忘れたが、弱打者に弱気の配球で四球を許し、その走者の盗塁を刺そうとして暴投。その後後逸して1点献上というシーンもあった。シーズン終盤になって高卒新人田村が頭角を現し、重点起用された。おそらく伊東監督としては彼を育ててみようということに決めたのだろう。
 2015年は成瀬がFAでスワローズに去り、2度の日本一に貢献した里崎捕手が引退した。外国人選手は残ったものの、長打力不足は否めないし、機動力はあるものの、怪我がちの選手が多い。戦力的には現状維持どころがマイナスで、未知の新人を戦力として当てにしなければならない。大型補強に成功したソフトバンクホークスやオリックスバファローズに対抗できるのか疑問だ。何しろ長いシーズンけが人もなしに乗り切ることなど不可能だからだ。選手層の厚いチームが優勝に近いのは自明の理だ。
 このようなB級といえる戦力で、2013年を3位、2014年を4位という中堅の数字で終えることができたのは、伊東監督の手腕といっていいのではないだろうか。
 マリーンズはオリオンズ時代から西暦が5で割り切れる年に強い。オリオンズが優勝したのは1950年、60年、70年。しかし1974年に優勝したために、法則が崩れ、2005年まで優勝できなかった。その後2010年に優勝はしなかったが、3位から日本シリーズに出場し、中日を倒して日本一となった。里崎氏が引退時、2015年は5年ごとに何かが起こるマリーンズのゴールデンイヤーと語ったが、ファンとしては奇跡を信じたいものである。選手全員の力を合わせてエネルギー充填率120%で戦えば、優勝はできないことはない。そのためには開幕ダッシュが重要となる。マリーンズが好成績をあげた年は、決まって開幕ダッシュが成功しているからである。
 開幕ダッシュに成功するには、シーズンオフをしっかり休み、充実したキャンプを送る必要がある。マリーンズの場合既存戦力が不足気味なので、新人にも頑張ってもらわないといけないが、このところマリーンズのスカウトの目利きぶりには驚異的なものがある。大いに当てにさせていただいて、2015年はゴールデンイヤーにしたいものである。

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WBC監督問題について [野球]

 プロ野球選手会は不参加を表明していたワールドベースボールクラシック(WBC)に、一転参加を表明することになった。肝心の収益の不平等は解消されないままであるが、この決定に安堵する関係者も多かっただろう。
 WBCの抱える問題は別にして、まずは日本代表チームの監督を決めなければならない。第1回は王貞治氏、第2回は原辰徳氏が勤めた。いずれも当時の現役球団監督との兼任であり、精神的負担が重かったと、両氏は語っている。しかし現役監督にも利点がある。ひとつは現役だけに選手の力量を把握していている上に、勝負勘が鈍っていないこと、ふたつめはWBC敗戦した場合でも失業することがない点だろう。サッカー日本代表のように国際試合が年中組まれているならともかく、国別代表戦が1年平均で3試合あるかないかという現状の野球界では、一度の失敗で評価ががた落ちになる日本代表監督を引き受ける人はあまりいるまい。元中日ドラゴンズ監督の落合氏は非公式な打診に対し、やんわりと断ったと伝えられる。落合氏の負けない野球は長期間のリーグ戦こそ発揮されるという自覚もさることながら、前述の失敗による低評価となることを恐れているのだろう。なにしろ過去2回は優勝しているのだから、準優勝でも低評価となりうるのである。
 筆者は今回もジャイアンツの原監督に指揮を依頼するのが上策だと思う。実績、人望ともに申し分なく、WBCの日本開催の勧進元がジャイアンツの親会社の読売新聞という事情もある。仮にWBCで準優勝以下の成績に甘んじたとしても、優勝実績のある原氏なら評価が落ちることもない。
 もし原氏が就任を固辞した場合は、ホークス監督で春に台湾戦を指揮した秋山氏に白羽の矢が立ちそうだ。しかしその前に、野村克也氏に就任を要請してみてはどうだろう。野村氏は野球に関する実績、知識、情熱とも日本最高レベルであり、マスコミを利用するするすべも心得ている。これを利用しない手はない。まして本人は意欲満々である。負けて低評価となる心配も高齢の野村氏には無用の心配だ。それなのにNPBが名前すら挙げないのは、高齢であることと、現役監督時代の毒舌で酷い目に遭わされた読売新聞が嫌っているからであろう。
 もはや日本のプロ野球チームの監督にはお声が掛からないだろうから、野村氏の指揮ぶりを見てみたいものだ。問題は国際試合の経験が少ないことだが、そんなことはご本人がよくわかっているだろうから、適任な参謀役を選ぶことだろう。
 現役以外の人選としては、北京五輪代表でコーチを務めた山本浩二氏の名も上がっているようだが、広島で一度の優勝経験があるとはいえ、コミュニケーションの機会が少ない外野手出身の氏が、日本代表をまとめるのは難しいのではないだろうか。ソフトバンクの秋山監督は外野出身だが、若年時は三塁を守っていた。西武ライオンズ黄金時代を知る秋山氏の方が日本代表監督に相応しい器だと思う。
 もしどうしても現役監督が尻込みし、野村氏が健康上の問題が発生したなら、元ヤクルト監督の古田氏はどうだろうか。監督としての実績は乏しいものの、キャッチャーの目を通じた野球知識は野村氏に勝るとも劣らない。同年代に人材が豊富なのでコーチの人材に事欠かないし、自身も国際試合の経験が豊富だ。問題は野村氏のように野球以外の知識で人の心を動かすことができないため人望に欠ける点だろう。

