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台湾旅行記2014 [旅行]

 今回の行き先は台湾である。2002年以来12年ぶりとなる。当初は5月の大型連休に行くつもりだったが、ピーチ航空でも往復7万6千円とあまりに高かったので断念。ちょうど4月中に運転免許の更新をする必要があったので、その日を有給休暇にして、午前中に更新手続きをし、午後から出発することにした。金土日の2泊3日とはいえ、初日は台北の夜を楽しむだけで実質1泊という感じ。台北観光は前回行ったから省略し、2日目は烏来温泉と九フン、3日目に台中にある新幹線の見えるレストランに行くことにした。
4月18日(金) 晴
 14時半頃、関西空港に到着。格安航空専用ターミナル2行のバスに乗る。26人の客。
 ターミナル2は1年ぶりだ。今回の台湾行きはピーチ航空だ。預け入れ荷物がないので、自動チェックイン機に航空券控えのバーコードとパスポートを読み込んで、チェックイン完了。
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↑ターミナル2入り口
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↑ピーチ航空チェックイン機
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↑ターミナルビル内
 15時15分保安検査。列がなかなか進まなかった。ピーチ航空は機内サービスが有料なので、売店で紅茶と菓子を買ってベンチで食べる。乗客は日本人より台湾人が多いようだ。
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↑搭乗待合室。必要最小限しかない。
 15時45分にゲートへ。格安航空専用ターミナルなので、安普請で非常に殺風景だ。ピーチ航空MM0027便はほぼ満席である。
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↑ゲートに向かう。といっても外に出るだけ
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↑外に出ると飛行機が待っている
 カガミ機長の操縦するA300-200機は16時20分にA滑走路を北向きに離陸した。
 入国カードを書くと、昨夜は睡眠不足だったので、睡魔に襲われた。
 18時20分にようやく目を覚ました。時計を台湾時間にする。1時間遅らせる。台湾では上空からの撮影は禁止されているとのアナウンス。
 台北桃園国際空港に着陸。天気は曇り。空港は混雑していて18時14分にようやく接岸した。
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↑台北桃園国際空港ターミナルビル
 入国審査が混んでいた。両替を済ませ、19時5分にようやく税関を突破した。
 台北市内へ向かうリムジンバスのうち、長栄巴士は19時40分発とある。他にもバスが出ているが、予約しているホテルの最寄りの停留所があるのはこのバスだ。運賃は150元でチケットブースで買う。5202系統は150元だが5201は95元だ。その違いはわからない。
 腹が減ったので、コンビニエンスストアーで食べ物を物色する。おにぎりなんかもある。日本でおなじみの「パイの実」とか「トッポ」「ポッキー」もパッケージも日本語のままで陳列されている。白人が突然「ダイジョウブ」いうので振り返ると「大丈夫」と書いた栄養ドリンクがあった。腹持ちの良さそうな「登山・旅遊・露営」「黒麦日糧」とあるビスケットを買った。
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↑日本でよく見かけるお菓子がある
 今まで空調が効いていてセーター1枚では寒かったが、バスに乗るため外に出ると、セーターを脱ぎたくなる暑さだった。気温は25℃。
 バスは19時45分、5分遅れで発車した。乗客は20人ほどで日本人はいないみたいだ。
 20時45分、MRT忠孝復興站に到着した。このあたりは繁華街で夜遊びの人で賑わっている。ホテルはいささかいかがわしい店も入る雑居ビルの13階にある。少し歩いて楽天トラベルで予約した「友統ホテル」に着いた。チェクインは問題なく、クレジットカードで前払い。フロントから左に2回曲がったところにある部屋をあてがわれた。
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↑忠孝復興站付近
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↑友統ホテルは雑居ビルの中
 とりあえず、夕食をするため外出。食べるところには困らない。日本語の看板も散見する。日本人観光客向けというよりも、台湾人にとって日本文化は付加価値を持つのだろう。
