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羽田空港のハブ化は日系航空限定で [政治・経済]

 2009年10月、前原国土交通大臣より、「羽田空港に4本目の滑走路が完成の暁には、国際線を大幅に増やして、ハブ空港化する」との趣旨のコメントが発せられた。24時間運用可能な大型空港が首都圏の至近にできるのだから、誰もがこれを利用したいだろう。しかし、早々と遠くて不便と言われながら首都圏の国際線を一手に引き受けている成田空港を有する千葉県と、羽田ハブ化により経営不振に拍車が掛かることが予想される関西国際空港を有する大阪府が遺憾の意を表明した。関西空港に関してはひとまず置くとして、羽田と成田は何らかの形で棲み分けをする必要がある。
 そこで管理人は、羽田空港の国際線は原則として全日空および日本航空のみ限定することを提案したい。理由を以下に述べる。

1.羽田空港をハブ化を推進するにしても、現在成田就航分を全て引き受けることができない。
2.羽田空港は狭隘な東京湾に位置するため、今以上の拡張は困難である。
3.羽田空港からは国内線が充実しているので、地方からのアクセスが楽になる。
4.日系航空会社を優遇することは国益にかなう。そもそもハブ化は乗り換えを便利にするだけでなく、自国の航空会社の利便性を高めることにある。

 それでは成田空港はどのように活用するのか。こちらには日系以外の航空会社が集まることになる。首都圏から遠いこの空港で利便性の高い羽田に勝てるのか。彼らの不満をどのように解消するか。それには成田空港からの国内便を原則開放することで対応したい。つまり国外から飛来した機体をそのまま日本のどこへでも路線設定してよいことにするのである。例えば、ロサンゼルスから成田に飛び、そのまま福岡や沖縄、札幌や広島といった地方都市に就航するのである。もちろん成田からの客を乗せていいし、ロサンゼルスからの客はそのまま乗せていい。外国人から見れば、自国の航空会社でそのまま日本の地方に行けるのは魅力だろう。また日本人にとっても、外国系航空会社のマイレージプログラムに参加している場合などは、日系航空会社よりも外国系を選択するので、日本人だから羽田空港を利用するとは限らない。今や国際線旅客の半数はマイレージプログラムを航空会社の選択の材料にしているのである。そうして国内線は日系と外国系の航空会社で競争が生じて、低迷する地方空港の活性化につながるであろう。もちろん撤退自由の競争だから、脱落する地方空港も現れるだろう。しかしそれはそれだけの需要がないということだから、維持するのは諦めて、空港の敷地を太陽光発電所なり風力発電所に変換することを考えるべきだろう。
 ところで日本航空は現在経営再建の途上にある。国費を投じて飽くまで日本のフラッグキャリアを維持するのか、アメリカン航空またはデルタ航空といったアメリカの航空会社の支援を受けるのか。はたまた全日空との政策合併という思い切った手を打つのか。近々のうちに政治的な判断が下されるだろう。しかしいずれにしても日本の航空会社の特に日本航空の魅力を高めないことには、経営再建は覚束ない。アメリカ系航空会社の支援を受けるにしても、日本航空が羽田にあるというのは、魅力があるはずである。

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