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横浜ベイスターズ身売りへ [野球]

日本プロ野球球団のひとつ、横浜ベイスターズの過半数の株式を所有するTBSが、株式の売却を検討していることが明らかになった。トステム、INAX、日軽金など住宅建材会社を傘下に置く住生活グループ、京都のIT関連企業フェイス、食品大手の日清食品、関東地区の家電販売ノジマなどが候補に挙げられ、中でも住生活グループが有力視されている。住生活グループのトステムはJリーグの鹿島アントラーズのスポンサー企業に名を連ねているが、知名度は今ひとつで、住生活グループの統一ブランド「リクシル」を浸透させたい考えだ。そのため買収した場合の球団名には「リクシル」が入るものと思われる。また年間8億円もの球場使用料を要している横浜スタジアムから、兼ねてからプロ野球球団を誘致していた新潟に本拠地を移転する考えも仄めかしている。TBSは以前ベイスターズを所有していたマルハから120億円とも噂される高額で購入しており、売却価格が折り合いがつくのかどうか問題とされる。売却に関する問題が解決すれば、11月30日までNPBに新規参入申請し、オーナー会議で4分の3の承認が得られれば、ベイスターズは新オーナーに経営権が移る。新規参入するには保証金25億円、協賛金4億円、加盟手数料1億円をNPBに納入する必要がある。

以上が現在、管理人に得られている情報です。ここからは管理人の個人的な意見です。売却先としては住生活グループが筆頭でしょう。横浜に本社があるノジマは、地元球団を何とかしたいという熱意を感じるものの、失礼ながら財務体質は疑問で、家電販売に果たして全国的な知名度が必要かと個人的には思います。2004年の新規参入の時のように、楽天とライブドアが争って、楽天が勝ったように、住生活グループがおそらく優勢であろうと思われます。買収価格はTBSの買値で売れるはずはなく、半額程度で落ち着くのではないかと思われます。またTBSも放映権確保のため10%程度の株式を維持する可能性もあります。
 やっかいなのは横浜スタジアムで、ここは開業から30年以上経て、グラウンドの両翼が94mと狭く、老朽化が進んでいるのにも関わらず、年間使用料が8億円で高額で、しかも球場の広告収入は全て横浜スタジアムに入り、広告の露出に貢献している球団には一銭も入らない仕組みになっているそうです。しかも球場建設時に45年間は球団が継続して使用し、新規に建設する場合の運営会社も横浜スタジアムとするという約束を交わしているそうです。もし本拠地を移転するなら違約金が発生することになります。
 横浜スタジアムは横浜市役所の近くで地下鉄やJRの関内駅からも至近という立地条件に恵まれています。しかし横浜ベイスターズは3年連続90敗以上という深刻な成績不振に陥っており、スタンドは閑古鳥が鳴いている状態が続いています。かつて大阪の難波駅の近くにある大阪球場を本拠地にしていた、南海ホークスが成績不振で同様な状態になっていたことを思い起こさせます。いくら交通が便利でも、チームに魅力がなければ客が減るということです。
 そこで新潟に移転することを住生活グループは考えているということでしょう。かつて私は「ヤクルトスワローズは新潟に移転すべし」という記事を書いたことがあります。そこでも少し触れているのですが、新潟移転にはさまざまな問題があります。
1.新潟の都市規模(周辺人口が100万人弱)
2.本拠地に予定されるハードオフエコスタジアムの交通
3.寒冷な気候への対応
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↑ハードオフエコスタジアム
