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ベトナム旅行記その1 [旅行]

 7時前に起きて、電車で関西空港に着いたのは8時50分だった。
 まずはベトナムで使用する携帯電話のレンタル。9時頃ベトナム航空のチェックインカウンターに並ぶ。尖閣問題で中国との関係が悪化したせいか、中国の観光客がベトナムに流れているのではと思うぐらいに長蛇の列。ほとんど団体ツアー客だ。
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 チェックインではアメリカン航空のマイルが貯まるか確認。この便はベトナム航空の機材で運航される日本航空とのコードシェア便。しかし日本航空はアメリカン航空の属するワンワールドに、ベトナム航空はデルタ航空の加盟するスカイチームに加盟しているからだ。どうやらどちらのマイルが貯まるようであった。
 事前に指定された席はリクライニングできず、しかも窓がないという。昼間なので座席を倒すことはないし、景色前の席の窓から何とか見えるだろう。ひとつ後ろは非常口があって広いのだが、英語かベトナム語ができないとダメだという。非常時に客室乗務員と意思疎通を図る必要があるからである。どちらもできない私は、不便な席を選択せざるを得なかった。9時20分に手続き完了。荷物は預けなかった。
 ベトナムではアメリカドルが広く利用できるという。使いやすくするために手持ちの20ドル札を1ドルに替えられないかと聞いたが、外貨同士の両替はできないので、1ドル20枚なら日本円から両替できるという。そうしてもらうことにした。
 手荷物検査、出国審査を終え、「ハノイ」「HANOI」「河内」と順次表示されている28番ゲートへやって来た。ベトナム航空便JL5125が待ってる。
 飛行機に乗り込むと、指定された14A席にはおばさんが座っていた。12Aの客だった。隣は少し海外旅行に馴れている夫婦。ガイドブックはJTB。ツアーの客ではないのか、「空港からタクシーに乗らんといかん」と言っていた。私もタクシーに乗ることになっている。発展途上国のタクシーはメータがなく、交渉性であったり、タクシーチケットを買ったりと面倒である。。今回の旅行の不安点でもある。
 機体はエアバスA321。座席は3+3配置。座席別のモニターはなく、天井に仕組まれた小型の液晶モニタが降りてくる。10時30定刻に出発し、南向きに離陸した。
 座席は確かにリクライニングのボタンがない。後ろは非常口で足元が広々している。窓は前の座席の分が辛うじて見える。やがて前の客が日除けを降ろしてしまったので、外の景色は見えなくなった。
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 飲み物は白ワインにし、機内食は和食を選んだ。つけ麺、赤魚の西京漬け、ウナギの蒲焼き、パンと大福餅。大福餅は持ち帰った。さすがベトナム航空とはいえ日本航空とのコードシェア便、日本食は豪華だ。あとでオレンジジュースを頼むと丁寧に日本語で「かしこまりました」と言われた。私は会社では戦力外的に扱われているので、そのように言われると偉くなったような気がして気分がいい。
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 やがて機内は消灯した。リクライニングしないので眠るのにも難儀。それほど眠くないのだが、食後はどうしても睡魔が招来する。仕方がないのでテーブルを出して、大学の講義で居眠りするように、俯せになって眠った。ベトナム時間11時30分のことであった。
 13時15分、飛行機は着陸態勢へ。ヘッドホンと機内食のメニューは回収された。日除けを開けると、外は雲の上だった。厚い雲を抜けると曇り空のハノイ、ノンバイ空港だった。
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 13時50分に機体は停止した。赤いアオザイを着た女性客室乗務員は日本人客との会話で「この会社は働きやすい」と言っていた。沖止めなのでタラップで降り、ランプウェイバスで移動。入国審査。2011年9月より入国カードは廃止されており、パスポートにスタンプを押してもらうだけだ。税関もあってないようなもの。外国人には寛大なのは世界共通である。
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 到着ロビーではまずベトナムの通貨ドンを入手しなければならない。レートは1円237ドンから243ドンまで差があり、一番よかったベトナム銀行で両替した。1万円を両替して243万ドン。明細書は発行されなかった。あちこち両替屋を見て回ったので時間を浪費した。
