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はやぶさ・さくら・みずほ~新幹線愛称雑感 [鉄道]

2010年12月4日東北新幹線は新青森まで全線開業する。誰もが「はやて」がそのまま新青森行きに使われると思いきや、新型車両で運行する新青森行きに新たな愛称が公募されることになった。公募では東北人には思い入れが深い「はつかり」が1位。2位の「はつね」は東北と縁はない。これは新型車両が「初音ミク」という、ヤマハの開発したボーカル音源におけるバーチャル女性シンガーキャラと色遣いが似ているので、悪意のあるネット仲間が集中して投票した結果である。筆者は「はやて」存続を希望し、地元でも「はやて」存続希望の声もあったので、実際に存続するのではないかと期待したが、JR東日本から発表されたのは「はやぶさ」であった。同時に新型車両に描かれるHAYABUSAのロゴタイプも発表されたところを見ると、公募の結果に関わらず内部では決まっていたのだろう。新型車両による運行される列車を「はやぶさ」と称し、「はやて」は従来車両の運行が終了した時点で使われなくなるという。「はやぶさ」と「はやて」ではややこしいがどちらも新青森行きなので混乱することはないだろうという考えであろう。筆者自身は新青森開業までは「はやて」で凌ぎ、新函館開業時点で新愛称を考えるべきだという意見を述べたことがあるが、その考えは変わっていない。「はやて」はいつどこで復活するのだろうか。スピード感のあるいい名前だけにお蔵入りになるのは惜しいと思うのは筆者だけだろうか。
 それはともかく2011年3月11日開業の九州新幹線に「みずほ」復活という新聞記事を見て絶句した鉄道ファンは多かったはずだ。九州新幹線は現行の新八代暫定開業で使っている「つばめ」を九州内各停で運用し、新大阪から直通する「さくら」を主要駅停車するものと思われていた。しかし九州沿線の地元自治体は「さくら」は九州内の全ての駅で停めてほしいとの強い要望があり、それでは対鹿児島で航空機に対抗できないと判断したJR西日本は停車駅を絞った「みずほ」を設置することになったのだろう。
 それにしても「さくら」は東京-長崎・佐世保間のブルートレインの愛称であったし、戦前には日本で最初の特急列車の愛称であった。それに対して「みずほ」は東京-長崎・熊本間のブルートレインではあったものの、「さくら」や鹿児島行きの「はやぶさ」の補完列車で、戦前以来の輝かしい歴史もない格落ちの愛称である。
 個人的には「さくら」を鹿児島行きの速達用にして、「みずほ」を山陽新幹線直通で博多から熊本まで各停用、「つばめ」を線内各停にするのがいいと思う。「さくら」を九州全駅停車して、関西圏の客を呼び込もうという自治体の鼻息の荒いのはわかるが、沿線人口を考えれば、直通需要がそれほどあるとは思えず、博多や熊本で乗り換えで十分だと思える。鹿児島県知事が「『さくら』が鹿児島行きで『みずほ』が熊本行きでは誤乗の恐れがある」と息巻いていたが、世間の反応は「それがどうした」と冷たい反応だった。私も知事と同意見だけにショックを受けたものである。思えば「はやぶさ」を東北新幹線に譲渡していなければ、素直に「はやぶさ」を速達用に採用できたはずだ。JR東日本の「いまひとつ意味のない」愛称変更のお陰で、九州はとばっちりを被ったといえる。
 沿線自治体では「さくら」が来るものと想定してキャラクターグッズの開発が進められているようだ。もはや
みずほ>さくら>つばめ
の流れは変えられそうにない。しかし日本の鉄道の歴史を考えれば
つばめ>さくら>みずほ
が正しいと思うし、もはや「つばめ」が九州に土着したというのなら
さくら>みずほ>つばめ
にしてもらいたい。正式決定はまだだが、JR西日本、九州の英断を期待したい。
 それにしても山陽九州新幹線の愛称は女性名詞ばかりですね。そもそも新幹線の愛称は全て訓読み和語でひらがな4文字以内という「暗黙のルール」があるのですが。宝塚歌劇団に対応させてみるとこんな感じでしょうか。

のぞみ 月(月の満ち欠けは朔望)
ひかり 星(星からは光)
こだま 雪(雪の降る夜に木霊が響く)
さくら 花(日本の国花)
みずほ×××(日本の美称。他に「扶桑」「やまと」「秋津島」など)
つばめ 宙(空を舞う鳥)

ほら、やっぱり「みずほ」は該当なしです。

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