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北陸新幹線乗車記(日本鉄道完乗タイトル奪還) [鉄道]

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【序章】
 2015年3月14日、北陸新幹線の長野ー金沢間が開業した。日本鉄道完乗記録保持者(詳細はこの記事を参照)としては、当然乗車してタイトルを奪還したいところである。開業日は混雑しているだろうから、それを避け、その翌週に乗車することにした。
 北陸新幹線開業と同時に並行在来線がJRから経営分離分割され、第三セクターの「しなの鉄道」「えちごトキめき鉄道」「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」がその運営に当たることになった。管理人の全線完乗定義では、運営会社が変更されても再乗の対象としないのだが、今回は金沢ー長野間を新幹線と在来線で往復して乗り比べることにした。
 北陸新幹線開業と同時に、富山地方鉄道が運営する路面電車が、新装なった富山駅ビル内に直接乗り入れることになり、富山駅前電停から約200m延長されることになった。これは新線開業扱いだから、当然乗車対象となる。
 また高岡市の路面電車を運営していた加越能電鉄が、2002年に万葉線株式会社に経営譲渡していた。前述したように、この場合は筆者の完乗定義から再乗の対象外であるから、放置していた。しかし2014年3月29日、高岡駅停留所が駅ビル内に移転し、営業距離が100m延びた。つまり管理人の日本鉄道完乗記録はこの時点で剥奪されていたことになる。しかしあまりに短い距離なので、本人も重要視せず、他人にはそんな細かいことを説明せず「俺は日本の鉄道に全て乗った」と自慢していた。つまりこれは民法上、虚偽表示に該当するものであろう。
 これを避けるためには、万葉線にも乗車する必要がある。ただ全区間乗る必要はなく、延長された区間を対象とした。
 また鉄道に乗るだけでは愛想がないので、高岡市で観光することにし、初代加賀藩主前田利家の長男、利長の菩提寺である瑞龍寺の参拝と、高岡市出身の漫画家藤子F不二夫展が高岡市美術館で開催されているのでそれを観覧することにした。
 ところが、当初予定していた日帰りでは、観光時間を捻出できないことがわかった。北陸新幹線を夕方以降に乗れば、それは可能なのだが、初めて乗る鉄道は明るいうちに乗りたい。
 そこで大阪から金沢まで夜行バスを利用することにした。ところが2月末に予約しようとすると、すでに満席であった。座席が4列の青春ドリームな空席があるのだが、年寄りには狭いシートはつらい。仕方がないので、
金沢には前泊することにした。大まかな日程は次のようなものになった。

