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平成最後の資格~刈払機安全衛生教育受講 [資格]

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 2019年3月、管理人はある資格の取得を目指していた。合格していればそれは「平成最後の資格」となるはずだった。しかし自己採点の結果不合格が判明した。平成はあと1ヶ月ぐらいしか残っていない。この失敗の穴埋めに何か資格が取得できないだろうか。
 この世にある資格は様々である。すでに管理人が取得したものでは、運転免許のようにそれがないと法律で罰せられるというのもあるし、特殊無線のようにそれがないと従事できないものののその必要性が低いものや、アロマテラピーのようにどうでもいいものから、赤十字救命士のように資格というよりも講習が意味があるものもある。
 そんな中でも既に持っている資格の中でも取得が容易だったのは、フォークリフト、クレーン、玉掛けの技能講習だ。これらはすべて勤務先で必要なものだったので、会社が費用を負担してくれた。初日は座学で、2日目は実技講習と試験。その後にごく簡単な筆記試験があって、ほぼ即日に受講証明書が発行されるというものであった。費用はおおむね1万円ぐらいで、お金と時間さえあればほぼ確実に取得可能だ。こういう技能講習はそれがないとその作業に従事できないというよりは、労働災害を防止するために厚生労働省が講習を受けるように企業に勧めているものだ。講習は厚生労働省の外郭団体が産業機器メーカーに委託して行っており、高い費用はおそらく外郭団体に天下りした役員報酬に使われているのだろう。
 そう思うと面白からずな気持ちになるのだが、とにかくほとんど無試験で取得できる資格として、その時点で急浮上することになった
 労働現場において、危険有害な作業を行うにあたって、一定の技能講習を受講したものを従事させるために、就業を制限したものや、就業を制限されたものに就くために受けるべき講習があり、学科と実技による講習と簡単な修了試験のある技能講習と、講習を聞くだけで修了証をもらえる特別教育がある。技能講習であっても実技・試験がなかったり、またその逆もあったりして例外もあるのだが、おおざっぱにいえば、技能講習の方が特別教育の方が格上であり、つまりは技能講習の仕事は危険度が高いというわけだ。
 管理人が持っているクレーン、玉掛け、フォークリフトはこの特別教育で修了したものだ。
 しかし特別教育のさらに下にほぼ講習のみという安全衛生教育というのがあり、以下のようなものが指定されている。

振動工具取扱作業者
造林作業の作業指揮者等
木造建築物解体工事作業指揮者
揚貨装置運転士
クレーン運転士
移動式クレーン運転士
フォークリフト運転業務従事
ボイラー取扱業務従事者
ボイラー溶接業務従事者
ボイラー整備
チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者
機械集材装置運転業務従事者
ストラドルキャリヤー運転業務従事者
玉掛け業務従事者
刈払機取扱作業者
建設工事に従事する労働
丸のこ等取扱作業
車両系建設機械(基礎工事用)
車両系建設機械(整地、運搬、積込、掘削用)
職長

 要するに特別教育より取得を簡単にしたものだ。表向きの理由は労働者の安全意識を向上させて労働災害を防止するということだが、やはり天下り先の外郭団体の仕事を確保するためだろう。
 それはともかく管理人はこの中の「刈払機取扱作業者安全衛生教育」を受講することにした。刈払機とは要するに草刈り機でよく堤防とかで雑草を刈るに使っている、あの棒の先に小さな回転のこぎりを取り付けた機械だ。この刈り払い機はこの教育を受講しなくても使えるのだが、官公庁の仕事を受託する場合はこの教育を受けていなければならないといういうことで、企業に受講を勧めているわけだ。
 講習は地元和歌山でも行われていて、月1回のペースで4月は水曜日の実施だった。こういう講習は企業向けなので平日なのは仕方がないのだけれども、どうせ有給休暇を取るのなら次の日は休みにしたい。金曜日に近畿でやっているところはないのだろうか。あった。
 4月26日、大阪府茨木市のキャタピラー教習所で刈払機の講習があることがわかった。茨木とは遠いが、前泊するほどのことではない。講習が終わったら、大阪のホテルでのんびりしよう。そう決まったところで、講習費用10500円を払い込み、写真付きの申込書を郵送した。返送されてきた受講証の番号は5番だった。講習まで日がないのにこの若い番号は人気のなさを感じさせた。

4月26日金曜日、電車を乗り継いでJR茨木駅にやってきた。平日の通勤時間帯に大阪方面の電車に乗るのは久しぶりだった。8両編成でも混んでいて、進行方向逆に辛うじて座れた。サラリーマンが大股で歩く大阪駅に降り立った時、いつも田舎企業にバイク通勤なので、もしスーツを着ていればエリート社員になった気分になれるのになあと思った。しかしこの講習は作業服に安全靴が望ましいとされている。管理人は作業服ではなくジーパンだったが、靴は普段バイク通勤で履いているワークマンで買った防水シューズが安全靴そのものなのでそれを履いてきた。つまりエリートとは程遠いブルーカラーであった。
 キャタピラー教習所は国道170号線沿いにある。茨木駅からは阪急バスに乗る。下井バス停から歩いて5分。広大な敷地のキャタピラー教習にやってきた。販売ではなく講習専門の施設で、すでにクレーンの実習講習が始まっていた。
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↑茨木キャタピラー教習所
 講習予定表にベトナムの国旗があった。今や建設作業員は外国人労働者に頼っている状態であり、ベトナム人労働者にも当然安全教育を施さねばならない。しかし彼らは日本語はわからないので、女性の通訳が奔走していた。
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↑クレーンの教習中
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↑予定表にベトナム国旗
 受付を終えると2階の講習室に案内された。受講番号順に座る座席指定であった。ほぼ教室が埋まっていた。
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↑1階が事務所2階が教習室
 講義は9時から開始された。講師の顔はモノマネ芸人の松村邦洋に似ていた。
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↑教室