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↑台湾のPCの画面はこうなっているらしい
 さんざん歩き回った。店の名前は忘れたが、店員は「伍染玖ゆうにくそば」と書いたシャツを着ていた。おそらくユニークソバの間違いだろう。店員は日本人だと知ると日本語のメニューを持ってきた。「紅焼半筋半牛肉麺」「猪肉湯餃」にした。注文書にチェックして渡す。かなりの量でしかも熱い。ラーメン2杯食べた気分であった。「猪肉湯餃」はいわゆる水餃子である。240元。
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↑伍染玖ゆうにくそば
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↑紅焼半筋半牛肉麺
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↑猪肉湯餃
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↑台湾の注文票
 コンビニエンスストアーで晩酌用の買い物。日本のスーパードライや一番搾り、また地元台湾のビールがあるが、私は何故か台湾製造と書かれた青島ビールにした。あてはポテトチップスにし、体調を整えるためヨーグルトを買った。
 ホテルの部屋はダブルベッドが一つ。窓には光を通さぬブラインドが降りている。椅子と小さなテーブルはあるが、机はない。つまりビジネス用というよりもラブホテルという仕様である。バスタブは異様に長く、アメニティのクオリティは高い。バスタブの水があふれると、隣のトイレの床が水浸しになってしまう。この不完全な防水は海外では珍しくない。トイレを仕切るカーテンはイルカのイラストが描かれていて、これはちょっと可愛かった。
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↑ホテルの部屋
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↑バス
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↑カーテン
 有線LANのジャックがある。今回の旅行のために有線LANから無線LANに変換するアダプタを持ってきた。しかしそのアダプタからの電波は拾うのだが、ネットにはつながらない。どうやら有線LANがつながっていないらしかった。
 スマホのWifi認識リストをみてみると、YougtongHotelというのがあった。パスワードを要求された。電話番号を入れてみると繋がった。これでネット環境は整った。
 晩酌しながらネットで情報を集める。テレビは見なかった。もうテレビよりもインターネットなのである。隣の部屋から音はするが気になるほどではない。
 日付が変わり床についた。

 4月19日(土) 曇
 7時起床。窓を開けると殺風景なビル街が見えた。
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↑ホテルの窓の外
 朝食はフロント横に並べられた料理をトレイに取って部屋で食べる方式だ。トースターの性能が悪くなかなか焼けない。中には上手にサンドイッチを作る人もいた。
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↑朝食一例
 8時20分外出。ホテルは地下鉄忠孝敦化駅の近くにある。この足の便利がよく、安かったというのがこのホテルを選んだ理由である。
 地下への階段を下りると、地下街がある。まだ閉店している。通路の中央にあるベンチには何人か座っていた。
 まずはEASYCARDを入手する。これは関西でいうイコカのような交通系プリペイドカードで、地下鉄はもちろん市内バス、コンビニエンスストアーの支払いに使える。カードは自販機で買える。まずは100元でカードを買い、500元チャージする。
 駅とか公共施設では、「TPE-free」という公衆無線LANが利用できる。予め日本出発前にIDを取得していた。難なく繋ぐことができた。持っているスマホは海外の電波を拾わないので、Wifiが頼りなのである。
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↑台湾地下鉄の駅風景。ホームの天井が高いのと自動券売機が無骨な以外日本とあまり変わらない。
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 地下鉄を2回乗り換えて、9時15分、淡水線の終点新店駅に着いた。高速道路のガードがそのまま併設されたバスターミナルの屋根となっている。
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↑新店駅。上は高速道路?