筆者の侍ジャパン監督候補
1.原辰徳氏(現読売ジャイアンツ監督)
2.野村克也氏(野球評論家)
3.秋山幸二氏(福岡ソフトバンクホークス監督)
4.古田敦也氏(野球評論家)

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2012マリーンズ自力優勝消滅 [野球]

 自力優勝が消滅した球団が優勝した例は、シーズンの最終盤を除けば、おそらくないだろう。つまりマリーンズは最後通牒を突きつけられたといえよう。
 とにかく後半戦は全てにおいて精彩を欠いた。投手陣を見ると、球宴前の唐川離脱から始まって、先発投手要員がことごとく消えた。残ったエース成瀬も重圧からか勝ち星を伸ばせなかった。救援陣も抑えを任されていた内が故障し、ルーキー益田の負担が増大し、結果として彼も疲労から打ち込まれることが多くなった。
 もともと手薄だった攻撃陣は、一時は打率首位となった角中がフルシーズンが初めてということもあって成績が下降線。ホワイトセルの復帰、新人鈴木大地の台頭といった明るい話題があったものの、長打力不足は相変わらずで、残塁の山を築くこととなった。規定打席到達者で3割打者が誰もおらず、チーム本塁打王が根元と井口でそれぞれ9本以下とあっては、むしろ首位にいたのが不思議に思えるほどだ。
 主将に指名された今江は開幕前には適任かと思われたが、自身の成績低迷でチームを引っ張ることができず、ジャイアンツからFAでマリーンズに復帰するという「熱い思い」を見せたサブローも同様だった。
 西村監督も契約最終年であり、当然この醜態の責任を取らざるを得ず、来季の契約更新はないと思われる。そうなるとコーチ陣も大幅入替となり、チームの勝利よりも、自分の身の振り方を考えねばならない。こうなってくると、チームが一丸となって戦う雰囲気になろうはずもなく、Aクラス入りも厳しいと思われる。退任確実な西村監督は、今までお世話になったロッテ球団の恩に報いるためにも、次の世代の若手を育てることが残り試合で重要になってくるだろう。
 西村監督の責任は、チームの成績だけではない。観客動員数が減っているという厳しい現実だ。私の目からしても、フロントの営業努力は例年通りだったと思う。昨年は東日本大震災の影響で平日デーゲームが多く、チームが低迷していたから、観客が少なかったのは理解できる。しかし今年は首位争いをしながら、天候も安定していたにもかかわらず、とりわけ少なかったかった昨年よりも観客動員を伸ばすことができなかった。つまり西村監督の野球に魅力を感じていないということだ。付け加えておくと、私のようなファンは黙っていても球場に行く。日頃野球を見ない人をどれだけ内野席に集めることができるかが勝負なのである。
 そうなってくると、次の監督は内部昇格ではダメという判断になるかもしれない。しかし何しろシブチン球団のことだから、給料の安さが魅力で高橋慶彦監督というのはあり得る。OBで客を呼べそうなのは初芝氏か黒木氏だろう。両者ともコーチ経験はない。しかし日本にあってはコーチ経験があるからといって監督として成功するわけではない。ただしその監督の場合、優秀かつ経験豊富なヘッドコーチが必要だ。あるいは西武黄金時代を支えた伊東勤氏を招聘するのはどうか。性格が暗いので観客動員には結びつかないかもしれないが、彼が伝えるノウハウは貴重な財産となるだろう。マスコミを利用するのが巧みで、野球をよく知り、実績もある人となると、それは野村克也氏しかいないだろう。
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2012年千葉ロッテマリーンズ後半戦かく戦えり [野球]