今回の日程
3月20日(金)
大阪からサンダーバードで23時30頃金沢着

金沢宿泊

3月21日(土)
金沢から北陸新幹線かがやきで長野へ

長野からしなの鉄道北しなの線で妙高高原

妙高高原からえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインで直江津へ

直江津からえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインで泊へ

泊からあいの風とやま鉄道で富山へ

富山市内線乗車

あいの風とやま鉄道で高岡へ

高岡市内観光=瑞龍寺、藤子F不二夫展

あいの風とやま鉄道IRいしかわ鉄道で金沢へ

土産物購入
金沢からサンダーバードで大阪へ

和歌山に帰宅

【まずは金沢へ】
 少々あわただしく仕事を片づけ、早い目に帰宅して夕食。風呂に入らず、阪和線で大阪駅に向かった。
 大阪駅の発車メロディーはやしきたかじん氏の「やっぱ好きやねん」となって1年近く経過し、他の環状線の駅にも導入させることになった。
 大阪を題材にした名曲としては、「やっぱ好きやねん」の他にはBOROの「大阪で生まれた女」、上田正樹の「悲しい色やね」があり、この3曲をもって、大阪三大ブルースだと自分では思っているし、異論のない方も多いだろう。ところが、この2曲は発車メロディーに採用されていないのである。「悲しい色やね」にふさわしい弁天町が「線路は続くよどこまでも」、「大阪で生まれた女」がふさわしい鶴橋が「ヨーデル食べ放題」なのである。おそらく権利関係で実現しなかったのだろうが、納得のできないところである。ただ新今宮がドヴォルザークの「新世界」は秀逸な選曲で、利用者も好評のようだ。
 北陸本線の列車は大阪駅の最も北側にある11番線から発車する。これは新装される前からそうで、この11番線は長距離旅行客が多く、他のホームと異なる雰囲気を呈していた。新装されてからは、さらに豪華な雰囲気となっている。
 酒とつまみを買い込み、特急サンダーバード金沢行きに乗り込む。
 指定席に座る。JR西日本の特急らしく、グレードの高いシートだ。特徴としては、前の座席の背面にあるテーブルの他に、肘掛けにもドリンク用テーブルがあることだ。
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↑サンダーバード車内
 新大阪、京都、堅田と乗客を増やし、最終的には50%程度の乗車率だった。
 ほぼそのままの乗客で金沢に着いた。北陸新幹線開業に伴い、サンダーバードは全列車金沢止まりとなった。富山方面に向かうには金沢で北陸新幹線に乗り換えることになる。乗客の流れを見てみると、約半数が新幹線に向かっているようである。まだまだ関西ー富山間の流動は無視できないほど大きい。乗り換えは乗客に不便を強いることになるが、金沢駅の乗り換えは上越新幹線の越後湯沢乗り換えに比べて抵抗が少ないのではないだろうか。新幹線の乗車時間も短く、「横に動くエレベータ」のような感覚だ。ここは無理してホーム上乗換しなくてもいいように思った。
 金沢駅前は新幹線開業に合わせ立派になった。金沢市は駅前はホテルが多く立ち並ぶが、商業施設は駅から離れているのが難点だ。現在地下にある北陸鉄道の金沢駅から繁華街のある香林坊を経由して野町まで地下鉄を建設するのはどうだろう。いいアイデアだが、誰がお金を出すのかが問題だ。
 予約していたホテルエコノ金沢に到着。風呂に入ってさっぱりして明日に備える。

【いよいよ北陸新幹線】
 早い目に起きて、バイキングの朝食。ここの朝食の特長はカラオケボックスによくあるソフトクリームが食べられることだろう。
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↑朝からソフトクリーム
 金沢駅。木を組み合わせた鼓門の前で記念撮影する人が多数。これは新幹線開業前からあったのだが、そのときはそのような人はいなかった。おそらくこれは新幹線効果であろう。
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↑金沢駅前名物「鼓門」
 北陸新幹線は従来どおり長野止まりの「あさま」の他、停車駅を絞って速達を目指した「かがやき」と北陸地区を千鳥停車する「はくたか」、金沢と富山間のみを往復する「つるぎ」が設定された。
 北陸新幹線の金沢開業はタブーを犯した。それは初めて新幹線列車の愛称に音読みが採用されたのである。「はくたか」がそれに該当する。訓読みを採用すれば「しろたか」になってしまう。別な愛称も考えられたが、「はくたか」は既に地元で定着していることから、音読み解禁となったのだろう。これは仕方がないとして、リニア新幹線も含めて新幹線愛称は和名に今後ともこだわってほしい。サンダーバードなんて真っ平御免である。
 開業からまだ1週間しか経っていないので、おのぼりさんが徘徊している。記念入場券も売れているようだ。乗客もざっと3分の1ぐらいが初体験組のように思える。そこかしこでカメラを向けている。特に新幹線の先頭車は人気が高い。
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↑この先頭車の撮影が人気
 グランクラスにしても本来想定される重役クラスの客ではなく、鉄道ヲタクが多いようであった。それは結構なのだがグリーン車の価値が落ちてしまっているような気がする。特に北陸新幹線はビジネス客が少ないので顕著である。グランクラスが本当に必要なのは東海道新幹線であろう。
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↑かがやきの乗車券特急券
 かがやき504号東京行きは定刻7時47分に約30%の客を乗せて発車した。
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↑車両デッキ
 7号車指定席は3列+2列の一般的な座席である。全席にコンセントが備わっている。立派なACコンセントだが今後はタブレットが主流になるから、USBジャックの方が利便性が高いだろう。座席そのものは前夜に乗ったサンダーバードの方がよかった。しかしさすがは最新式の新幹線。スラブ軌道はほとんど揺れを感じさせない。なるほど新幹線はうなぎで在来線はあなごなのかもしれない。
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↑かかがき車内
 富山で80%の乗車率となった。富山ー東京間は航空便が存在するが、金沢よりも東京に近い富山は、新幹線の圧勝が予想された。たぶんそのせいで乗客が多いのだろう。富山県は富山空港への投資はほとんど行わなかった。しかし富山県庁の東京出張は飛行機を利用することになっているという。それは航空会社が安い運賃を設定したためと、空港の利用率を上げて廃港をさけるためだろう。マイレージや国際線との乗り換え、あるいは横浜方面へは飛行機の方が便利な場合があるので、空路はなくなりはしないだろう。
 新幹線はトンネルが多い。景色に見とれていても、すぐに防音壁とトンネルに阻まれてしまう。トンネル走行中は電波が届かない。スマホ中毒者にはつらいものだろう。いずれは改善されるだろうが、東海道新幹線が全線で電波が届くようになったのはつい最近だ。北陸新幹線が対応させるのは5年ほど先だろう。
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↑景色は一瞬しか見えない
 まだ雪の残る飯山を通過し、8時53分長野に到着した。金沢発車から1時間強しか経っていない。まさに新幹線の威力だ。
 北陸新幹線の将来性などの検証は別のコラムを立ち上げたいと思う。