 次は問題のタクシーである。「地球の歩き方」にはタクシーチケットを購入するか、ドライバーと直接交渉するとある。タクシーチケットの購入はマレーシアのペナンで経験がある。窓口で行き先を告げるとチケットが発行され、それをドライバーに渡す。こうすることで明朗会計を実現しているわけだ。しかし到着ロビーを徘徊するタクシー運転手の声掛けにうんざりしながらチケット売り場を探すのだが見つからない。もう仕方がないのでタクシーに乗り込んだ。外にいる何か用紙を持った女の人に行き先を聞かれ、それを記入すると運転手に告げた。行き先はホライズンホテルである。
 運転手に運賃は?と英語で聞くと、20ドルと答えた。「地球の歩き方」には15ドルとある。値切ったり、ドンで払うとどうなるか聞こうと考えたが、そう思っただけで実行しなかった。500円くらい余分に払ってもいいかという気分になっていた。
 あとでわかったことだが、空港から市内までの相場は15ドルから20ドルで、最初の言い値は運転手の気分次第だという。空港で客待ちできるタクシー会社は数社に限られていて、それらにはタクシーメーターは付いていないか、あっても作動させていない。市内から空港へはメーター付きタクシーは乗り入れはできるのだが、途中の料金所での追加料金は乗客持ちであるなど、そこでの過払いなどトラブルが多いという。
 クルマはヒュンダイのミニバンで5速マニュアル車であった。クルマの運転は荒く、追い抜かせず追い抜きをする。

 沿道の右側にヤマハとパナソニックの工場が見えた。市内に近くなるとインドのコーチンを思わせるような発展途上国にありがちな街並みになった。ただバイクの数はすさまじい。台北のそれの倍はありそうだ、
 15時30分にホテルに到着。ベルボーイが荷物も持ってくれて、レセプションから離れた柱の近くに置いた。
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 ホライズンホテルはインドネシア系のホテルで格付けは5つ星とされている。今回は代理店を通じてバウチャーを購入してあった。ホテルで直接に予約すれば一泊200ドルだが、私が買ったバウチャーは9000円前後である。保証金代わりにクレジットカードの掲示が求められる。シースルーエレベータで12階に上がり、1204号室へ。格安の部屋なので窓もないのかと思ったが、意外に眺めもよく、いい部屋であった。キングサイズのダブルベッド。バスタブ付きでお湯もでる。インターネットのジャックはあるがケーブルはない。これは別料金らしい。キーはカードで、ベッドの横にあるプッシュボタンで全ての電源を切ることができる。時計がないのは海外では当たり前なので気にすることはなかった。
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 日暮れまではまだ時間がある。市内観光をすることにした。当初の計画では「ベトナム軍事歴史博物館」「文廟」「一柱寺」が候補だった。そのうちベトナム軍事歴史博物館の閉館時刻は16時30分ということもあり、最優先にすることにした。ホテルの窓から地図を見ながら位置を確認。周りはせいぜい5階建てくらいの建物しかなく、「PVI」と書かれた高い建物を目標に進むことにした。途中道に迷ったが、地図と方位磁石と道路標記で現在地が確認できた。ベトナム語がアルファベットに近いこともあり、道路標記はベトナム語のみである。グエンタイホック通りNguyen Thai Hoc St.を東に進む。ハノイ競技場の近くなのでスポーツ用品店が多い。バトミントン専門店がある。バトミントンといえばインドネシアが強豪だが、ベトナムもそれなりに盛んなのかもしれない。ホアンゼウ通りHoang Dieu St.を北上し、レーニン公園へ。
 それにしても交通量が多すぎる。歩道はあってもガタガタでバイクをずらりと停めているのでひどく歩きにくい。信号があって横断歩道もあるのに渡れないのはどうかしている。信号のない横断歩道を半分渡り、対向車の恐怖にさらされながら待ち、クルマが途切れたが素早く渡る。これしかないが、健常者だからできることで老人には無理だ。いずれは地下道、あるいは地下鉄が必要になると思う。レーニン像の前では若者がスケートボードを楽しんでいる。
 ベトナム軍事歴史博物館はレーニン公園の前にある。入場料は20000ドンで、カメラ持ち込み料も同額。鞄は受付で預けることになる。
