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プロ野球16球団は実現できるか [野球]

 昨今、王貞治ソフトバンクホークス会長により現行のプロ野球の12球団に4球団を加えて16球団とする構想が語られた。それ以前、同様の構想を国会議員が提言した時には、既存の球団はもちろん、世間の反応は冷たかったのに、王氏が語ると、可能性を模索する雰囲気になるから不思議だ。
 新型コロナウイルス感染予防のためプロ野球が開幕できないでいた2020年4月、元スワローズの古田敦也氏から現在16球団への動きがあり、早ければ2年後には参入する意思を表明している自治体があると発表された。その自治体とは、新潟、静岡、松山、那覇だという。
 これら4都市の共通しているのはプロ野球の興業実績があり、NPBのオールスターや日本シリーズを開催できる収容人員3万人のスタジアムが既にあることだ。さらに新潟と静岡は政令指定都市とするほどの人口を有している。松山は51万人、那覇は32万人と人口は静岡、新潟より少ないものの、松山は野球熱が高い四国で最大の人口を有し、那覇のある沖縄はキャップ地として名高い。また新潟はBCリーグ、松山は四国アイランドリーグのチームの本拠地としてすでに活動中だ。そして那覇には2019年秋にプロ野球OBを含めたチームが結成された。ただしチームだけで対戦相手にいるリーグは未結成だ。
 王氏はさらに16球団にすれば、現在の上位3チームによるクライマックスシリーズの不具合を解消できるという。現状のシステムでは3位でも日本一になることがあり、現実に2010年にはパリーグ3位の千葉ロッテマリーンズが日本シリーズで中日ドラゴンズを破っている。この時のマリーンズは2位とは僅差の3位で勝率も5割を上回っていたが、シーズン勝率5割を切ったチームが日本一という称号を得られるのはやはり不合理だろう。王氏は16球団、セパ両リーグで8球団ずつになれば、これを東西4チームに分け、それぞれのチャンピオンチームがクライマックスシリーズを戦い、日本シリーズで頂上決戦ができる。4球団のリーグ戦ならどこも1位になる可能性があるから消化試合も減るだろう。もちろんMLBと同様に4球団の地区のみの対戦だけでなく、他地区の対戦や交流戦もやる。
 その線で試合数を算出すると、
 同一地区 20回戦 60試合
 他地区 18回戦 72試合
 交流戦 16回戦 16試合
 合計 148試合
これにクライマックスシリーズが7試合。東西リーグのうち勝率の高い方が4試合できるようにするといいだろう。
 このうち新潟と静岡は当確だろう。新潟はすでに独立リーグを運営しているし、立派な球場もある。人口も多く、新幹線があって首都圏からの選手の移動も楽だ。問題は球団のスポンサーだろう。チーム名はおそらく新潟アルビレックスになるだろうが、その際スポンサーを入れて新潟○○アルビレックスとすればいいだろう。
 静岡は草薙球場がフィールドシート付きに改装されあとは足りないのは付加価値の高いゴンドラシートぐらいだ。静岡は隣の浜松の方が人口が多く、ヤマハ、ホンダなど有力企業も多い。ここに練習場を置いて集客につなげたいところだ。また東海道新幹線の沿線なのもポイントが高い。
 松山は野球熱と坊ちゃんスタジアムの器はいうことがないが、新幹線がないなど交通が不便なのが難点だ。それに松山だけでは平日の集客に問題があるので、高松、徳島、高知といった他の四国の都市にも遠征して、四国という地域性で鳩合する必要がある。四国4県はそれぞれ微妙に県民性が違い、独自性が強く、近畿の大阪、九州の福岡のように明らかな代表都市がないのが特徴だ。まんべんなく移動すると、遠征費用が掛かってしまうのが難点だ。さらに地域交通も高速バスが最速という有様。四国の各都市の連絡を考えれば高松の方がいいが、野球熱と人口は松山の方上回るのが難しいところだ。
 那覇は人口が最も少なく、集客に苦労しそうだ。しかも問題は飛行機でしか移動できないので、台風シーズンは欠航の可能性が高く、試合消化に問題があることだ。それに他の球団が遠征費用がかかり歓迎されないだろう。
 そういう理由から筆者は那覇のNPB参入は難しいのでは考える。そこで那覇の球団は、台湾のプロ野球リーグに参入した方がいいのではないか。そちらの方が地理的に近いし、国際化という目的にも適うからだ。もちろん集客コンテンツとしては弱いものがあるが、台湾側にメリットが大きいので、長い目でみれば発展するのではないか。
 この那覇の代わり適当な都市が必要だ。筆者は神戸を提案したい。神戸はかつてオリックスが本拠地を置いていたし、そのオリックスは近鉄と合併し、自ら保有する京セラドームの試合を増やし、神戸にあったファームの施設も大阪南港に移している。あの天然芝の球場を活用しない手はない。参入企業としてはウルトラC的ではあるがオリックスがいいだろう。オリックス+神戸本拠地なら、あのイチロー氏が振り向いてくれるかもしれないからだ。オリックスバファローズは適当な企業に売却すればいい。ただし買ってくれればの話だが。
 また松山も交通が不便なので他の候補も考えていい。最大の人口を有する関東圏が有力だ。かつて川崎にはロッテオリオンズ、東京ドームには日本ハムファイターズが本拠地に構えていていたが、観客動員に苦しみそれぞれ千葉、札幌に移転した。しかし今は横浜DeNAは横浜スタジアムの集客に成功し、溢れたファンが神宮のヤクルト戦向かっているほどだ。関東に一球団増えたところで、かつてのような悲惨な観客にはならない気がする。川崎は位置的に最適だが、プロ野球を開催できるような球場がない。東京ドームをジャイアンツと共用する手もあるが、どうしてもジャイアンツが優先されてしまう。一番の解決策は、ジャイアンツが自費で築地辺りに天然芝の新球場を建設することだろう。そうすれば東京ドームは主がなくなるので、新球団が使えるというわけだ。ちょっと希望的観測だが松山の代替地は東京とした。
 16球団の割り振りだが以下のようにすればどうだろう
 ●セントラルリーグ
 ・東地区
  読売ジャイアンツ
  東京ヤクルトスワローズ
  横浜DENAベイスターズ
  静岡球団
 ・西地区
  中日ドラゴンズ
  阪神タイガース
  神戸球団
  広島東洋カープ

