SSブログ

2011年を振り返って [政治・経済]

 2011年の1,2月は豪雪に苦しめられた。除雪費用が枯渇しかける自治体もあった。2月にニュージーランドのクライストチャーチで大地震。日本人留学生数人が犠牲になった。外国での出来事ということでどこか他人事。しかし3月11日午後2時45分宮城沖で発生した大地震は三陸地方に大津波が襲い、甚大な被害をもたらした。福島第一原子力発電所にも津波が襲い、非常用電源が失われたことで、原子炉がメルトダウンし、放射能を周辺にまき散らした。
 この大地震は東日本大震災と命名され、今なお大きな衝撃が収まっていない。16年前の阪神大震災と異なるのは、被災地が東北の過疎地で、復興に要する予算が乏しく、費用対効果が小さいことだ。10mの高さに津波に耐える街を作っても、それだけの価値を生み出せるまでになるには非常に長期間がかかることだ。もうひとつはそれ以上に大きな問題で、原子力発電所の放射能汚染対策だ。原発周辺の汚染された土壌は当面農業のできない状態であるし、海や風に乗った放射性物質は内部被爆の可能性を秘めつつ、周辺にまき散らし続けている。爆発などの甚大な災害の恐れはていかしたものの、放射能を封印することはできていない。人間に例えれば、生活に支障はないものの、傷から血が止まらない状態だといえる。今後半世紀をかけて廃炉の手続きに入るが、その間日本が同じ政治体制が続き、治安を維持できているかどうかわからない。資源小国の日本が原発に頼るのはやむを得ないが、爆撃、津波、直下型地震でも耐えられる原発を設計しなければならない。
 災害はこれだけで終わらず9月11日の台風12号は紀伊半島に大きな被害をもたらし、タイの大洪水は進出している日本企業に大損害をもたらした。
 未曾有の危機で政治家が団結して国難を乗り切れるか思われたが、与党民主党と野党自民党は相変わらず泥試合を演じた。お互いの主張は大して違いはないのに、お互いの面子で大胆な改革はできずじまいだった。震災対策で一定の目処が立ったことで菅内閣は総辞職し、野田内閣が発足した。あいかわらず泥試合が続いており、来年は解散総選挙は避けられないだろう。自民党も支持率は回復しておらず、民主党も自民党も衆議院を過半数を取れない可能性がある。例え過半数を確保しても、連立政権は避けられず、少数党に配慮した政治改革にならざるを得ず、経済対策も中途半端なものになるだろう。
 経済は1ドル=80円を越える円高が完全に定着し、製造業の海外生産が加速した。懸案になっていたTPP参加を野田総理が決断した。これにより海外移転がより加速することになるし、農業は高付加価値商品で対抗しようとしても、放射能汚染でブランドが低下してしまった。長引く不況で企業はコストダウンに走り、派遣社員で雇用を調整ことが完全定着し、将来不安のある派遣社員は高額商品の購入を躊躇し、ますます景気が悪化する悪循環に陥っている。
 少子高齢化が進み、年金支払者と年金受給者のバランスが崩れ、現状の「仕送り式」の年金システムが崩壊しつつある。さらに雇用情勢悪化にともない生活保護受給者が増えた。少子高齢化は今に始まったことではないのに、政府は対策を先送りし、財源は国債発行に頼ることとなり、政府の財政はほとんど破綻している。財政破綻と言えばヨーロッパやアメリカも相当な債務を負っていて、経済恐慌はいつ起きても不思議でない状態だ。
 日本は国債が国内で消化されているから大丈夫だという向きがあるが、これは国民から集めた預貯金で国債を購入しているということである。ヨーロッパのどこかの国が債務不履行に陥れば、債権国日本のもつ資産価値が低下し、日本経済に大きな影響を与えるだろう。今のところ、日本政府は消費税を10%に上げて、自助努力で財政再建を果たそうとしているが、増税はデフレを招き、より財政再建を遠ざけることとなるだろう。こうなると、残る道はひとつしかない。紙幣を増刷してインフレにし、預金封鎖をして、国民資産を摂取するのである。これは政府が1年後にやりますと予告するものではなく、突然行われるものである。預金封鎖されると銀行に預けるのは資産価値を低下を招き、手元にある現金もインフレでいずれは使い物にならなくなるだろう。外貨や金で貯蓄するにしても、換金は難しいものになるし、日本にいる限り、困難から逃れることはできないだろう。できることはお金がなくても「折れない心」を持つことだろう。だけど、銀行に全財産を預けるような愚の骨頂は避けたいところだ。信用力のあるゆうちょ銀行がやたらと預金集めに熱心になりはじめたり、財務省が高金利な短期国債を発行しはじめたり、より早く情報を仕入れている資産家が海外逃避していないかなど、兆候をしっかり見極めることが必要だろう。