 今日は烏来温泉を目指すことにする。ここからバスで約30分。駅の案内図に書いてあったバス停で待つ。タクシーの運転手が客引きをしている。15分ほど待って最初に来たバス849系統は満員だった。これには乗らなかった。手持ちのイージーカードが使えるかどうか、また前乗りか後乗りかわからず迷ったのが理由だ。
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↑バス停
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↑タクシーが群がっている
 9時40分、その後それほど待たずに烏来行が現れた。満員だったが何とか乗れた。どうやら運賃は後払いらしかった。運転席の上に「下車収費」との表示がある。前から乗り込みそのまま運転手の後ろに立った。運転手は後から乗ってきた顔なじみの客と話をしている。その客は乗ってしばらくしてからカードセンサにタッチしている。その辺は柔軟に対応しているようだ。バスは山道を進む。とにかく揺れるのでメモを書くためのペンもままならない。数人に客は途中で乗り降りしていたものの、ほとんどの客は台北市内から烏来温泉までの直行だった。運賃は15元。10時10分に着いた。
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↑バス運行図
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↑下車収費
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↑烏来温泉に到着
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↑これが露天風呂
 土産物店を抜ける。子豚の丸焼きなどを置いている。日本でもよくあることだが、同じようなものを供給していても特定の店に行列ができている。
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↑子豚の丸焼きが鎮座
 烏来といえば温泉の他にトロッコ列車も有名だ。鉄道ファンの私としては見逃せない乗り物だ。片道50元の運賃を払う。乗車券はクレジットカードの使用控えのようである
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↑出札口
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↑これがきっぷ

 私の直後には日本人男性のグループがいた。彼らと青いトロッコ列車に乗り込むことになる。トロッコの原動力は小型ガソリンエンジンらしく、高音のパタパタした音が響く。人が歩いている道の間近をトロッコは通り抜けていく。これはおもしろい。滝が見えたと思ったら、そこは終点であった。終端はループ線になっていて、右に急カーブでトンネルを抜ける。
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↑終点
 このあたりはかつてタイアル族が住んでいて、そのような格好をした人が土産物店にいる。
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↑タイアル族
 落差のある滝を眺め、その上空をロープウエイが通過する。選挙の候補者のポスターが貼っている。台湾の選挙ポスターは至る所にあって、しかもサイズがでかい。
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↑滝の上をロープウェイがある
 とりあえずこのロープウェイに乗ってみることにした。頂上の入園料込みで240元は、さっきのトロッコの50元に比べると高い。
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↑ロープウェイ山下駅
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↑出札口
 ロープウェイから眺める滝は距離がありすぎて大迫力とはいかなかった。
 頂上駅にはかつて日本でよく見かけたからくり人形のおみくじがあった。
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↑土産物店
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↑おみくじの自動販売機
 階段をやたら登って「雲仙楽園」に着いた。小さな池にはボートが浮かび、何故こんなところにあるのかわからない大きな船がオブジェのように陸に上がっている。道も池の中を飛び石づたいに歩かねばならないところもある。
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↑何故船がある
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 最終的には遊園地に着いた。遊園地といっても子供向けのゴーカートや弓矢や射撃があるだけだ。タイアル族の舞踊はすでに終わっていて、次の演舞は14時半となっている。今日はこのあと九分に行くつもりなのでそこまで待てない。よって下山することにする。
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↑遊園地にある的屋
 まあロープウェイ以外に価値のない雲仙楽園であった。11時42分、帰りのロープウェイに乗る。
 帰りのトロッコは前に女性日本人観光客が座っていた。トロッコがこんなにおもしろいとはと感動していた。
