私は如何にしてクルマに乗るのをやめてバイクに乗るようになったか~アドレス購入~ [バイク]
購入するバイクはスズキアドレスに決めた。しかしそのアドレスでもいくつか種類があることを知った。
結論からいうとアドレスV125Sにした。試乗したのはこの型であったし、時計のないアナログメータは使いにくそうだし、V125SSのようなリアスポイラーはリアボックスを取り付けたら意味のないものとなるし、V125Sリミテッドのグリップヒーターは魅力的ではあったが、グリップエンドが長い分、駐輪スペースに支障が生じることがわかったからだ。
決断には下の日経トレンディネットの記事が大いに参考になった。
通勤スペシャルが新しくなった! スズキ「アドレスV125S」試乗レポート【前編】
通勤スペシャルが新しくなった! スズキ「アドレスV125S」試乗レポート【後編】
次にいよいよ購入である。バイクはいわゆるバイク屋で買うのが一般的だ。バイクブロスのような仲介業者を介すれば中古車も検索できる。調べてみたら住まいの近くには手頃な中古車がなかった。遠くで買うと納車も面倒だし、やはり買ったところで整備してもらったほうがいいだろう。せっかくだから手垢の付いていない新車を買うことに決めた。
そんなわけで家から一番近いバイク屋で購入することにした。そこはホンダの看板が上がっているが、スズキのウェブサイトで最寄りの販売店で検索すると、その店が出てきた。よくみると小さなスズキの看板が上がっていた。
その店へは家から歩いて行ける。店に着いた。店外にはPCXの中古が15万円で売られていた。駐輪スペースの問題がなければこいつにするのにと思いつつ、店のドアを開けた。
店員はバイクの整備に忙しいのか、商談用のスペースには誰もいない。待つこと10分、ようやく中年の女性が現れた。
「いらっしゃいませ。お伺いしておりますか。」
いえ、お伺いしておりません。でも筆者は修理のような安い客ではなくて高額商品のお客さんですよ。とやや胸を張って、このように切り出した。
「あの~、バイクを買いたいんですけど」
「車種とか決めておられますか」
「スズキアドレスです」
「アドレスでもいろいろありますけど」
「V125Sでお願いします」
「うちはホンダの代理店なのでスズキ車の在庫はないので現車はお見せできないのですが」
「いえ、もうレンタルバイクで試乗済みです」
彼女は引き出しからアドレスV125Sのカタログを取り出し机の上に置いた。実はそのカタログはスズキのウェブサイトから取り寄せてすでに持っているのだが、遠慮なくいただくことにした。
彼女は見積書を書き始めた。
何も言っていないのに、すでに値引きが3万5千円もある。自動車を購入するようにいくつかディーラーを巡って競合をあおれば、さらに値引きを引き出せるかもとも思ったが、家から近いという利点を考慮して、この言い値で購入することに決めた。バイクの場合、故障すれば手で押して持ってこないといけないということも計算に入れていた。
筆者は知らなかったのだが、バイクには盗難保険というものがあるらしい。スズキ車は1年間は無料で付いているという。2年2,000円とあるが、これは実質1年2,000円である。保険内容はハンドルロックをした状態で、盗難にあった場合、5万円の自己負担で新車が提供されるらしい。バイクはクルマと違って盗難が非常に容易だ。何しろ軽いのでロックが掛かっていようが、数人で軽トラにひょいと乗せれば簡単に盗める。作業服を着ていれば、人のいるコンビニの駐車場でやっても怪しまれることはないだろう。だから盗難保険には入りたかったけど、こんなに安いとは思わなかった。裏返せはこのようなスクーターは人気がなく、滅多に盗られないということだろう。
内心はほぼ決めていたが、「交渉には駆け引きが必要」なので即答は避け、この日はこの見積書だけ受け取って引き上げた。
あとは最終的な決断だ。あらためてこの投資は有効か考えた。自転車で通える体力はあるのに、バイク通勤する意味があるのか。予定しているツーリングを終えたらどこに行くのか。自転車より遙かに高まる事故率をどう考えるのか。
見積もりを受け取って2週間後、再びバイク屋に行き、購入の意思を伝えた。車体色は白にした。自分の勝手なイメージカラーはホンダが赤、ヤマハが青、スズキが黄、カワサキが緑なので黄色が欲しかったが、アドレスのラインナップには黄色はなく、青がイメージカラーとなっている。青は今乗っているクルマと同じなので、面白くないのと、夜間の視認性を考えて白にした。
先日と同じ女性が対応し、購入が決定すると、彼女は「社長~」と大声で叫んだ。社長というからにはスーツを着た恰幅のいい紳士が現れるものと思われたが、目の前に現れたのは白のつなぎを着たオッサンであった。個人商店なのでそういうことらしい。