 ■パシフィックリーグ
 ・東地区
  北海道日本ハムファイターズ
  東北楽天ゴールデンイーグルス
  新潟アルビレックス
  埼玉西武ライオンズ
 
 ・西地区
  東京球団
  千葉ロッテマリーンズ
  オリックスバファローズ
  福岡ソフトバンクホークス

 パリーグは遠征に慣れているので遠方を担当してもらった。地域的にはライオンズは西地区にすべきだが、ホークスと同じにするのはレベルが不均衡なのでマリーンズを西地区にした。神戸をセリーグにしたのは東京にジャイアンツとスワローズがあるように大阪もタイガースともう一つあっても興業が成り立つのではと考えたからだ。
 実のところ筆者もこれがベストとは思えず再考したいと思う。
 この新球団構想で最も重要となるのは親会社を見つけることだ。しかしこればかりは手を挙げてくれないとわからない。ただいえるのは親会社となり得るのはすでに実績のある大企業ではなく、宣伝が必要な新興企業であることだ。過去のプロ野球の親会社もそういう変遷をしている。
 また選手層をどうするかも問題だ。これにはファームを廃止して、独立リーグを下部組織にして選手を委託する。1軍は40人のみとすることで経費を削減する。また外国人枠はMLB出身者を除いて撤廃する。どのみち少子化が進んで高校球界だけでは不足するのは明らかなので先取りするわけである。

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