 せっかくだから温泉に入ろうと思う。一部の旅館は日帰り温泉もやっている。日本であらかじめ調べておいた「由布苑」という店に行くことにした。店の前には客引きがたむろしててあまりいい雰囲気でない。料金を書いた看板を眺めていると、店員に英語で話しかけられた。もとよりこの店に入るつもりだった。しかし余裕を失くしたのは確かだ。
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↑温泉街
 ここの日帰り温泉は貸し切り風呂になっている。浴室の奥に脱衣場があり、タイル張りの浴槽に湯がたまるのを待って服を脱ぐ。テレビもある。湯はかなりの勢いだ。オッさんに英語で説明を受けて、400元を払う。おやっ。看板には300元と書いてあったと思うけどな。そう思いながらも、その時は反論する自信がなかったので、そのまま支払った。
 湯そのものは無臭で癖がなく、本当に温泉なのかなと疑ってしまいそうだ。窓からは河原が見える。
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 風呂から上がると、茶菓子が出る。
 料金の件が不満なので、何もいわずに去った。今にして思えば料金の看板を撮影しておけば決定的な証拠になったのにと悔やまれる。あとでネットで看板の写真を見つけた。湯屋は300元。檜木が400元とある。
 この件に関しては帰国後新北市の観光課にメールで問い合わせた。向こうからは中国語、こちらからは英語でやりとりし、「300元は複数人で入った時の1人当たりの料金。本来は安全のために1人1室の入浴は認めていないが、わざわざ日本からのお越しということで、100元増しでこれを認めた」という弁明が返答されていた。
 時間があるのでタイアル族の資料館に入る。
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↑買っている人はいなかった
 風呂にも入ったことだし、食事にしよう。でも入りたくなるような店がない。私は中国語は文字が読めても発音ができない。従ってメニューで指さし注文できないと意思が伝わらない。確かに大衆食堂は安いのだが、相席になるし入りづらいのだ。仕方ないので屋台でソーセージを買った。
 ソーセージを食べていると、猫が2匹寄ってきた。食いこぼしを狙っているのだろうか。
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↑ソーセージ
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↑二匹の猫
 ファミリーマートがあったので入ってみる。ラインのスタンプやワンピースの単行本を置いていた。
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↑LINEではおなじみのキャラ
 13時20分バス停に到着。帰りのバスは混雑していた。15分に1本ぐらいでやってくるのだが、積み残しの客が20名ほどいる。一部に割り込みの客が見られるもののの、誘導員にたしらめられていた。台湾人は大陸中国人と異なりマナーがいい。地下鉄の博愛座、日本でいう優先席には決して健常者は座らない。これは日本でも見られない特徴だ。
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↑バス待ちの人々
 13時45分発のバスに乗る。帰りも座れなかった。ぼんやり景色を眺めていると、すでに新店駅に着いていた。
 ここで昼食となる。中華料理に飽きていたので、ケンタッキーフライドチキンで食べる。中国人の嗜好に合わせているのかポテトは辛くてあまりおいしくなかった。
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↑台湾のケンタッキー
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↑地下鉄に乗る
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↑九フンへの行き方


 地下鉄で台北駅に着いた。ここから鉄道で九フンに向かう。九イ分(きゅうふん)は台湾の「非情城市」という映画や、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のモデルとなったといわれる古い街並みが売り物で、近年人気が高まっている。筆者の場合、家のカレンダーの写真に使われていて、それを見て行きたくなったのだ。
 しかし、窓口には「自強号はすべて満席」との趣旨の張り紙が貼ってあった。それが九分の最寄り駅瑞芳方面も該当するのかどうかはわからないが、とにかく鉄道はだめなようだ。
 ここから地下鉄で3駅の忠孝復興駅の近くから九分への直通バスが出ている。時間的にはそちらが速いらしい。そこに向き合うことにした。
 高架鉄道に並行した道路のTASTYという西堤牛排の店の前にバス停がある。ちょうど「台北九分金瓜石」と電光掲示のあげたバスが出ていったところであった。場所は間違いない。バス停には日本人10数名を含む客が待っていた。タクシーの客引きが「キュウフン?」を勧誘する。4人ぐらいで乗れば、バスと大して変わらないとパウチをもって説明する。何人かそれに乗っていったようだ。それにしても九分はここまで人気があるのか。
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↑TASTY
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↑ここでもバスを待つ行列