【しなの鉄道北しなの線】
 長野では観光をせず、在来線を乗り継いで金沢に戻る。まずは9時22分発の「しなの鉄道北しなの線」に乗る。スノーボードを担いだ客などいて、4両編成でも混雑している。飯山線が分岐する豊野を過ぎるといきなり山岳線の趣に早変わりする。車両は国鉄時代から活躍している115系だ。モーターの唸る音など完全に昭和の記憶だ。第三セクター開業すると、新たに新車を導入したりするものだが、115系をそのまま使い続けるのも、鉄道ヲタクを刺激するかもしれない。あるいは国鉄時代の塗装に変えてしまうのも、映画のロケに使われて有名になるかもしれない。ものは考えようなのである。
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↑しなの鉄道の車両
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↑山間部は雪が残る信濃路
 終点妙高高原でスノボ客は降りた。
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↑妙高高原駅着

【えちごトキめき鉄道】
 3分の接続でえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗る。2両編成ロングシート車。
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↑えちごトキめき鉄道の車両はほぼJR東日本

乗客は10数人。おそらく北陸新幹線の並行第三セクターの中でも最も乗客が少ないだろう。左窓には妙高山がその雄大な姿を見せている。
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↑妙高山を望む

二本木のスイッチバックは健在だ。20数年前、筆者が初めてこの線に乗ったのは真夜中だった。突然、列車がバックし驚いたのを思い出す。
 北陸新幹線が接続する脇野田改め上越妙高駅からはそこそこ乗客が乗ってきた。ここの駅名に上越を入れるかどうかずいぶん議論された。確かに所在地は上越市にあるのだが、上越新幹線と混同される懸念があった。最終的にはJR東日本の決断により上越妙高となった。ここはJR東日本と西日本の境界駅なのだが、乗務員交代は長野で行われている。ならば長野を境界駅とすればいいのだが、そうすると並行在来線は別会社となるため、JR東日本は長野-直江津間を存続させる義務が生じてしまう。上越新幹線との誤乗防止は上越妙高行きを設定しないことで対応するのだろう。
 そんな上越妙高駅だが新幹線開業に合わせて、乗り換えの利便性を高めるために線路の付け換えが行われている。

↑線路付け替え部
 乗客が徐々に増えていって直江津着。ここでは56分の待ち合わせ。昼食時間に当てることにした。駅前のハイマートというホテルの2階にある多七というレストラン。めぎす丼は結構いけていた。
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↑直江津駅
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↑めぎす丼
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↑めぎす丼を直江津名物にしようとしているみたい

 第三セクターは地域輸送が主力で連絡運輸は限定的にしか行われていない。従って長野から金沢まで第三セクターを乗り継いで乗車券を買うことができない。途中下車もできないだろうから駅に降りる度に買うしかないと思ったし、また自動券売機は富山が最以遠になっていたし、別に深い考えもなく、2080円払ってボタンを押した。すると切符には「2日間有効」とあった。つまり途中下車は可能であることを示している。それなら窓口に並んで高岡若しくは金沢行きの乗車券を買えば、少しは安く買えたかもしれない。どうせ3セクは途中下車前途無効だと思いこんでいた自分が悪いが、もう少し調べておけばよかった。あとで調べてみると、越後鉄道と富山鉄道は直江津からは富山までしか連絡運輸をしておらず、結局この買い方をするしかなく、しかも安いことがわかった。
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↑2日有効の乗車券