その「社長」が納期を確認した。納車は3週間後の11月2日になるという。意外に時間が掛かるのはこのスズキアドレスは台湾で製造されているからだろう。
筆者は古い人間なのでこういう高額商品の使い始めは暦に拘る。11月6日の日曜日は仏滅、5日の土曜日は先負。何か新しいことを始めるには相応しくない。11月3日の木曜日は文化の日で祝日だが、暦も先勝で悪くないのだが、どういう訳か筆者の勤務する会社はその日は稼働日であった。選んだ納車日は11月4日金曜日。暦は友引。平日だが会社には昼から休む半日有給を申請した。納車の日は眺めて近所だけを走り、土曜か日曜にちょっと遠出をしたい。
それと折りたたみ式のミラーとウインドシールドスクリーンは筆者が手配し、現物を持ち込み、バイク屋に取り付けてもらうことにした。取り付け手数料は無料。というか請求されなかった。手付金1万円を納めた。納車までに残金を銀行振り込みで支払うことにした。クルマのように印鑑証明書もなく、三文判すら押すことなく退散した。
あと忘れてはならないのは、自動車保険にファミリーバイク特約を付加することだ。ファミリーバイク特約には人身傷害型と自損障害型がある。自損型の場合、その名のとおり自分の責任で生じた損害も保障されるが、その分保険料が高くなる。具体的には自分のバイクの損傷は保障されない。バイクはクルマに比べて安いので、再購入すればいいということで、人身傷害型を選んだ。筆者の自動車保険は12月中旬に満期を迎える。11月にバイクが納車されると、約1ヶ月分の特約追加保険料が必要で、その金額は1,570円ということだ。1年にするとファミリーバイク特約の追加保険料は19,000円程度となる。意外とこれは高いと感じた。
ともあれ、あとは納車を待つばかりとなった。
型式 | タイヤ | メーター | 価格 | 特徴 |
アドレス110 | 14 | アナログ | 20.5万円 | タイヤサイズ大きく悪路に強い。発展途上国向け |
アドレスV125 | 10 | アナログ | 24.3万円 | 装備グレードを落とした廉価版 |
アドレスV125S | 10 | 一部デジタル | 26.8万円 | 装備を充実させた主力グレード |
アドレスV125SS | 10 | 一部デジタル | 27.4万円 | リアスポイラー、同色ミラーなどスポーティー |
アドレスV125SLimited | 10 | 一部デジタル | 29万円 | グリップヒーター、シートヒーターなど快適装備 |
結論からいうとアドレスV125Sにした。試乗したのはこの型であったし、時計のないアナログメータは使いにくそうだし、V125SSのようなリアスポイラーはリアボックスを取り付けたら意味のないものとなるし、V125Sリミテッドのグリップヒーターは魅力的ではあったが、グリップエンドが長い分、駐輪スペースに支障が生じることがわかったからだ。
決断には下の日経トレンディネットの記事が大いに参考になった。
通勤スペシャルが新しくなった! スズキ「アドレスV125S」試乗レポート【前編】
通勤スペシャルが新しくなった! スズキ「アドレスV125S」試乗レポート【後編】
次にいよいよ購入である。バイクはいわゆるバイク屋で買うのが一般的だ。バイクブロスのような仲介業者を介すれば中古車も検索できる。調べてみたら住まいの近くには手頃な中古車がなかった。遠くで買うと納車も面倒だし、やはり買ったところで整備してもらったほうがいいだろう。せっかくだから手垢の付いていない新車を買うことに決めた。
そんなわけで家から一番近いバイク屋で購入することにした。そこはホンダの看板が上がっているが、スズキのウェブサイトで最寄りの販売店で検索すると、その店が出てきた。よくみると小さなスズキの看板が上がっていた。
その店へは家から歩いて行ける。店に着いた。店外にはPCXの中古が15万円で売られていた。駐輪スペースの問題がなければこいつにするのにと思いつつ、店のドアを開けた。
店員はバイクの整備に忙しいのか、商談用のスペースには誰もいない。待つこと10分、ようやく中年の女性が現れた。
「いらっしゃいませ。お伺いしておりますか。」
いえ、お伺いしておりません。でも筆者は修理のような安い客ではなくて高額商品のお客さんですよ。とやや胸を張って、このように切り出した。
「あの~、バイクを買いたいんですけど」
「車種とか決めておられますか」
「スズキアドレスです」
「アドレスでもいろいろありますけど」
「V125Sでお願いします」
「うちはホンダの代理店なのでスズキ車の在庫はないので現車はお見せできないのですが」
