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2014年マリーンズ総括と来年の展望 [野球]

 前年は大した戦力でもないのに、3位に入り、楽天イーグルスとクライマックスシリーズを戦い、無敗街道を進む田中将大投手にはじき飛ばされてしまった伊東監督率いる千葉ロッテマリーンズ。
 この年の目玉は何といっても、西武ライオンズからFAで獲得した涌井投手だろう。マリーンズは高額年俸となるFA選手を獲得することなどほぼ皆無であったし、最多賞の実績もあるこの投手を獲得したのは、球団の本気を感じさせた。左エースの成瀬、右の実績一番手の唐川、それに涌井を先発三本柱にし、前年育成からブレイクした西野をクローザーに据え、リリーフ実績のある益田をセットアッパーに据えた投手陣。打撃陣は長打力こそ望めないものの、鈴木、荻野といった俊足好打の若手に、角中の広角打法、中堅の今江に、ベテランの井口と並んだ打線はそれなりに期待できるものであった。
 ただ里崎の後継となる捕手が育っていなかった。これについては捕手出身の伊東監督の育成手腕に期待された。
 さてシーズンが始まってみると、先発3本柱が思うように勝ち星が伸びなかった。涌井はそこそこ試合を作るのだが、序盤の失点を挽回できないことが多く、さっぱり貯金を作れない。最終成績は8勝12敗。成瀬は相変わらず被弾が多く、しかも途中で離脱してしまった。最終成績は9勝11敗。もっとも期待を裏切ったのは唐川である。さっぱり勝てない背信の投球の連続で、監督も懲罰的に中継ぎをやらせたりしたが、結局ファーム落ちした。初勝利は7月1日であり、4勝9敗が最終成績。つまるところ2014年マリーンズの敗因は期待はずれな先発投手陣に尽きた。
 崩壊した先発陣でひとり気を吐いたのは新人の石川でほぼローテーションを守り、10勝に到達して新人王を獲得した。リリーフは先発陣の不振で酷使された割にはよく頑張り、西野はクローザーとして日本代表に選ばれるまでに成長し、益田は前年並みの安定した実績を残した。これまで便利屋的に使われてきた大谷がセットアッパーとして信頼を勝ち取った。
 打撃陣は長打力がない分、つながりが重視されるわけだが、残塁がやたらと多い効率の悪い攻めが多かった。つまり低打率の選手が多かったのである。3割打者が複数いないと、こういう打線は機能しない。その典型的な例を見せつけられた。チーム打率のトップが鈴木の.287で、今江は.270だったし、井口はもはや年中行事となった春先だけ調子がよくあとは急降下で最終打率は.238であった。首位打者実績のある角中が.277。ただし出塁率は.385と一定の存在感は示した。
 長打力不足はわかっていたことだが、20本を越えたのは皆無だった。3割打者もおらずで、個人タイトルを獲得した選手もゼロだった。本塁打に関していえば、もともと風の影響の大きいマリンスタジアムを本拠地にしているとはいえ、何とかならないかと思ってしまう。まあこの選手成績では優勝に絡むのは無理というものであろう。
 そんななか頑張ったのは外国人選手である。クルーズはチーム本塁打王の16本。ハフマンが試合数こそ少ないものの打率.270。得点圏打率は3割を超えた。キューバから途中入団したデスパイネは45試合で12本塁打と実績通りの打棒を示した。彼ら外国人選手が残留できたことは、とにかく長打力不足に悩まされるマリーンズ打線にあって、心強いところである。とにかくマリーンズはオリオンズ時代から外国人選手が活躍しないとどうにもならないチームである。
 捕手については、前半は新人の吉田をはじめ、川本、江村、金沢といった選手を競わせる方針で進んだ。もう配球と守備で精一杯で打撃はほとんど1割台といった状態で、攻撃が分断された。いつの試合だったが忘れたが、弱打者に弱気の配球で四球を許し、その走者の盗塁を刺そうとして暴投。その後後逸して1点献上というシーンもあった。シーズン終盤になって高卒新人田村が頭角を現し、重点起用された。おそらく伊東監督としては彼を育ててみようということに決めたのだろう。
 2015年は成瀬がFAでスワローズに去り、2度の日本一に貢献した里崎捕手が引退した。外国人選手は残ったものの、長打力不足は否めないし、機動力はあるものの、怪我がちの選手が多い。戦力的には現状維持どころがマイナスで、未知の新人を戦力として当てにしなければならない。大型補強に成功したソフトバンクホークスやオリックスバファローズに対抗できるのか疑問だ。何しろ長いシーズンけが人もなしに乗り切ることなど不可能だからだ。選手層の厚いチームが優勝に近いのは自明の理だ。
 このようなB級といえる戦力で、2013年を3位、2014年を4位という中堅の数字で終えることができたのは、伊東監督の手腕といっていいのではないだろうか。
 マリーンズはオリオンズ時代から西暦が5で割り切れる年に強い。オリオンズが優勝したのは1950年、60年、70年。しかし1974年に優勝したために、法則が崩れ、2005年まで優勝できなかった。その後2010年に優勝はしなかったが、3位から日本シリーズに出場し、中日を倒して日本一となった。里崎氏が引退時、2015年は5年ごとに何かが起こるマリーンズのゴールデンイヤーと語ったが、ファンとしては奇跡を信じたいものである。選手全員の力を合わせてエネルギー充填率120%で戦えば、優勝はできないことはない。そのためには開幕ダッシュが重要となる。マリーンズが好成績をあげた年は、決まって開幕ダッシュが成功しているからである。
 開幕ダッシュに成功するには、シーズンオフをしっかり休み、充実したキャンプを送る必要がある。マリーンズの場合既存戦力が不足気味なので、新人にも頑張ってもらわないといけないが、このところマリーンズのスカウトの目利きぶりには驚異的なものがある。大いに当てにさせていただいて、2015年はゴールデンイヤーにしたいものである。

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