●途中下車利用
直江津(1200円)泊(2220円)金沢=3420円
●実際に買った切符
直江津(2080円)富山(360円)高岡(820円)金沢=3260円
 複雑な運賃制度なので遠距離逓減制が利いていないようだ。
 11時50分発の泊行のワンマンカーは離れた1番線から発車する。交流直流が混在する電化設備の利用を避けるため単行の気動車が使われる。車両は新しい。オールクロスシートでシートピッチも広い。
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↑ワンマンカー車内
 北陸本線は高速向きに作られている。ほんの1ヶ月前までは越後湯沢行きの特急が疾走していたのだ。しかし今は巨大な設備だけが残りちんまりした車両が走る。貨物列車も走っているが、山陽本線に比べその本数は遙かに少ない。
 景色は日本海と中央アルプス北限を望み最高だ。速度は新幹線に完敗だが、景色は完勝だ。展望車がほしい。地域輸送だけではじり貧確実だ。新幹線で来てもらって、帰りの一部だけでも利用してもらおうと思ったら、展望車や食堂車を連結するべきだ。それらには別途利用料金を徴収するが、スマホを利用した決済システムを採用すれば経費を圧縮できるだろう。
 糸魚川では30分ほど停車する。幹線時代の長いホームにはベンチがあるだけで、売店もなく、かつての栄光を示すのみだ。取り壊すのもお金がかかるが、無駄な固定資産税を払うことになる。いや3セクは県の所有だから無税なのか。
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↑糸魚川で長時間停車
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↑今や無駄に長いホーム

【あいの風とやま鉄道】
 えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインは県境の市振から先があいの風とやま鉄道となるが、この付近の拠点である泊で接続を行う。同一線路に縦列停車して二つの会社の車両が並ぶ。これは少しでも乗り換えを便利にするためだが、同一線の場合、追突防止のために進入速度が遅くなる。とやま鉄道の車両が見えているのに一向に近づいてこない。
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↑縦列停車する列車

 19分の待ち合わせで13時47分に泊を発車した。まるでJR西日本のような茶系統の車内。それもそのはず、これは西日本の521系そのものなのだ。それだけでなく、とやま鉄道はIC乗車券ICOCAもまもなく使えるようになる。各駅にはICチャージとセンサーがカバーを掛けて置かれている。
 泊からは石動までは沿線人口が多い。有人駅も多い。このあたりは駅間距離が長いから、おそらく何駅か新設されるだろう。IC乗車券は無人化への布石なのだろう。
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↑ICOCAまもなく導入

【富山市内線はあっけなく】
 14時34分富山着。富山には富山地方鉄道の市内線、すなわち路面電車があるが、電停は駅から少し離れていた。しかし富山駅の高架化に合わせて、駅ビル内に電停を新設され、ビル内に引き込む分だけ路線が約200m延長されたのだ。延長されたのは北陸新幹線の開業日3月14日であった。
 まだ工事が続く富山駅内の改札を抜け、わずかに歩いて右に曲がると路面電車が待っていた。雨に濡れることなく乗れるのは便利だ。クルマの利便性に勝つにはこれくらいのことはしないとだめだ。これはバスにも言えることである。
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↑高架下にある富山駅電停
 撮影のため1本遅らせた。電車に乗ると駅前広場をぐるんと回り、元々「富山駅前」と称していた「電鉄富山前・エスタ前」に着いた。自分と同類なのか、ここで降りた客がいた。しかし200mで運賃200円は高いのでしばらく乗ることにした。さらに3つめに桜橋という停留所で降りた。そこがどこなのかさっぱりわからなかったが、堀の中に観光屋形船が浮かんでいた。歩いて富山駅まで戻る。

↑富山市内線延長区間
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↑桜橋電停
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↑堀に屋形船が浮かぶ
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↑新装なった富山駅

【高岡観光】
 15時13分発のとやま鉄道で高岡へ。
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↑あいの風とやま鐵道の乗車券
 車内は混んでいて座ることができなかった。15時30分高岡着。高岡駅は橋上駅化された。しかし駅舎は新幹線駅となった新高岡の方が立派だろう。高岡駅を南に10分ほど歩き、瑞龍寺に行く。ここは加賀前田藩の2代目前田利長の菩提寺だ。財力のある前田氏らしく立派な伽藍を備え、国宝も存在する。宗派は曹洞宗なので禅寺である。禅宗の寺は回廊が特徴で、全体として簡素な造りだ。仏像も小ぶりなのが多い。形よりも実践を重んじているわけだ。
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↑高岡山瑞龍寺

