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ジャパンカップダート名称変更 [競馬]

 2014年度よりジャパンカップダートがチャンピオンズカップに名称を変更され、同時に開催地も阪神から中京に移されることになった。
 もともとジャパンカップダートは存在意義が今一つ薄いG1競走であった。設立された2000年においてはジャパンカップの前日土曜日の開催で一般の認知が低く、馬券売り上げも低迷した。2004年度はジャパンカップと同日開催で売り上げが100億円をようやく突破した。その後土曜日開催に戻ったが、2007年に売り上げを102億円台に乗せたものの、他のG1比べると見劣りする状況は変わらなかった。 ジャパンカップダートといういささか安直な名前も問題があった。いわゆるダートの本場アメリカでは芝をターフと呼ぶことがあっても、当然のことながらダートをそのようにわざわざ呼ぶことはない。そもそもダートはダーティという言葉で分かるように「汚い」というイメージの悪い単語である。それにアメリカの馬場はダートといっても、赤土であり、日本のダートのように砂を中心に構成されたものではない。アメリカ人が抱くダートとは別物なのである。
 またアメリカからの一流馬を招待しようにも、ほぼ3週前に一流馬の大目標であるブリーダーズカップが開催されている。ブリーダーズカップに参戦後、いかに輸送費持ちの招待制とはいえ、長距離遠征のリスクを背負って日本にやってくるアメリカの馬は、予備登録こそ多かったものの実際に遠征してくるのは数少なかった。
 仮に遠征を決意したところで海外陣営には困難が待ち受ける。日本の検疫はドバイや香港のそれに比べて厳しく、拘束時間も長く、調教にも不自由だ。さらに東京競馬場のコースにしても直線が長く、しかも坂がある。同じ左回りでも小回り平坦がほとんどのアメリカと大いに異なる。しかも2100mという微妙に長い中途半端な距離も、海外陣営にとって不安材料であった。
 こうした状況を鑑みて、JRAは2008年より、開催を1週繰り下げ、阪神1800mに開催を変更することになった。売り上げは6割り増しの160億円となり、売り上げ面での改善は果たされた。しかしアメリカでは存在しない右回りダートは外国馬を戸惑わせるに十分で、中には逸走気味に走る馬もいて、2008年こそ3頭の出走馬があったが、2009年のティズウェイを最後に外国馬は出走しなくなってしまった。
 このように賞金が諸外国に比べて高いという魅力だけでは海外の馬を呼ぶに十分でなく、やがて国際招待競走にも関わらず、招待馬ゼロという年が普通になってしまった。もはやジャパンカップダートは海外の強豪と日本馬の対決する場ではなく、JBCクラシックと東京大賞典に挟まれた、日本のダート馬のための高額賞金レースとなってしまった。ダート馬は高齢まで活躍し、馬資源も少ないので毎年同じようなメンバーで戦うことが多く、ファンも興味ももう一つで、ドバイワールドカップへの壮行レースいう意味合いのあるフェブラリーステークスよりも存在の薄いものとなった。
 そこでJRAは新装なった中京競馬場にジャパンカップダートを開催を移すことにした。また国際招待制をやめ賞金も減額した。しかしせっかくダート世界主流の左回りの中京に移したのに、もはや意味がないとはいえ、国際招待制をやめるのはどこか矛盾している。名称もジャパンカップダートからチャンピオンズカップに変更される。チャンピオンズカップとはジャパンカップダートと勝るとも劣らない安直さだ。どうせなら地元名古屋の大企業トヨタの名を冠してトヨタカップにしたほうがインパクトがあるように思える。
 秋のダート戦線はJBCクラシック、チャンピオンズカップ、東京大賞典が一流馬のとるローテーションとなるだろう。さらに年が変われば、川崎記念あるいはフェブラリーステークスを叩いて、ドバイを目指すことになるだろう。チャンピオンズカップに存在意義があるとすれば、左回りで坂がある1800mということだろう。東京大賞典が大井の右回り平坦2000mだから、左回りの得意な馬で距離が短い方がいい馬はチャンピオンズカップを狙ってくるだろうし、両方勝った馬は右にも左にも強い馬として評価されるだろう。JRAとしては単なるダート馬のG1としてではなく、このようなシリーズの下での重要なレースであることを大いに宣伝するべきである。地方競馬の宣伝力には限界があるので、一般人のJBCや東京大賞典の知名度は低いからだ。これらのレースの場外馬券場での馬券発売も奨励すべきである。
2013年10月27日筆
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