 まず必要以上な貯蓄をしないこと、預金がなるなるかわりに借金もなるなるので、家を買える余力のある人は住宅ローンを組むこと。それと「折れない心」を持つために、病気をしない身体と作ることだ。個人差があるとはいえ、適切な運動で丈夫な身体にすることは可能だ。プロの運動選手は意外と幼少時は病弱であることはよくある。貯金の一部は水泳やジムに通うなどに、自分の身体に投資することだ。それとグローバル化に対応するため、英語の勉強をすること。さらにいまやアジア最大の経済大国となった中国のことを理解すること。その政治体制や思考、言語のついてよく研究することだ。中国と国境を接し、安全保障を求めている、インドとロシアを味方につけることを考えること。身体を鍛え心を鍛えれば、貯金ゼロになっても耐えられるだろう。
 暗い話題の多かった今年だが、最大の明るい話題はサッカー女子日本代表なでしこジャパンによる、ワールドカップ優勝だろう。彼女らの活躍が話題に上るまで、女子ワールドカップをやっていたことなど大方の日本人は知らなかった。震災で団結心が増し、本来格上のチームを次々撃破していく様は、日本に大きな勇気を与えた。
 ヴィクトワールピサによるドバイワールドカップ制覇は競馬界にとって間違いなく快挙。しかし競馬の一般人の関心は低く、今年のベスト20にも上らないだろう。競馬に関しては相変わらずの社台ノーザンがG1路線を圧倒し、オルフェーブルが3歳牡馬三冠を達成した。血統の偏在は時間が解決し、いずれは社台の時代は終わるが。そうならないための努力を続けており、日高の馬産がよみがえるにはモハメド殿下などアラブの大富豪や新興国の資産家を取り込まないと回復不可能な打撃を被るだろう。そういう意味から日本馬が海外で活躍し、海外からの関心を高め投資を呼び込むのが、活性化に繋がると思われる。
 プロ野球は統一球の導入で飛距離が低下し、一発長打の逆転が減り、サッカーのような1点を守り抜く野球が幅を利かせた。まさに落合中日ドラゴンズの野球がそれであったが、より戦力に勝るソフトバンクホークスの壁を崩すことはできなかった。統一球の導入で顕著だったのはスワローズの青木のような右投げ左打ちの巧打者が軒並み打率を下げ、ライオンズの中村のような体重のある右投げ右打ちのパワーヒッターが本塁打を量産したことだ。これは思い切りよくスイングし、確実にミートし、利き手で押し込んで、自らの体重を乗せないと統一球は飛距離が出ないことを教えている。この世界でメシを食っている以上何らかの対策を打ってくるだろうが、打率も本塁打も狙える打者はどちらかに絞らないといけないのではと思われる。ファイターズのダルビッシュ投手はついにメジャーリーグの扉を叩いた。契約はこじれるかもしれないが、持っている力は一級品。変に管理をしてダルビッシュの機嫌を損ねなければ、10勝は確実である。10勝はダルビッシュの日本の成績からすると低すぎるが、これはメジャーリーグの打者のレベルの高さを考慮してのことだ。優れた身体能力が生み出す速いスイングと動体視力はいかに球威のある速球や切れのいい変化球でも打ち返してしまう。日本のようなわけにいかないというのが理由だ。
 サッカーは柏レイソルがJ1に昇格してすぐに優勝し、天皇杯はFC東京と京都サンガというJ2同士の組み合わせだ。震災同様異例ずくめの結果だ。ナビスコカップは決勝以外の注目度が低く平日に行われることもあって、観客動員が低迷したままだ。リーグはJ2も参加させて番狂わせで注目度を集めようとしたが、試合数の減るJ1クラブの理解が得られず、立ち消えとなった。しかし1回戦をJ1とJ2対決にしてJ1ホームで間を開けて2試合するとか方法はあるはずだ。ただ試合をしても観客動員が低ければスポンサーも集まらず意味がない。J1側もそこを理解するべきだ。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。