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 展示物は実際にベトナム戦争で使われた飛行機、ヘリコプター、戦車が展示されそれが最大の売りで、遺留品もわかりやすく展示されている。しかしここに行けばベトナム戦争の全てがわかるという施設ではない。いくら私の英語力が乏しくともそれくらいはわかる。ベトナム戦争についてはホーチミン市にある同様の施設の方がいいのかもしれない。国旗掲揚党には赤字に金星のベトナム国旗が掲揚されている。これは旧ハノイ城の跡で、監視塔としてザーロン帝によって1805年から7年間かけて造られたという。
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 博物館を出て、文廟を目指す。文廟は1070年に孔子を祀るために建立された廟である。閉門時間が17時であと15分しかない。しかし至近にあるので大丈夫と思っていると、道路横断がままならず。ようやく門にたどり着いたが、入ってすぐに追い出された。その門は本当の入り口ではなかったようだが、どのみち17時を回っていた。低い塀から建物の写真を撮った。
 そこから一柱寺を目指す。しかし完全に道に迷い、とてもたどり着きそうになかった。私は諦めて夕食にした。旧市街のルビー・プラザの最上階17階にゴックマイNgoc Maiというバイキング方式のベトナム料理店があるという。そこを目指すことにした。タクシーを拾った。
 18時20分にルビープラザに到着。運賃は40000ドン。初乗りは8000ドン。タクシーメーターには下3桁が省略されているので、40と表示される。悪いタクシードライバーにかかると「40アメリカドルだ」とか「40万ドンだ」と主張する者もいるという。40000ドンは200円でしかないが、40万ドンだと2000円、40ドルとなると3200円。えらい違いである。
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 ゴックマイは確かに有名らしく何人かのベトナム人の家族連れが入店していく。しかし英語のできる店員に「すいません。お一人様はご遠慮願っています。一階下のレストランをご利用ください」といわれた。私は階段を下りた。そこは「灯(あかり)」という日本料理屋だった。日本料理というよりも焼き肉屋である。窓際のカウンターに落ち着きなく座っていると、電磁調理器を持った女の人が現れ、「アラカルトですか」と聞いたので「そうだ」というと、もう一階下のレストランに行ってくれと言われた。再び移動。
 その店も「あかり」であった。日本によくある居酒屋のように見える。「イラッサイマセ」浴衣を着たベトナム人に出迎えられる。がらがらの店内の奥に座った。内容はまさに日本の居酒屋でビール、枝豆、冷や奴、大根サラダ、焼き鳥、オージーステーキなどを食べた。店員が「ヒトチュ」などというのは微笑ましかった。
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 注文している時に携帯電話が鳴った。父からだった。
 しばらくすると予約していた客などが来て、賑やかになった。目の前に来たベトナム人の家族連れは刺身をわさびをつけて食べている。わさびは10年後には世界の調味料になるだろう。19時30分に出る。
 周辺を散策する。フランス統治時代の影響でベトナムはケーキの水準も高い。ちょうどクリスマス前で商機なので各店は工夫を凝らしている。「HANA-KOTOBUKI」というケーキ屋を発見した。
 交差点でクルマを眺める。クルマよりもバイクの数に圧倒される。

 停まっているタクシーを拾った。「ホライズンホテル」では理解してもらえず、ホテルの住所を書いたカードを見せると「オーケー」とクルマを走らせた。このタクシーは何故か初乗り運賃は9000ドンで、しかも遠回りしているように思えた。肝心の会社名は忘れたがメモには3418号車と書いてある。20時10分にホテルに戻る。
 テレビをチェックする。海外向けのNHKワールドとNHK総合が映る。地元のベトナムの局は当然、そして定番のBBC、CNN、ESPNはもちろん、韓国、台湾、中国、香港の局も映る。どこだかわからないがアラビア語の放送も映る。ロシア語とフランス語も映るのが、ベトナムの過去を考えさせられる。テレビ放送の動画を撮影したので、デジカメのメモリーカードは早くもパンクした。
 22時40分に寝る。しかし0時に目が覚める。自分の携帯電話のアラーム設定を間違えた。
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