「いえ、もうレンタルバイクで試乗済みです」
彼女は引き出しからアドレスV125Sのカタログを取り出し机の上に置いた。実はそのカタログはスズキのウェブサイトから取り寄せてすでに持っているのだが、遠慮なくいただくことにした。
彼女は見積書を書き始めた。
メーカー希望小売価格 | 268,920 | |
登録代行納車整備費用 | 9,720 | |
自賠責保険24ヶ月 | 9,870 | |
盗難保険2年 | 2,000 | |
値引き | -35,510 | |
合計 | 255,000 |
何も言っていないのに、すでに値引きが3万5千円もある。自動車を購入するようにいくつかディーラーを巡って競合をあおれば、さらに値引きを引き出せるかもとも思ったが、家から近いという利点を考慮して、この言い値で購入することに決めた。バイクの場合、故障すれば手で押して持ってこないといけないということも計算に入れていた。
筆者は知らなかったのだが、バイクには盗難保険というものがあるらしい。スズキ車は1年間は無料で付いているという。2年2,000円とあるが、これは実質1年2,000円である。保険内容はハンドルロックをした状態で、盗難にあった場合、5万円の自己負担で新車が提供されるらしい。バイクはクルマと違って盗難が非常に容易だ。何しろ軽いのでロックが掛かっていようが、数人で軽トラにひょいと乗せれば簡単に盗める。作業服を着ていれば、人のいるコンビニの駐車場でやっても怪しまれることはないだろう。だから盗難保険には入りたかったけど、こんなに安いとは思わなかった。裏返せはこのようなスクーターは人気がなく、滅多に盗られないということだろう。
内心はほぼ決めていたが、「交渉には駆け引きが必要」なので即答は避け、この日はこの見積書だけ受け取って引き上げた。
あとは最終的な決断だ。あらためてこの投資は有効か考えた。自転車で通える体力はあるのに、バイク通勤する意味があるのか。予定しているツーリングを終えたらどこに行くのか。自転車より遙かに高まる事故率をどう考えるのか。
見積もりを受け取って2週間後、再びバイク屋に行き、購入の意思を伝えた。車体色は白にした。自分の勝手なイメージカラーはホンダが赤、ヤマハが青、スズキが黄、カワサキが緑なので黄色が欲しかったが、アドレスのラインナップには黄色はなく、青がイメージカラーとなっている。青は今乗っているクルマと同じなので、面白くないのと、夜間の視認性を考えて白にした。
先日と同じ女性が対応し、購入が決定すると、彼女は「社長~」と大声で叫んだ。社長というからにはスーツを着た恰幅のいい紳士が現れるものと思われたが、目の前に現れたのは白のつなぎを着たオッサンであった。個人商店なのでそういうことらしい。
その「社長」が納期を確認した。納車は3週間後の11月2日になるという。意外に時間が掛かるのはこのスズキアドレスは台湾で製造されているからだろう。
筆者は古い人間なのでこういう高額商品の使い始めは暦に拘る。11月6日の日曜日は仏滅、5日の土曜日は先負。何か新しいことを始めるには相応しくない。11月3日の木曜日は文化の日で祝日だが、暦も先勝で悪くないのだが、どういう訳か筆者の勤務する会社はその日は稼働日であった。選んだ納車日は11月4日金曜日。暦は友引。平日だが会社には昼から休む半日有給を申請した。納車の日は眺めて近所だけを走り、土曜か日曜にちょっと遠出をしたい。
それと折りたたみ式のミラーとウインドシールドスクリーンは筆者が手配し、現物を持ち込み、バイク屋に取り付けてもらうことにした。取り付け手数料は無料。というか請求されなかった。手付金1万円を納めた。納車までに残金を銀行振り込みで支払うことにした。クルマのように印鑑証明書もなく、三文判すら押すことなく退散した。
あと忘れてはならないのは、自動車保険にファミリーバイク特約を付加することだ。ファミリーバイク特約には人身傷害型と自損障害型がある。自損型の場合、その名のとおり自分の責任で生じた損害も保障されるが、その分保険料が高くなる。具体的には自分のバイクの損傷は保障されない。バイクはクルマに比べて安いので、再購入すればいいということで、人身傷害型を選んだ。筆者の自動車保険は12月中旬に満期を迎える。11月にバイクが納車されると、約1ヶ月分の特約追加保険料が必要で、その金額は1,570円ということだ。1年にするとファミリーバイク特約の追加保険料は19,000円程度となる。意外とこれは高いと感じた。
ともあれ、あとは納車を待つばかりとなった。
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