 42年ぶりの首位での折り返しに成功したマリーンズ。目下2位のファイターズとは2ゲーム差をつけている。長いシーズン、故障者なしで乗り切ることは不可能である。マリーンズも多くの故障者を抱えている。先発投手陣は開幕当初は
成瀬、唐川、藤岡、グライシンガー、ペン、渡辺俊
だったのが、前半終了時には
成瀬、小野、大谷、上野、吉見

といった面々。要するに成瀬以外は消えてしまったのだ。先発が好投しても、ここまでリリーフを支えてきた益田の投球内容が悪化しており、立て直しが急務だ。ただ薮田からクローザーを奪った内、そして奪われた薮田も復調しており、他所の球団に比べればまだ有利な点がある。左の中後が復調すればワンポイントとして面白くなる。ロングリリーフのできる大谷が先発に回っているのは後半戦を戦う上で懸念材料。唐川はいずれ復帰するとして、藤岡かグライシンガーのどちらか復調してくれないと、成瀬の負担が重くなってしまう。
 打線は長打力不足を連続安打で補っている。しかし夏が近づくにつれタイムリーが出ず残塁の山が築く試合が多い。スモールベースボールの弱点で、どの選手も平均的な打率を残していて、どこからでも攻撃できるが、選手の調子が悪くなると、打線が繋がらなくなり、得点が上がらない。3割打っているのは角中のみ。彼には個人タイトルをモチベーションに頑張ってもらいたいものだ。長打が期待できるホワイトセルが戻ってきた。彼が下位にいると、滅多にバットに当たらなくてもあのスイングを見れば恐怖を感じるだろう。多少結果は出なくても使ってみたい。
 マリーンズの強みは、引き分けの多さと、屋根なし球場故に試合の消化が遅いことだ。対戦成績の悪いファイターズが真下にいるのは困りものだが、ファイターズは間違いなく先に日程を消化する。残るのは相性のいいイーグルスだ。セリーグの場合、勝率が同じなら勝利数が多い方が上位に来る。しかしパリーグにはこの規定がなく、引き分けの価値は上位球団に重い。現在10の引き分けだが、おそらくシーズン終了時に17ぐらいになっていると思われる。そうなると必要な勝利数は少なくなるだろう。マリーンズにとっては勝つよりも負けないことが重要になる。
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ゴールドコーストマラソンと旅行記 その2 [野球]

これは管理人が2001円6月、オーストラリアのゴールドコーストへの旅行記です。もう10年以上も前の出来事であり、今となっては参考にならない点もあろうかとございますが、ご了承下さい。

最初一つ前一つ後最後

■ブリスベンからゴールドコースト■
6月23日(土) 晴
 5時23分、ブリスベーン国際空港に着陸。もちろん暗闇の中である。農業国であるオーストラリアは、細菌の侵入を防ぐため、機内食を含む外部からの食べ物の持ち込みは禁止されている。私もマラソン前の体調維持に梅干しを持ってきたかったが諦めていた。税関ではミネラルウォーターとカロリーメイトを差し出したが、係員は軽く見ただけで、それを置いたままにした。シューズの方は問題なかった。シューズに付いている土も持ち込み禁止なのである。案外「申告あり」に並んだ人のほうが多かった。6時07分に税関を突破。
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↑ブリスベーン国際空港

