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国政選挙改革案 [政治・経済]

 現状、衆議院は小選挙区比例代表並立制、参議院は全国比例区と地方小中選挙区を併存させる制度を取っている。衆議院の小選挙区は国勢調査結果を基に中立的な区割り委員会が選挙区ごとの有権者数を被選挙人で割った値の最高値と最低値の差、つまり一票の格差が2倍以下になるように、新たな区割りを勧告することになっているが、強制力がないので、事実上機能していない。現職の国会議員が不利なるようなことを国会で決定できるはずはないので、強制力がない時点でこの事態は容易に予想できよう。各都道府県に国会議員1人を割り振ってから、区割りを行うので、過疎県の島根と鳥取を合併して1区にできず、実際問題として、2倍以下にするのは不可能となっている。
 参議院は全国1区の100名定員の比例区を除くと、都道府県単位の地方区の定員は、おおざっぱなもので、定員5名の東京都、3名の大阪府、神奈川県など5府県、2名の北海道、福岡県など12道府県、その他の県は1名となって、それぞれ半年で改選されるから倍の定員となっている。東京都と鳥取県では実に6倍もの一票の格差となっていて、とうに最高裁で違憲判決が出ている。
 二院制が採用されている以上、同じ選挙制度が採用されるのは意味がない。考え方は二通りある。解散があってより国民の意見が反映される衆議院は、一票の格差を最小限にし、参議院はアメリカの上院のように、一票の格差を無視して、単純に各県1人にして、結果的に地方の意見を色濃く反映できるようにする方法。もうひとつは政権交代を容易にし、政局を安定させるために、衆議院に小選挙区を採用し、参議院に比例区を採用して、小党分裂気味にして、連立政権を余儀なくさせて、衆議院と政権の暴走を抑止するという方法だ。
 管理人は衆議院は小選挙区のみにして比例区を廃止し、参議院は比例区のみすることを提案したい。国会議員はそもそも地方地域の代表ではなく日本全国の代表であるから、全国区のみした方がいいと思う。憲法は内閣総理大臣は国会議員であることが求められるが、衆議院議員である必要はなく、参議院議員でも可能だ。むしろ総理大臣は解散時自らの選挙で相殺されて、政権に空白が生じる衆議院議員よりも参議院議員のほうが都合がいい。また全国区にすれば、一票の格差もなくなる。
 衆議院議員選挙に小選挙区のみを採用することは、少数意見を抑圧する恐れがある。共産党や社民党は1議席も獲得できないかもしれない。そこで復活当選制度を併用する。現状の復活当選は比例区に重複立候補し、当選1位の候補者に最も票数が迫った惜敗率の高い順に復活当選している。管理人の案は、衆議院の定員を仮に500人とし、300の小選挙区でまず300人の当選者を決める。残りの200人は惜敗率とその選挙区の投票率の積が大きい順に復活当選させる。これなら小党でも善戦次第では当選できる可能性がある。それに惜敗率が高くても投票率が低ければ落選するので、選挙運動に熱心になり、ひいては国民の国政に対する関心も高まる効果もある。一票の格差も自動的に解消する。今議論している一票の格差は、有権者数に対する被選挙人の割合である。しかし現実問題は都会の人は政治への関心が低いため選挙に行かないので、投票率が低く、高齢者の多い地方ではその逆となっている。棄権票は国民の権利の放棄であるから実際の一票格差は縮まっているはずだ。投票率を連動させることによって、より現実的な国民の公平な選挙を実現できるわけである。
 ただ選挙区内で同一政党が複数の当選者が得る可能性があるので、それを期待して候補者を擁立する可能性がある。こうなると小党の出る幕がない。そこで政党はひとつの選挙区に立候補できるのは一人に限定する条項も追加する必要がある。

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