新潟はJリーグのアルビレックスの本拠地「ビッグスワン」があり、毎試合4万人以上の観客を集める盛況ぶりです。ハードオフエコスタジアムは「ビッグスワン」の至近にあり、立地条件は同一と見ていいです。新潟駅からは歩いて40分と遠いのでスタジアムへはバスかクルマとなります。しかしサッカーは年間20試合程度しかなく、1ヶ月に3回程度ならバスで我慢できますが、最大週に6回程度の最低でも月に10試合はある野球でこの貧弱な交通で対応できるでしょうか。特にベイスターズが所属するセントラルリーグは読売ジャイアンツや阪神タイガースという満員確実な人気カードがあることから、安定的に輸送できる鉄軌道交通が必要でしょう。個人レベルでは新潟市環状LRT計画などがありますが、公的機関がそれを発表したことはありません。だいたい除雪が必要な道路でLRTがふさわしいかどうか疑問です。気候は3月は雪が残り4月は寒い。10月11月になると冬の風となります。クライマックスシリーズ日程確保のため3月開催が当然視される現状では、34月のナイター開催は選手の健康面や観客動員を考えても不利です。さらに春秋は寒いのに夏は暑いのが新潟の特長で、さらに雨も多く、風も強い。安定した開催のためには、前述の交通機関の整備の他、ドーム化も必要でしょう。しかし新潟市が政令指定都市といっても周辺人口はせいぜい200万人。とても新潟の財政規模ではこれだけのインフラを揃えるのは不可能でしょう。
 これらの問題が解決されたとしても、選手の移動の問題があります。関東2球団は上越新幹線があるのでいいとしても、名古屋の中日ドラゴンズ、大阪の阪神タイガースは飛行機の移動となります。広島は直行の航空便はなく、5時間以上かかる東京経由の新幹線が最も確実な移動手段となり、遠征に多大な負担を掛けることになります。その飛行機の便数も福岡や札幌のように十分でなく、交通機関の遅れが試合の開催の可否に影響することになります。
 新潟を長野に置き換えても同じ問題が生じることになります。
 結論からいえば、新潟は年間数試合の開催にとどめるべきです。新潟市民の意見も「いろいろなカードを見たい」というのが多く、地元球団を持ちたいという意欲に欠けるのだから、その希望を叶えればいいでしょう。以前管理人が主張した「ヤクルトスワローズは新潟に移転すべし」は撤回することになります。ただ、神宮球場が大学野球で詰まっている時など、新潟で開催し、準本拠地とすれば、新潟のファンにも喜ばれるのではないでしょうか。
 結局、住生活グループは横浜を本拠地にせざるを得ないようです。親会社が変わって急にチームが強くなるはずはなく、しかも住生活グループはチーム名に「リクシル」か「トステム」とかグループ企業の名を入れる意向だそうですが、成績不振で宣伝効果は期待できるにせよ、逆に企業のイメージダウンに繋がる可能性があります。球団への必要な投資を怠り、単に宣伝できればいいと考えてしまえば、球団経営への意欲を失い、さらなる成績不振の悪循環に陥ることでしょう。「横浜ベイスターズ」という、親会社の宣伝臭がなく、市民の共感を得るのにふさわしい名前なのに、現状の観客の入りでは、球団名の通称に親会社の名前が入るとすれば、観客が増加するとは思えません。「横浜ベイスターズが優勝した1998年は連日満員だった」という声も聞かれますが、2010年横浜での最終戦でライトスタンドはともかく内野席に空席が見られたところを見ると、一般的な横浜市民に熱狂的に支持されているわけではなさそうです。
 そこで唐突ではありますが、横浜ベイスターズの後継球団を静岡に移転することを提案します。静岡はかつて横浜ベイスターズの前身球団大洋ホエールズが春季キャンプを行っていた地縁があり、また気候も温暖で、周辺人口も横浜並とはいかないまでも、静岡、浜松の両政令指定都市の存在があります。東海道新幹線の沿線で「のぞみ」が停車しないという問題があるものの、広島からのアクセスも良好です。それに静岡の代表球場である草薙球場が改修工事を行っていて、2012年には完成予定と聞きます。静岡市民の熱意と球場使用料が折り合えば、静岡に移転する方が、地域密着を期待できる分、横浜よりも有利だと思います。
 静岡からプロ野球団誘致の声が上がり、移転するという仮定で話を進めます。横浜スタジアムを愛する熱心なベイスターズファンにはけしからん話だと思われるかもしれませんがご了承いただきたいです。
