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普天間基地は北九州空港に移設せよ [政治・経済]

 沖縄の普天間基地移設問題が揺れている。ヘリ墜落事故をきっかけに、住宅地の真ん中にある同基地の移設問題が本格化し、橋本政権時代に次のような日米合意を得た。
1.基地機能の一部をグアムに移転する
2.普天間基地の代替地として同県名護市キャンプショワブ付近に新たな基地を建設する
3.その費用の一部は日本政府が負担する

 同基地を利用しているアメリカ海兵隊としては、空軍の管轄する嘉手納基地への統合は避けたいし、嘉手納基地周辺の住民に新たな騒音問題が発生する。しかし有事の際、台湾、中国を両睨みにできる沖縄の地理的優位さを考えると、基地は沖縄に留まるのが望ましい。現状定期便もなくパイロットの着陸訓練に用いている、宮古島の隣にある下地島空港を基地化するのも手だが、交通と兵站に難点がある。結局、沖縄本島の何処かに基地を移転するしかなく、新たな騒音問題を避けるには、海上に基地を新設する以外に方法はなく、キャンプショワプ近くの海上を埋め立てることになったのであろう。
 当初、在日アメリカ軍は嘉手納基地への統合を日本政府に打診したが、大規模な公共事業でゼネコンを儲けさせたい日本政府によって、基地新設の方向にが決まったとされるが証拠がない。しかし民主鳩山政権になった途端に、この移設問題を白紙化しようとしているのだから、前自民党政権と財界の間に何らかの合意があったと考えるのが自然だろう。
 それゆえ岡田外務大臣は嘉手納基地への統合するとの考えを表明している。ところが、嘉手納基地周辺の住民は新たな騒音の火種になると、この統合案にノーをつきつけている。
 もうどうしたらいいのかわからないという普天間基地の問題。これには沖縄の複雑な事情が絡んでいる。在日米軍人がたびたび犯罪を起こしながら日米地位協定で治外法権を有して、泣き寝入りを強いられている、沖縄県人にとってはアメリカ軍には撤退してもらいたい。しかし観光以外に大した産業のない沖縄県にとって、在日米軍は貴重な経済の担い手である。また広大な米軍基地の借地料で暮らしている人たちにとっても撤退は困るであろう。またアメリカ軍も沖縄の地理的重要性を認識しているし、日本政府の「思いやり予算」のお陰で駐留経費を安くあげられる沖縄からの撤退は考えていないだろう。
 日本政府としては最終的には名護市に移転するにしても、アメリカに沖縄の地理的重要性を売り込み、なるべく日本政府の駐留経費負担を減らしたいところだ。おそらく鳩山政権は、「日米は対等のパートナー」とアメリカに盲従しないと表明することにより、この問題に何らかの譲歩を引き出すつもりなのだろう。確かに自民党政権では見られなかった対応で今後とも注目される。
 ところでアメリカ海兵隊といえば山口県岩国にも基地がある。そしてその近くに北九州空港という海上空港がある。管理人はこの北九州空港を普天間に代わる基地に提供できないかという提案である。北九州空港は2006年3月に開港したものの、スターフライヤー他が数便飛ぶ程度で、当初の需要予測の20%しか達成していない。埋め立て地の一部に基地に提供できそうな用地がある。青森の三沢基地はアメリカ空軍が利用しているが、東京と大阪へ民間航空便がある。岩国基地も滑走路増設を機に官民共用が決まっている。したがって北九州空港が米軍と共用となっても特に問題はないだろう。なにより海上空港で基本的に騒音問題が発生しないのがいい。同様に利用率の低い佐賀空港に移転せよという有識者もいるようだが、こちらは海岸にある空港で問題がある。
 問題があるとすれば、現状、築城基地が管制している北九州空港及び山口宇部空港における民間離着陸便の管制業務をどのように折り合いをつけるかということだろう。さらに難しい問題は、基地は空港内に置くにしても、海兵隊の将兵の住居を福岡のどこに配置するかということ。該当する自治体の了解が必要であろう。
 しかし米軍のために国民の税金で新たに基地を造るよりは、稼働率の低い既存施設を有効利用する方が国民の理解を得られるのではないだろうか。

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