 刈払機講習は13名の参加。その内2名が私と同じ触ったことのない初心者。大体は会社から来ているらしく、作業服を着た人もいる。ジーパンを穿いた初心者は3名ぐらいだった。
 講習はパソコンと大型スクリーン。パワーポイントとメディアプレイヤーで動画再生と平成後期では一般的になった講義スタイルで突き進んでいった。

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↑テキスト
講習は超眠たく、何度もこっくり来た。特に法規の説明は法律で義務づけられているので割愛できないが、講師も受講者も我慢しなけければならなかった。動画では主に事故の事例が紹介された。

 昼食はQUOカードを使って幕の内弁当を買い、教室で食べた。ベトナムの人たちはコンビニの食事は口に合わないのか、自分たちで麺を持ち込んでフォーのようなものを作って食べていた。
 肝心の実技講習で激しい雨が降ってきた。やったことは教室の中で実際に刈払機を担いだことと、雨が上がってから外に出てエンジン始動を見学しただけである。
刈払機の持ち方
1.ベルトを肩に掛ける
2.機械を手に持たずに刃が地平に対して5度を保つようにベルトを調整する
3.左手は軽く添え、5cmほど沈めて、刃を傾ける。
4.右から左に刃を移動させる
5.キックバックを避けるため左から右には移動させない
6.半歩ずつ前進する
7.小石には注意する
8。蜂・蛇にも注意する

キックバックとは切断した草や石が作業者に向かって飛んでくることである。歯は上から見て反時計回りで回転しているので、左半分に当たったものはこちらに向かってくるわけだ。
 草むらには蛇や蜂がいる。蛇は何もしなれば大概は逃げるが怒らせると攻撃に転じ噛みにくる。蜂も同様である。足下と顔のガードが必要だ。それに蜂は休憩での飲み残しのジュースの中に潜んでいることがあるので注意しなければならない。
 あとこの作業は手に振動を受け障害が発症することがあるので、1日の作業は2時間以内し、30分以上の連続作業は避け、5分以上の休止時間か、鎌など手工具による除草作業に変えたりすることが規定されている。しかし実際に守られているかどうかはわからない。

エンジン始動要領
1.チョークを閉じる
2.スポイトのようなポンプを指で動かしシリンダーに燃料を供給
3.コイルコードを引き、ポンポンと初爆音を確認する
4.チョークを開きコイルコードを引く
5.エンジン始動を確認
6.エンジンを切るにはKILLスイッチを押すか、チョークを閉じる

 草刈り機は2サイクルエンジンを使用している。小型軽量で高速回転するこの用途にはふさわしいといえるが、シリンダー内でエンジンオイルが一緒に燃えるので排ガス規制をクリアするのが難しく、4サイクルエンジンに置き換わりつつあるらしい。このエンジンを見ていて疑問に思ったのはバッテリーがないことだ。セルモーターの代わりとなる始動はコイルコードがあるからいいとしても、スパークプラグの電気はどこから供給しているのだろう。いろいろ考えたがどうやら出力軸と同軸で回る発電機から直接供給しているらしい。間違えていたら指摘してほしい。
 それにしてもテキストを見てもエンジン付きの刈り払い機の説明しかない。ホームセンターでは電動式の刈り払い機も売っている。プロはそういうのを使わないのだろうか。
 16時30分に講習が終わり、写真付きの修了書が配れた。これが平成最後の資格となった。資格といっても何の勉強もしていない。講義を受けただけだ。資格といえるものではないかもしれないが、履歴書には書ける。それなりに意義があるのだと自らに言い聞かせる。
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↑修了証
 16時45分発のバスに乗って茨木へ。大阪駅から御堂筋線で難波へ。
 予約していたカプセルホテルアムザに着いたのは17時45分頃。ここは管理人の大阪の定宿である。カプセルなので運が悪ければ泥水者のいびきに悩まされるが、風呂が広く、くつろげるスペースも広い。漫画も新聞も置いてある。疲れていればマッサージもある。
 風呂に入って、ホテル内にある「男はつらいよ」で一献。このアムザは風呂もカプセルもいいが、食事が弱い。「男はつらいよ」は高い割に量が少なくしかも美味しくない。
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↑文句を言ってますがやっぱ酒はイイネ
 したたかに酔って21時にはカプセルで寝込んだ。0時頃宿泊客の口論で目が覚めた。また寝て4時頃起きて風呂に入りまた寝た。カプセルならでは行動だ。床で寝ている人がいるので踏まないように気をつけないといけない。
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↑カプセル内部(頭から足に向かって撮影)
 翌日8時に起きて朝食を食べ、次の目的地に向かった。
 令和初の資格はいったい何になるのだろう。勉強するのが面倒になれば、この「安全衛生教育」を利用するかもしれない。
タグ:刈払機講習
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