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↑伽藍
 住職が面白い講義をしている。座って聴きたいところだが時間がないので読経して退散する。
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↑本堂
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↑炊事場
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↑控えの間(電気掃除機で掃除中)
 御朱印帳は本堂ではなく、拝観料を払った小屋で書いてくれる。あらかじめ渡しておくと書いてくれるらしいが、私はお参りしてから書いてもらうのが当然だと思っているのでできるだけ避けている。
 寺の山門から直線で15分ほど歩けば、前田利長廟がある。しかし私はそこに行かずに、高岡市美術館に行くことにした。期間限定で「藤子F不二雄展」をやっている。藤子F不二雄はここ高岡市出身なのだ。
 美術館は16時30分に閉門する。それほどの距離ではないが歩いて行くと間に合わない。私はタクシーを奮発することにした。しかしタクシーは寺の門前はもちろん、流しは拾えなかったし、高岡駅南口には1台もなかった。北口には数台常駐していた。
 福祉タクシーという黒いミニバン型のタクシーに乗った。スライドドアは自動に開いた。車椅子の場合はリアゲートが開いて、リフトで上がるようだ。高齢化が進む日本社会ではあと10年ほどでタクシーはハイブリッドもしくは電気自動車になり、車体はミニバンになるだろう。
 駅からは1キロほどしか離れていない。ふだんならこんな近距離のタクシーは絶対乗らない。料金は790円。16時24分に着いた。ぎりぎり間に合った。
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↑高岡市美術館
 入場料は1200円。藤子氏の原画が見えたし、ドラえもんは自分も幼少の頃単行本を揃えていたので懐かしく思えた。展示物は30分もあれば見えた。グッズはもう一つデザインが良くない。ドラえもんが中心だが、もう少し他のも欲しいところだ。クリアファイルだけ買った。もう17時の閉館時間だ。
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↑買ったクリアファイル
 高岡市役所の前を通る。「祝・北陸新幹線開業」は当然として、「かがやき新高岡停車」の垂れ幕がある。垂れ幕の下には小さく「一日1往復」とある。今は速達性を重視しているので、ほとんど通過しているかがやきだが、中心部から離れた新高岡駅が認知されれば、あと数年もすれば、新高岡全列車停車となるだろう。掲示板には迷い犬の情報もある。
抑留犬
柴犬 メス 5歳程度 茶色 小型 2月15日捕獲
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↑高岡市市役所
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↑抑留犬の掲示
 歩き疲れたわけではないが臑が痛い。
 志貴野中学校前電停から万葉線に乗る。万葉線は高岡市の路面電車だが、どちらかというとローカル私鉄が間違って路面を走っている感じだ。1時間に4本と、路面電車にしては少ない。17時41分発まで13分ほど待った。
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↑志貴野中学校前電停
 車内アナウンスは新湊出身の落語家がやっている。この万葉線は前述の富山市電のように、駅ビルに乗り入れるように路線が変更されている。わざわざ万葉線に乗ったのはそのためだ。
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↑ビル内の高岡駅電停
 17時55分発のとやま鉄道で金沢へ。いつの間にかIRいしかわ鉄道にはいつの間にか入っていた。せっかく乗ったいしかわ鉄道だが、何の印象もなく18時25分金沢着。
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↑IRいしかわ鉄道乗車券
 それにしてもこの長たらしい第3セクターの社名は何とかならないだろうか。管理人としては以下のような名前に変更を希望する。

現名称          希望名称      理由
しなの鉄道        信濃鉄道  漢字の方が格好がいい
えちごトキめき鉄道   越後鉄道  エッチ後トキめきってなんかセンスない
あいの風とやま鉄道  富山鉄道  富山地方鉄道の愛称は「地鉄」だから問題ないはず
IRいしかわ鉄道     石川鉄道  なんか文句ある?IRの意味は。

もしかしたら登録商標の権利関係でシンプルな名前にできなかったのかもしれない。

【帰宅の途に】
 大阪行きのサンダーバード44号は19時43分発。この間に食事をするつもりだったが、どこも混雑しており、吉野家の牛丼にせざるを得なかった。その代わり車内で一杯するための酒の肴を増やした。
 お土産は百番街で調達した。芝の笹寿司、中田屋のきんつば、俵屋のきなこ飴、諸江屋の落雁。
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↑金沢のお土産
 サンダーバードは少しでも安くするため自由席にした。また車端の座席を確保して充電用のコンセントを利用したかったのである。
 買った地ビールは旨かったが、量が物足りない。
 車内は食べる、眠る、ぼんやりする以外何もすることなく過ごした。
 大阪駅から阪和線に乗り換え、自宅に着いたのは0時10分。居眠りしたせいでなかなか眠れず、追加でビールを飲んだ。
 こうして筆者の日本鉄道全線完乗記録は再び認定されることになった。
 2015年は仙台地下鉄東西線が開業する。また乗りにいかないと、認定は取り消されることになる。そのときはまた乗りにいくことになる。この旅行記の読者が日本に何人いるのか知らないが、その時をお楽しみにお待ちくださいませ。
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