 15時45分にやってきたバスに乗る。このバスは一部高速道路を通るので、定員乗車となるため、運転手から整理券を渡される。運賃は後払いと表示されている。
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↑整理券
 約1時間後、交差点の信号待ちで運転手がいきなり降りた。どうやら近くの陽光加油というガソリンスタンドでトイレをしていたようだ。
 バスは郊外に向かって進んでいく。16時半頃、自強号を思われる列車がバスを追い抜いていった。しばらくすると「十分瀑布」と書いた交差点を通過した。十分瀑布とは気になる名前だが、今回は無視だ。もし存在を知っていて、九分に行ったことがあれば、行っていたかもしれない。
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↑十分瀑布の看板
 17時、バスから客がぞろぞろ降り始めた。ここが九分かどうかわからなかったが、大きくはずれているとは思えなかったのでそこで降りた。果たしてそこは目的地の「九フン老街」であった。バス停は高台にある。海が見えて、天気がいいとさぞ景色が良かろうと思うが、あいにくの曇り空であった
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↑人が多い

 セブンイレブンの横の基山街を歩く。土産物店や食堂が並ぶ。中華料理特有の臭いがする。すでに観光客でごった返している。半分以上は台湾人だが、日本人もかなりいる。白人も10数人見かけた。
 まもなく眺めのいいポイントにでた。記念撮影する人も多い。しかし残念ながら柵に缶やパックが無造作に捨てられており、景観を大いに乱している。ゴミ箱の設置を要望したい。
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↑眺めはいいが曇っていて残念
 この先の階段を降りると「非情城市」の撮影地で全日空のカレンダーの写真で見た赤い提灯が連なった風景に出くわすのだが、もう歩き疲れていて、地図を見るという作業すら億劫になってしまっていた。階段は降りなかった。実はこのあたりにいいレストランがあるのに惜しいことをしてしまった。
 そこにレストランがあることも知らずに、基山街を戻る。大衆食堂はあるのだが、メニューがなさそうで入りにくい。屋台で買った焼いているのにひんやりとした食感の粉物を食べた。動画は撮っているのだが、商品名が分からない。
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↑まねきねこ
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↑ショッカーの紋章みたい
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↑路地裏
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↑日が暮れました
 バスを降りた場所に戻り、お土産として黄色の財布を買った。時間はまだある。猫専門のグッズの店に入ったが、手抜きのような代物ばかりだった。
 少し坂を登ったところにある台北方面へのバス乗り場はすでに長蛇の列ができあがっていた。ざっとみて30分は待つ必要がありそうだし、しかも座れるとは限らなかった。
 ここはタクシーで最寄り駅の瑞芳駅に向かうのがよさそうだ。19時、土産物店の前でタクシーを拾う。「瑞芳站」と書いたメモを渡す。タクシーにはメーターがなかった。運転手は日本語で「180元」と言った。あとでネットで調べたらそれは相場であった。15分程で瑞芳站に着いた。
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↑瑞芳駅
 あとは鉄道の確実で太い流れに身を任せるだけだ。時刻表も電光発着表示もある。迷うことはない。台湾では上り下りではなく「逆行(北上)」「順行(南下)」と表記される。ここから台北に向かうには順行に乗ることになる。最終便までまだまだ時間がある。駅前を散策することする。
 交通量が激しい割に信号のない道路を渡ると、正面に「美食街」という市場がある。いかにも中国の庶民向けの飲食店が並ぶ。触手が動くが、どうも観光客相手ではないらしい。「紅焼肉50元」「天婦羅30元」などと書いてある。他にもいろいろあるが、日本の漢字には存在しない文字を含むので書けない。
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↑ケーキ屋
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↑三洋電機健在
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↑家電屋
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↑弁当屋
 結局、入口近くで売っていた「胡椒餅」というのを買った。これは焼いて固い皮に胡椒を利かせた豚肉とネギを包んだもので、あと食べて「もっと買っておけばよかった」と思った。今回の台湾旅行で最も美味だった一品だ。
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↑胡椒餅
 切符は窓口で「台北 最速列車 1丁」とメモを書いて見せて入手。
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↑乗車券特急券