 6時30分、我々10数名のJTBツアー客はアキラという添乗員に率いられて専用バスに乗り込んだ。彼は「グダイ」と挨拶した。オーストラリアではAを常にアイと発音する。つまり「Good day」と言ったのである。ユーカリの樹が沿道を埋め尽くす国道1号線を南下しゴールドコーストに向かう。ちょうど朝日が昇るところで感動的である。ただしそれはバスの車窓の左側で、私は右側に座っていたのでよく見えなかった。
 快適な高速道路を1時間。まずはゴールドコーストの中心街サーファーズにあるJTBデスクに連れていかれ、オプショナルツアーや滞在ホテルについて説明。ここで広島の佐伯市からやって来たM氏と知りあった。彼もゴールドコーストマラソンにエントリーしているというので、彼にゼッケンをもらって来てもらうことにした。彼は夫婦で来ていてゴールドコーストマラソンは2回目で、会場までいくための自転車も持ってきている。後から聞いた話では広島方面から関西空港に行くのは不便になったという。
 次に我々は免税店まで連れて行かれた。ここで買い物をせよということだが、ブランド品の価値を知らない私は、そこを足早にあとにし、今日行われるはずの競馬の新聞を探すことにした。その店は簡単に見つかった。新聞は$2.50。オーストラリアの初めての買い物は競馬新聞だった。日本のに比べてかなりごつい。予想以外の情報が多いのと開催競馬場が多いのだろう。さらに日本語の書いた近くのコンビニに行き、ミネラルウォーター$1.50。ここでテレフォンカードを求めたがなかった。国際テレホンカードならあった。この頃は日本の携帯電話が海外で使えるわけではなかったのである。それどころか携帯電話を持っていない人も多かった。
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↑カルビモール
 9時10分、カビルモールという繁華街を歩く。焼肉のような名前である。荷物はJTBがホテルに届けてくれるので身軽である。疲れているので、すぐにホテルで休みたい心境であるが、チェックインは14時00分からということなので、とりあえず昼食にしたかったのである。マクドナルドはメニューの読み方がわからず中止。
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↑マクドナルド
 10時26分、ミスタードーナツなら自分で選ぶので簡単だからそこに入った。競馬新聞を読みながら食べる。書いている意味が分かりにくく苦労する。日本の競馬新聞のように複数の記者が印を打つのではなく、レースごとに3頭選んでいるだけであった。競馬は12時00分からなので観光案内所に寄ったりして時間を潰す。




■ゴールドコースト競馬場■
 競馬場にはタクシーで行く。シャトルバスが出ているはずだが、インターネットで調べた時刻表はホテル行きの鞄の中に入れたままなのである。運賃はは約$10かかった。
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↑ゴールドコース競馬場
 11時47分ゴールドコースト競馬場着。入場料は$5で、あとで買ったレーシングプログラムも有料であった。入場門から入って左側に馬の待機所がある。馬を間近まで見ることができる。右側はスタンドで、ゴール板を境に左側がクラブ会員専用スタンドで、この前にパドックがある。クラブといってもごく普通の格好をしている。スタンドの反対側には屋台風の飲食店がある。
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↑馬の待機所
 スタンドの中は当然馬券を買うところなのだが、オーストラリアではブックメーカーが認められているので、最初どこで買うのか戸惑った。払い戻しの窓口も分からなかったのだが、これは発売と同じ窓口であった。2レースから7レースまでEACH WAYという単複馬券を$1ずつ買ったのだが、当たったのは最後の7レース、CHOP CHOPという馬で複勝を取っただけであった。配当には5と書いているのに払い戻されたのは$2であった。表示されていたのは払い戻しではなく最終オッズで、しかもそれは最大倍率ではないだろうか。
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↑ゴール前
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↑スタンド内
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↑WEIGHT点灯で「確定」
 コースは右回りで、雰囲気的に阪神競馬場に似ている。日本のように混雑しておらず、たぶん日本の地方競馬よりも観客が多く雰囲気も明るい。のんびり観戦できるのがいい。眠気がいっぺんに吹き飛んだ気がした。ないと思っていたファンファーレもあるし、発馬直後にベルが鳴る。感心したのはパドックがゴール過ぎのスタンドの前にあることで日本でも採用してもらいたい。
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↑スタンド前にあるパドック

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↑競馬場全景
 まさかここにはいないと思っていた日本人客が20人ほどいた。いずれもグループであったが、競馬だけを見に来たようには見えず、かといって観光客にも見えなかった。
 ここで買ったハンバーガーは大きくて旨かった。さすがオージービーフ。
 15時35分、メインレースを前にタクシーで宿泊先のPARADISE ISLAND RESORTに向かう。入場門のシャッターは閉められていた。

