SSブログ

WBC参加問題について [野球]

 2013年に予定される、第3回ワールドベールボールクラシック(以下WBC)は、日本プロ野球機構(以下NPB)がプロ野球選手会が主張する大会収益の配分が改善されない限り参加しないという主張に同調する形で、参加表明を保留している。WBCを主催するアメリカメジャーリーグ(MBL)は、参加表明期限の9月末と切ったものの、参加表明しなかった日本に対して、10月まで猶予するとともに、日本に替わる参加国及び予選開催地を探すこととした。しかしMBLとしても日本が参加しないと大会が失敗するのは目に見えているから、最低限の妥協を考慮しながらも、日本の参加表明を待つことになるだろう。
 管理人の主張は日本はWBCに参加するのはやめて、日本が主催者となって新たな国際大会を立ち上げるべきというものである。
 WBCはそもそも問題の多い大会である。問題点を列挙してみる。
1.シーズン開幕前の3月開催では選手が仕上がっていないし、怪我でシーズンを棒に振ることがあり得る
2.MLBの大会収益の配分が多すぎる。
3.メジャーリーガーの大会出場報酬に比べて日本など他の国は低い
4.メジャーリーガーのほとんどは飽くまでエキシビジョンで望むからヤル気がない
5.肝心のアメリカで人気がない
6.以上のような理由で人気のある日本や韓国の選手に怪我のリスクを負わせて、日本のスポンサーから大会経費を吸収し、日本のテレビ局に放映権を売り、MLBがボロ儲けするという図式となっている

 そもそも野球にはサッカーのFIFAのように国際的な横断組織はない。いやあることはあり、ワールドカップなどもやっているのだが、注目度はゼロに等しい。日本国内でもそうで、高校野球連盟、大学野球連盟、社会人野球、プロ野球を統括組織としては日本野球連盟があるものの、実権のない組織である。それぞれのカテゴリーでバラバラで発展してきたのである。これは一朝一夕で片付く問題ではない。これはおそらくアメリカでも同様であろう。
 管理人は選手会の主張は理に適っており、このままWBCに参加してもMLBの利益になるだけで、日本のためにならないと思う。本来であればこれは選手会でなく、NPBが主張するべき問題である。NPBは赤字だ、赤字だという前に、利益を追求する体制になっていないのである。もっともNPBはオーナー会議の権限が強く、コミッショナーが仲裁役でしかないことが問題だ。おそらく球界の盟主を自称する球団が権力を維持したいためであろう。
 現在のNPBの収益は参加球団の上納金とオールスター、日本シリーズのチケット及び放映権その他の権利収入、それとアジアシリーズなど不定期に開催される国際大会の僅かな収益のみだ。毎年4億円ほどの赤字を計上していて、さすがに選手会も気の毒に思ったのか、自分たちの年金のためのなのか、2011年からオールスターを3試合とすることに合意した。
 あと収益を上げる対象としてはクライマックスシリーズだろう。現状ではチケットも放映権も主催球団が総取りすることになっている(だと思う)が、放映権だけでもNPBで管理するというのはどうだろう。主催球団は既得権の侵害と反対するだろうが、NPBの赤字体質を何とかしなければならないのはわかっていると思うので協力してもらう。
 そして、もうひとつ強力な収益の柱は、野球日本代表の常設化である。これはサッカーの世界では常識である。実際、NPBでは、常設化の方向で動いていて、2012年以降、定期的に国際大会を開催するための準備をしているところである。NPBとしてはこの大会でスポンサーを募り、収益を上げ、WBC参加への選手会の同意をとりつけたいという。しかしこれはいささか虫が良すぎないか。選手としてはWBC参加とNPB主催の国際大会との二重の負担になるからである。国際大会の収益も選手に分配されるとはいえ、未知の大会でリスクが大きすぎ、選手会が納得するとは思えない。
 現実的な解決策としては、WBCには不参加を表明し、NPB主催の国際大会を立ち上げることだろう。もちろんMBLのように利益を独占するのでなく、大会委員会を立ち上げて公平な収益配分を実現する。
 管理人が描く大会フォーマットは次の通りである。

1.開催は11月とする。
2.参加国は日本、韓国、台湾、中国、オーストラリア、そしてキューバとする。
3.6カ国総当たりのリーグ戦を行い、上位2チームで決勝を行う。
4.名称は「天皇杯国際野球大会」とする。
5.審判はアメリカのマイナーリーグから雇う

1.開催を11月とするのは日本シリーズ終了後に行う方が、春に行うより選手の怪我のリスクが小さいからだ。第1回WBCの参加で揺れた時、選手会は春開催に難色を示していたから、この点は合意されるだろう。問題は野球に相応しくない気候。日本ではドーム球場があるから大丈夫だが、韓国ではまだひとつもない。しかし台湾、オーストリア、キューバ、中国の華南地方なら冬季でも開催できるだろう。問題は韓国だが、おそらく建設への具体化が進むものと思われる。

2.参加国にアメリカがいないのは当然で、その息のかかったカナダも参加を見込めない。しかしメキシコは親日国だけに可能性がある。もしそうなればフィリピンを加えて8カ国にしてもいいだろう。

3.野球はたくさん試合ができるので3連戦総当たりも可能だが、選手の負担を考えれば2連戦が限界だろう。決勝以外は延長も12回までにして、タイブレークで決着し、決勝は延長15回までで再試合とするのがよいとおもう。決着をつくまでやるのではテレビの放映に問題があるし、再試合をする方が興業面で有利だからだ。

4.大事なのは大会の名称である。国際的影響力の強いMBLに対抗するだけの権威が必要だ。日本には天皇陛下という、他国を黙らせる権威が存在する。そこで優勝国には天皇杯を付与することとしたい。ただ、現状は天皇杯は東京六大学野球の優勝校に付与されている。天皇杯は原則として各競技の全国大会にしか付与されない。軟式野球は全国大会に天皇杯が付与されるが、硬式野球は参加校が固定し、人気もかげりが見えつつある東京六大学という一リーグ戦の優勝のみを表彰している。いくら東京六大学連盟が日本の野球界に貢献してきたとはいえ、過去の栄光に縋っているだけで不公平である。国際大会に天皇杯が付与された例はないが、それではグローバル化の時代に対応できない。もともと野球はアメリカ由来のスポーツであるし、先鞭をつけるのに悪くない選択だ。
 天皇杯を取り上げた東京六大学連盟には新たに総理大臣杯を付与することとする。実際、歴代の総理大臣は東京六大学に参加している東京大学、早稲田大学、慶応大学、明治大学から多く出ているし、その方が相応しいと思える。
 問題があるとすれば、天皇杯という名称に韓国、中国が拒否反応を示すかもしれない点だ。これについては妙策がなく、理解をいただくしかない。

5.審判は日本が務めるわけにいかないだろう。かといって第3国に信頼のできる審判は多くない。マイナーリーグの審判を希望するがMBLは反対するかもしれない。カナダも同様となると、審判の人選は意外に難しいかもしれない。

 この大会が成功すれば、MBLがWBCの収益配分を見直して、日本の取り分が多くなるようにするかもしれないし、そうすれば日本は参加できるし、またアメリカは天皇杯に参加するかもしれない。そうなれば、WBCと天皇杯を2年ごとに開催すれば、NPBの収益が増えることになるだろう。

 野球日本代表についてだが、現在はユニフォームのフォーマットもエンブレムも決まっていない。常設化するならいいかげんなその場限りのデザインをせずに100年くらい使うつもりでしっかりしたデザインをしてもらいたい。これには私案があるので後日発表したい。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。