 20時02分発の自強号に乗る。自強とはいわゆる特急である。指定されたのは最後尾9号車19番通路寄り。窓側の客は現れなかった。車両の内装はほぼ日本の国鉄特急485系を踏襲し、ほとんどそっくりといっていいものだった。まるで日本に居るかのようであった。車両番号も「450R3013」とある。番号も似ている。
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↑国鉄の特急車とよく似た車内
 20時38分台北駅に着いた。台北駅は地上に難波にあった新歌舞伎座のような立派な建物があるが、ホームは地下にある。
 台北駅の地下街を歩く。日本の地下街と似てオシャレな雰囲気だ。中には吉野家など日本でおなじみの飲食店もある。しかしテナント料が高額なのか、市内の3倍ほどの値段設定となっている。それでも客がそこそこ入っている。赤羽○亭という店で「鯛魚羊肉」というのを食べる。鯛は和食では重用されるが、中華料理では「ウンコを食べる魚」として価値が低い。ここ台湾で鯛とはどういうこと?食べてみると鯛というよりもマグロに近い味だった。もしかすると和食をアレンジしたのかもしれない。
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↑日本テイストが漂う台北駅
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↑鯛魚羊肉
 コンビニエンスストアーに寄った。ビールは台湾麦酒の値段の高いのを選び、つまみはグリコのクラッツのアメリカ産版を買った。日本でおなじみの「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」はそれぞれ「名探偵河南」「蝋筆小新」と称せられる。台湾は日本文化の受容度という点では世界一だろう。他にサプリメントの名前で面白かったのは、「祖断機」「燃焼機」「排空機」とある。22時にホテルに戻る。
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↑台湾麦酒
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↑台湾のサプリメント
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↑「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」
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↑漢字の国なのでなんとなく意味がわかってしまう
 台湾のテレビ放送を見る。チャンネル数は30はあったと思う。何故か日本ハム対楽天の試合が放映されていた。ただしNHKはなかった。


 4月20日(土) 曇
 7時半起床。メモに「朝食クレーム」とあるが、何なのか思い出せない。どうでもいいことなのだろう。
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↑朝食はこんな感じで並んでいる
 8時45分にチェックアウト。今日は台中市の南の彰化縣にある「銀河の鐵道」という新幹線の見えるレストランに行くことにする。バッグを転がして地下鉄に乗って台鉄台北駅へ。
 台湾の新幹線に乗るのは初めてだ。新幹線は高速鉄道、略して高鉄と表記されている。日本と違って在来線とは運営会社は別になっており、乗車券もそれぞれ別に買わねばならない。
 切符は自動券売機で購入できる。クレジットカードに対応しているし、日本語はないものの英語表示が可能である。日本の普通車に相当するスタンダードが765ドル、グリーン車に相当するビジネスが1095ドルとなっている。また普通車には自由席もある。少しだけ迷って、ビジネスに乗ることにした。
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↑高鉄乗車券
 台北駅の地下駅は2面のプラットホームがあり、高鉄と在来線にそれぞれ別れている。車両は東海道新幹線の700系そのものである。それもそのはず。高鉄は軌道も車両もフランスやドイツの技術を導入する予定であったが、欧州流のインフラができあがったところで、ドイツの高速列車ICEが大事故を起こし、台湾大地震もあって、地震国日本の新幹線に白羽の矢が立ち、日本製車両の導入することに方向転換された。一部に欧州規格が残り、日欧折衷のシステムとなっている。それを最も感じるのは自動改札機でイギリスの地下鉄のそれと同じ、切符を入れて、手に取ってから、扉が開くタイプである。必ず裏向きに入れなければいけないので不便である。
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↑高鉄改札口切符を抜いてから開くのが日本と違う
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↑ほとんど700系
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↑スタンダード
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↑ビジネス
 ビジネスクラスの車内は2列+2列でグリーン車そのものであった。6号車13A。窓側である。ちなみに中国では窓側は「窓邊」、通路側は「走道」という。
 9時36分定刻に左営行が発車した。需要のある高雄まではまだ開通していないのだ。東京と大宮のような関係だろうか。何度も書くが新幹線と全く同じである。平野部を走るのでトンネルはない。並行する高速道路の橋脚が日本のそれに比べて華奢な気がする。

