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介護用車いすにカゴ置き場を設置 [介護]

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注意:この製作物はボール盤、旋盤などの工作機械が必要で、機械加工技術を要します。

 最近、母親の腰が悪くなり、歩くのも難儀になってきた。そこで知り合いから中古の車いすを譲ってもらった。実際に買い物に使ってみると不便な点があった。
 困ったのはスーパーでの買い物の際、カゴを置くところがないことであった。カゴを介助者が持つと車いすを押しにくいし、乗っている人の膝にカゴを置くと、タテにせざるを得ず不安定な上、買い物が進むうちに重くなるという致命的な欠陥があった。車いすに何らかのカゴ置き場を造る必要が感じた。
 まず、車いすの後ろにカゴ置き場を設けることにした。介助者が押すのは少し邪魔になるが、これには慣れるしかないだろう。さらに我が家では買い物に行く回数が少ないので、まとめ買いをする傾向がある。そのため買い物カゴは2つ必要である。そこで車いすの前に脱着できるテーブルを取り付け、その上にカゴを置くことにした。

1.後ろにカゴ置き場を取り付ける
 仕様としては以下の条件を満たす必要があった
 ・使わない時は収容できること
 ・車いすを折りたたんだ時に支障がないこと
 ・通常の買い物の重量に耐えること
 ・セッティングが容易であること
 ・安全性が確保されていること
 ・車いすの改変はできる限り避けること
 ・できる限り軽量であること
 ・使用者の年齢から長期間使用することはないので耐久性は最低限を確保する
 検討をした結果、車いすの車輪寄りのパイプに約50mm幅のL型アルミアングルを取り付け、そのアングル間に買い物カゴを置くことにした。アングルの根元は蝶番にして収容できるようにし、チェーンを三角形の斜辺を形成するステーとすることで強度を確保した。これはカゴの脱落防止も兼ねている。アングルにはカゴの底の穴に通るボルトを取り付け、同じく脱落防止とする。
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↑L型アルミアングル
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↑車いす側取付アングル
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↑蝶番
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↑蝶番を取り付けた
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↑アングルはこのように取り付ける
 チェーンの両端は釣りのルアーで使われるスプリットリングとした。普通のキーリングでは伸びてしまうからだ。車いす側のチェーン取り付け部は狭いので低頭ボルトを使用した。
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↑チェーン取り付け用アングル
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↑アングルは共締めにする
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↑隙間からチェーンを垂らす
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↑チェーン取付イメージ
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↑スプリットリングをかませる
 アルミアングルの固定はチェーンの余りを利用した。汎用のL型アングルを使用して、アングルをチェーンで巻き付け、犬の首輪にハーネスを取り付けるのに使うようなクリップで固定する。
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↑アングルはチェーンで巻き付けて固定
 実際に使用すると、チェーンがガチャガチャとうるさいので、チェーンにビニールチューブを挿入した。
 後ろに買い物カゴを置いた状態で介護者が椅子から離れると、重心が移動して椅子が前に持ち上がるので注意しなければならない。
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↑アングル収容時
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↑カゴ置き使用時
2.前テーブルを取り付ける
 前テーブルの基本イメージは板の両端に丸棒を取り付け、それをパイプに差し込み、板を肘掛けに渡して荷重を分散することにした。丸棒には蝶番を取り付け収容できるようにする。
 当初はベニヤ板の利用を考えたが、重量がかさむので、アマゾンで既製品を購入した。これは丸棒と受けのパイプがある。しかしこれには問題があった。丸棒が曲がらないので使わない時に邪魔になること、さらにパイプを車いすに取り付けると、丸棒が短くパイプ受けまで届かないことがわかった。つまりそのままでは使えないことがわかったのだ。
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↑開梱すると割れていた
 さらに根本的な問題として、送られてきたテーブルが割れて使い物にならなかったことだ。即刻、アマゾンにクレームを送った。その際梱包状態に問題がある旨を伝え再発防止を依頼した。何しろ樹脂製品なのに緩衝材がなく、中国からでなくても普通に扱えば割れるのが当然のような梱包だったからだ。アマゾンからは「直ちに代品を再送し、梱包を改善する。」との回答を得た。
 その後、代品が送られてきた。しかしあれほど梱包状態を指摘したのに、全く改善されていなかった。品物は割れていなかったが奇跡のようなものだった。
 しかし不幸中の幸いで、テーブルの脚となる丸棒が4本となったので、これを継ぎ足せば丸棒が短い問題は解決する。
 まずはテーブルの脚を折りたたみにする必要がある。折りたたみには蝶番を利用する。その蝶番を取り付けるのにアルミ角棒を用意する。その角棒に三つの穴を開ける。真ん中は丸棒を取り付ける。両端は蝶番を固定するのに使う。丸棒はその先端にあるM8ボルトで取り付けられている。そのめねじを利用する。蝶番の真ん中に穴を開けて、M8ボルトで固定する。ただし脚を立てた時に支障がないように、低頭ボルトを使用し、かつアルミ角棒にザグリを入れて逃がすようにする。
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↑使用した蝶番
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↑使用したアルミ棒
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↑アルミ棒を加工
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↑アルミ棒にはザグリ加工が必要
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↑テーブルに蝶番を取付
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↑脚の長さが足りない
 丸棒の延長については、延長分の丸棒を適当な長さに切り、塩ビパイプを差し込んだ。塩ビパイプの内径と丸棒の外形がハマらなかったので、塩ビパイプの内側を旋盤で加工して広げた。
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↑丸棒を切断
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↑丸棒を旋盤加工して塩ビパイプに入るようにした

 丸棒を受けるパイプは基本的にそのまま利用した。しかしパイプ径が太かったので、ゴムシートを巻いて調整した。
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↑テーブルの足を受けるパイプ
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↑足受け取り付け位置
 テーブル収納時は脚を内側に曲げる。脚が長いので交差してしまうが、脚は回転するのでかわすことができる。脚が暴れないようにダイソーで買ったバンドで固定する。
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↑完成イメージ
 テーブルは車いすを折りたたみ時は、座面に置き、車いすを使う時には、後ろに設けた袋に収容する。テーブルを使用する時に脚を立てて差し込むわけである。強度にやや不安があるものの買い物や食事用のテーブルとしては十分だろう。
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↑取り付けたテーブル
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↑かごを置いてみた(前)
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↑かごを置いてみた(後)
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