 まず、第一段階。住生活グループは横浜ベイスターズの株式の過半数を取得し、球団名は「横浜トステムベイスターズ」通称名は「トステム」となります。「リクシル」としなかったのは、住生活グループの代表的なブランドを前面に押し出した方がいいし、建材の「トステム」と衛生陶器の「イナックス」ではトステムの方が市場が大きいからです。トステムのコーポレートイメージカラーは黒と青緑。そこでチームカラーを青緑に変更します。ちょうどベイスターズの2軍だった湘南シーレックスのチームカラーが青緑なので、デザインもほぼ流用できるはずです。だいたい現状の青系統は中日ドラゴンズ、オリックスバファローズ、埼玉西武ライオンズで採用されていて、目新しさがないです。
 そして第2段階として静岡に移転します。ベイスターズの名もこれを機会に捨てて、新しい愛称にします。他の球団で使っていないアルファベット頭文字はA,I,J,K,N,O,P,Q,R,U,V,W,X,Y,Zです。できれば抽象的な名詞よりキャラクター化しやすい動物の方がいいと思われます。個人的にはパンサーズPanthersがいいのでは思っています。よって球団名は「静岡トステムパンサーズ」。もしくはこの時点でトステムの十分な宣伝効果が認められば、「静岡リクシルパンサーズ」や「静岡イナックスパンサーズ」でもいいと思います。Pから始まるといえば「パイレーツ」や「フェニックス」は商標に引っ掛かると聞いたことがあります。
 球団名を変えるのは、前述した「新規に建設する場合の運営会社も横浜スタジアムとするという約束を交わしている」というのを回避するためです。つまり一旦現在横浜ベイスターズと称している法人は一旦解散し、新規加入という形にする必要があるからです。保有選手がそのまま引き継げるのかという問題が生じますが、新規でも親会社の変更でも加入保証金手数料は同額です。
 静岡の受け入れ条件も意外と大変です。草薙球場の改良と言っても予定されているのはグラウンドの拡張と、外野席の増設、ロッカーの改装ぐらいで、人工芝化と雨天練習場の設置が要望されているという。そのうち雨天練習場はプロ球団を誘致するには必須でしょう。ロッカーもプロ仕様にするにはベンチ裏のスペースでは十分でなく、Kスタ宮城や甲子園のように別棟で建てる必要があるかもしれません。人工芝化の要望は地元のアマチュア球界から出されているという。確かに少々の雨でも試合ができて整備も楽な人工芝は魅力的でしょう。しかし球場に魅力がないと、プロでは観客を集めることはできません。それに高校野球の檜舞台甲子園球場は天然芝であるので、安易に人工芝を採用するのはどうかと思います。ここは天然芝のままにし、しかも内野にも天然芝を敷いてメジャーリーグ風にするのがいいでしょう。静岡の気候であれば、ドーム化は必要性に乏しいし、採算も合わないと思うので不要でしょう。アマチュア球界の要望については、隣の軟式野球場を硬式用に拡張し、ここに人工芝を敷けばいいと思います。静岡といえばサッカーですが野球も過去から現在に至るまで名選手を輩出し野球熱は決して低くありません。もちろん静岡県は設備費がさらに膨らむ上に、横浜よりも使用料を安くしないといけないので、必ずしも美味しい話ではないのですが、静岡の知名度は確実に上がるし、使用料も年間4億円、売店売り上げの全額、球場広告の半額を球団に受け取るという条件で折り合うのではないでしょうか。
 ファームについては横須賀のままでもいいのですが、浜松に移設すれば、必然的にウエスタンリーグに移籍することになり、地域密着をより推進できます。
 日本にはプロ野球本拠地以外では、福島、新潟、長野、富山、倉敷、松山、宮崎、那覇といったところに3万人以上収容できる球場がありますが、1シーズンを戦う上での交通の便や気候、背景人口を考えると、静岡以外に好適地はありません。
 横浜に愛着のある人にはとんでもない話かもしれませんが、管理人の構想、聞くべき価値のない意見でしょうか。
kusanagi.jpg
↑草薙球場(2007年4月)

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