 コーヒーと菓子のサービスがある。ミネラルウォーターもある。新聞のサービスも車内販売もある。コーヒーと菓子のサービスはかつて日本の新幹線もやっていたが、途中の乗降客の多い日本ではまもなく廃れた。今東北新幹線のグランクラスでは飛行機の機内食に対抗して簡単な弁当を出しているが、結局は廃止されるだろう。何度も利用する人にとってはサービスにならず煩わしい客もいることだろう。
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↑水とコーヒーと菓子付き
 隣の客は新竹駅で降りた。ゴミの回収に来た。気になったのは各駅の停車時間が長いことだ。これでは高速性が損なわれるだろう。
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↑沿線
 10時38分、真新しい高鉄台中着。ここで降りる。本当に日本の新幹線そのものである。構内にはモスバーガーやロイヤルホストといった日本のブランドが入居している。台湾には駅弁があると聞いていたが本当にあった。
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↑高鉄台中着
 高鉄台中駅は在来線の新烏日駅と併設されている。経営母体が違うから駅名も違う。ここから在来線に乗って彰化駅まで乗ることにする。切符は自動券売機で買い、運賃は15元。日本円で約50円。自動改札機は見覚えがあると思ったら、大阪地下鉄で使っていた中古だ。
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↑紙で作ったオブジェ
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↑高鉄公式グッズ売店
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↑なぜかマジンガーZもどきが
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↑自動券売機
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↑ローカル乗車券
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↑大阪地下鉄と同じ改札機
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↑普通列車で彰化へ
 台湾鐵道では普通列車は区間車という。11時15分発に乗り、彰化駅に着いた。さきほどの高鉄台中駅と異なり旧態依然としている。駅前では献血をやっている。
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↑彰化駅
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↑台湾の献血
 タクシーに乗る。台湾では台北市以外ではタクシーにメーターは付いていないと聞いていたが、このタクシーにはあった。運転手は「銀河の鐵道」の場所を知らなかった。公式ページの地図を見せて納得。
 トヨタウイッシュのタクシーは高速道路に入った。はて、そんなに遠かったのだろうか。おかしいな。と思いつつも、理由がよく分からなかった。分かったのは帰国後地図を見てからであった。高速道路を降りて、紫色の看板が見えた。目的地は近い。タクシーはそれを500mほど行きすぎてしまい、別の新幹線眺望レストランと思われるところに停まっているクルマの運転手に道を聞いて戻ってきた。銀河の鐵道は人気があるのか第2駐車場まである。着いたのは12時ちょうど。日曜日なのにそれほど混雑していない。夕方からの方が人気があるのだろうか。それでも階上のガラス張りの席を含めて15人ほどの客がいる。テラスに出ているのは10人ぐらいだ。ひとりで来ているのは私だけで、しかも日本人は他に居ないようだ。
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↑「銀河の鉄道」レストラン
 展望台ではなくレストランであるからには料理を注文しなければならない。銀河什錦鍋羊を頼んだ250元。どちらかというと洒落た雰囲気なのにしかもテラスで鍋料理というのは違和感があるが、別のグループもそうしていた。実際、その方が中華料理らしいじゃないか。ということで納得した。ひとりで鍋というのも変だったが、まあ美味しかったのでヨシとする。
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↑テラスからはこう見える
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↑下は庭園になっている
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↑鍋の具材
 新幹線は4回ほど通過した。そのうち一回は標準塗装と異なったラッピング塗装であった。それを動画撮影できたのは幸運だった。

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↑さらば「銀河の鉄道」
 もっとここに居たい気分だが、今日は帰国日。飛行機に乗り遅れたら大変だ。撤退することにする。