■ホテルに到着■
 15時43分、ホテルに到着。フロントで鍵の他、ゴールドコーストマラソンと書いた袋を渡された。どうやらM氏がゼッケンをもらってくれたらしかった。特に頼んだわけではなかったし、番号も教えなかったのに、どうやって調べたのだろう。いずれにせよ感謝の意を表すことにした。
 部屋はダブルベッドがひとつ。それにソファーと、ベランダには椅子がある。部屋の鍵をドアのところに差すと部屋の電気が使えるようになる。マヌケにもデジタル時計の電源も切れてしまうので、部屋に入ると常に「0:00」と表示される。その後、海外ではホテルの時計はないのが普通だということを知ることになる。冷蔵庫はあるが何も入っていない。瞬間湯沸かし器とカップ、グラスがそろっている。バスダブはもちろん洋式である。シャワーの湯がなかなかでなかった。どっちに回せば湯が出るのかわかりにくい。ヘヤドライヤーはあるが、外国ホテルの常として、歯ブラシや浴衣はない。全体として広々しているが、やや古さを感じる。
 まずしなければならないのは、自宅への連絡だ。しかしどの方法を使っても話中を伝えるばかり。いったいどうなっているのだ。
 さらにM氏の部屋番号が分かったものの、電話してみると、誰もでなかった。
 洗濯をしてから、17時00分ホテルを出る。17時40分オーキッドアベニューにある「網元」という日本料理屋に入る。店はカウンターのみの簡素なもの。客はいなかった。牛肉のしょうが焼き定食$13。日本食にしたのはレースの前は無難な食べ慣れているのにしようという意図である。
 コンビニで買い物をしてからホテルに戻る。
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↑コンビニ日本屋
 自宅への電話がやっと通じた。どうやら電話機の故障でどこからも話中になっていたらしい。
 風呂に水を入れていると、M氏がわざわざ部屋に訪ねに来てくれた。「レース前に競馬とは余裕ですね」とか言われた。
 21時10分簡単なストレッチをやってから、就寝。レース前の緊張感はない。そのかわりいいタイムは出そうもない。事故がなければよしとしよう。

最初一つ前一つ後最後

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マリーンズ首位で突入、2012交流戦 [野球]

 2012年千葉ロッテマリーンズは20勝12敗2分で交流戦に突入することになりました。パリーグはマリーンズ、ホークス、ファイターズが凌ぎを削っていますが、マリーンズはファイターズに弱く、ファイターズはホークスに弱い、しかしホークスはマリーンズに弱いという、三すくみというか、ジャンケンポンのような関係にあってなかなか抜け出せないでいます。
 交流戦はこの状態から脱するチャンスです。つまりお互いの対戦がないので、連勝を続ければ、一気にゲーム差が広がります。過去、そのようなパリーグのチームは優勝しています。
 さて、マリーンズ。先発投手陣はグライシンガー、俊介、成瀬、唐川、藤岡の順で回すようです。体力不足か疲れか投球内容が劣化している藤岡は、交流戦中にローテから落ちる可能性を頭に入れておく必要があります。そうなると中継ぎに置いている小野を先発にし、内をリリーフに昇格させるかもしれません。中後、益田の新人がリリーフ陣を支えていて、彼らの貢献なくして、この首位はなかったと思われます。しかしあまりに使いすぎです。首脳陣としてはそれを見越して、今のうちに使い、夏場には伊藤やロサの復活を期待しているのかもしれません。
 打撃陣は今江が上向きであり、何といっても角中が好調です。外野はサブロー、岡田、角中で固まり、伊志嶺は守備要員に落ちてしまいました。マリーンズの欠陥は本塁打を期待できる選手がいないことで、唯一それができたホワイトセルが2軍に落ちている状態。しかし本塁打を1本打つよりも二塁打を2本打つ方が全体として得点力が上がるはず。マリーンズはバレンタイン監督以来そのような指向をしていていました。場合によっては大松はベンチに下げ、確実性のある福浦を一塁に起用した方がいいかもしれません。もうひとつのネックは遊撃の根元の低い打力と不安定な守備です。全体のバランスを見た場合、彼しか任せられないので仕方がないですけど、接戦でのエラーは致命傷となるだけに恐いです。

 何はともあれ、まずは名古屋でドラゴンズ。吉見、浅尾がいないだけに、苦手のナゴヤドームとはいえ、連敗はしないだろうと思います。
 前述しましたが、これまで交流戦の優勝がリーグ優勝にほぼ直結しているので、マリーンズの頑張りに期待したいと思います。もっとも2006年のマリーンズは交流戦優勝しながら4位でしたが・・・。
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