 タクシーはもちろん帰ってしまった。バスもない。したがってタクシーを呼ぶしかない。中国語はできないし、日本語は通じないが、英語は通じる。タクシーを呼んでもらった。「BLACK1567」というメモを渡された。黒いクルマでナンバーが1567という意味だろう。10分ほどでやってくるという。名残惜しいが仕方がない。階段を降りた道路で待っていると13時頃、タクシーがやってきた。タクシーといってもメーターもない普通のクルマだ。いわゆる白タクではないか。まずは料金を確認した。中国語で「ドゥシャオチェン(いくらですか?)」。運転手はスマホで料金を確認。往路のメーターと同じ300元であった。日本円だと1000円か。
 車内のBGMはチャイコフスキーのピアノ協奏曲。運転手は普通のオッさんだが渋い選曲だ。タクシーは来た道を進む。ところが10分後途中高速道路を降りた。遠回りをする気か、と思ったら、給油であった。
 13時35分には彰化駅に着いた。運転手は日本語で「スイマセン」と言っていた。
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↑チャータータクシー
 ところであとで調べてみると「銀河の鐵道」の最寄り駅は員林駅であった。「銀河の鐵道」の住所が彰化県と書いてあったので、彰化駅が最寄り駅だと思い込んでいたのだ。しかもわざわざ乗り換えた彰化駅が高鉄台中駅からタクシーに乗るよりも遠回りになることがわかった。これが分かったのは帰国一週間後だった。しかしながら損害はせいぜい500円程度。授業料とすれば割り切れる。
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↑これは在来線の高速車
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↑これはガンダム
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↑台湾の雑誌
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↑日本の作家の本
 13時45分発の区間車に乗り、高鉄台中駅に戻った。帰りの新幹線は普通車の指定席にした。3B席で3列席の真ん中であったが、両脇の客は現れなかった。桃園駅に着いたのは15時14分。桃園駅は新しいが閑散としている。15時35分、リムジンバスに乗って空港に向かう。客は7人だった。緑色のバスは燃料切れの寸前のような音を鳴らして進む。
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↑リムジンバス
 15時50分空港着。着いたのは目的地のターミナル1ではなくターミナル2だった。リムジンバスには電光表示板がないため分からなかった。外国客は想定していないのだろう。モノレールでターミナル1に移動。これは前回の訪台時にはなかったものだ。
 16時50分、ピーチ航空のカウンターに到着。長蛇の列だが10分でチェックインでできた。
IMG_0418.jpg↑ピーチ航空チェックインカウンター
 姉に免税のたばこと化粧水を頼まれていたので奔走する。私はその手のものの知識がないので、苦手である。期待に応えたかったが、品物を発見できず、諦めた。姉の感覚では、日本出発前の免税店で買ってこいということだが、筆者の旅行スタイルは、彼女がよくするようなスーツケースで送迎付きのパック旅行と違い、荷物になる物は可能な限り避ける必要がある。
 17時45分、プラオリティカードを持っているのでラウンジで休憩。最近、プラオリティカードの使えるラウンジはビジネスクラスの客と顔を合わさないように、使えるところが限られ、内容はB級化している。ここもそのご多分に漏れない。趣味の悪いキンキラキンの椅子は座り心地が悪い。アルコールの提供もなく、食事も質が低い。客層も自分も含めて低いようだ。ただ、台式滷肉飯Taiwanese Braised Pork Riceは美味しかった。ラウンジの利用は僅か10分だったが、お陰で腹ごしらえができた。
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↑B級のラウンジ
 第3ゲートに着くと、18時30分出発のはずが、何とまだ飛行機が到着していない。桃園空港は混雑しているようだ。あまり遅れると最終電車に間に合わない恐れがある。親に遅れる旨を伝え、最悪の場合を想定してスマホで調べる。
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↑出発ゲート前
 ようやく19時10分に飛行機に乗り込めた。機体番号はJA802P機長はクスノキとアナウンス。窓際の席。台湾の夜景を下界に望む。しかしまもなく厚い雲に遮れた。
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↑飛行機に乗り込む
 機内ではポメラで旅行の記録。疲れたり、電子機器の使えない時は文庫本を読んだ。トイレには立たなかった。ピーチ航空はシートピッチが狭いので、通路側の人がでてくれないとトイレに立つことはできない。まあ2時間だし、機内の飲み物のサービスもないので辛抱できる。
 ここからは日本時間。22時40分に着陸した。23時6分にシャトルバスに乗った。客は4人だけ。
 空腹だったのでエアロプラザの松屋で牛丼。客は空港で働く人が多いようだ。
 関西空港23時32分発に乗って日根野乗り換えで帰宅。
 今回の台湾旅行は十分な準備をしていなかったことや、詐欺に遭ったり、タクシーで遠回りしたり、帰国便が遅れたりして、思い通りにいかなかった。旅行の出来は悪かったが、もう台湾がゴメンだというほどではない。また機会があれば行きたいと思う。

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