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2012年を振り返る [政治・経済]

 民主党野田政権は、ねじれ国会をどうすることもできず、「近いうちに解散する」との約束をして、自民公明民主の3党合意により、消費税増税法案が可決された。そして、公債特例法案を時限立法で国会の同意なしで赤字国債を発行できるように改定し、12月初旬に衆議院は解散した。民主党は閣僚クラスでも落選者がいるほどの大敗を喫し、自民党は単独で安定過半数、連立する公明党を合わせれば、参議院で否決されても、衆議院で再可決できる3分の2の議席を確保する大勝となった。
 民主党政権は子ども手当、高速道路無料化など目玉政策は全て完全に実現できず、行政機構のムダを省いて財源を捻出することもできず、消費税増税に走った。国民からもっとも期待された公務員制度改革も全く進まず、結局どちらが政権を獲ろうが、実際に政策を遂行する官僚の協力が必要であり、そのため彼らに不利益になるようなことができない。したがって、民主主義的手段では公務員制度改革が実現されることはないと証明された。唯一民主党政策で評価されるのは高校授業料無償化。これは所得制限が設けられるものの自民党の政策でも引き継がれる。しかし児童手当にしても、高校授業料にしても、所得制限が設けられるのは当然であろう。お金のある人に配って、財政が疲弊するのは莫迦げた話だ。
 外交面では民主党は完全に拙さをさらけ出した。昨年の普天間基地移転問題で、沖縄とアメリカの不信を買い、今年の尖閣諸島の問題では、石原都知事に突き上げられる形で国有化したために、中国の怒りを買った。これなど東京都に所有させれば、やや問題を丸くできたはずである。北朝鮮の拉致被害者問題も、竹島の領有件問題も、ロシアとの北方領土問題も交渉のテーブルにすらつけなかった。特に沖縄県民の不信は10年やそこらで解決できそうにない。
 国民の期待を裏切った民主党は退場し、自民党政権が復活した。しかし国民の期待を背負ってという感じではない。せいぜい民主党よりはマシだろうという認識だ。自民党も来年夏の参議院選挙で過半数を獲るまでは、弱者保護の政策をとることだろう。これにダマされて自民党に議席を与えてしまうと、おそらく小泉氏の取った富裕層優遇の構造改革路線と公共事業大判振る舞いによる旧来の経済政策を頼ることになるだろう。行き着く先は国会議員の汚職と財政赤字のさらなる拡大である。
 安倍総理は就任前から日銀に金融緩和を迫り、それを材料に円売り、株高となった。しかし国民の景況感は落ち込んだままだ。正社員数は確実に減少し、派遣労働がほぼ一般化した。短期契約で昇給も限定的。将来に不安があるから、常に借金を伴う住宅購入は避け、必需品と思われていた自動車すら買わなくなっている。結婚はもちろん、恋人を作ることすら面倒になっている風潮だ。万難を排して新たな生活がスタートしても、100円ショップのセリナで日用品を、ユニクロで服を買い、ニトリで家財を買う。これで結構間に合ってしまう。外食はすき家とかコンビニ。旅先のホテルは東横イン。正社員にしても、40歳定年再雇用制度の導入、賃金切り下げ、退職金減額など不安要素だらけだ。このような状況ではデフレ脱却は困難を極める。
 まずは国民の不安を取り除くのが第一だ。消費税アップを引き替えに、医療費完全無料を実現する。過剰医療や大して病気でもないのに病院に行くのを避けるために、医療事前審査制度や一旦医療費を支払って返金する、また救急車の有料化も併用するべきだ。さらに高速移動手段を整備するのも有効だ。リニアモーターカーで東京-大阪1時間となれば、東京には夜10時まで滞在できる。仕事や娯楽でより多くの支出機会が増え、経済効果が大きい。整備新幹線もこれに近い効果があるだろう。貨物輸送は考慮されていないリニアモーターカーだが、軽量の書類や薬品であれば特段の荷物室がなくても輸送できるので、便利なはずである。高速道路にしても現状は最高時速100キロだが、普通車に限って130キロぐらいに上げられるはずだ。こうすれば高額なスポーツカーへの需要が高まり、富裕層の選択肢が増えるだろう。少子化対策として、出生率は2倍以上を明確に目標とする。小学校の段階から、結婚生活の素晴らしさをみっちり教育する。もちろんいじめをなくすための道徳教育も行う。3人以上子供のある家庭には、扶養控除を手厚くする。逆に独身者には所得税を高くする。3人持つメリットを明確にし、早婚を促さないと、高齢化は加速し、年金は早々に破綻してしまうだろう。
 今後の経済政策で注意すべきなのはインフレの備えだろう。外貨預金の需要が増えるはずである。郵便貯金に預けておけば安心というのは幻想というものだろう。証券口座を持っていない人は、今すぐに作っておくべきだ。MRFだけでも通常郵便貯金よりも多くの利子を獲得できる。
 ロンドンオリンピックにおける日本勢は金メダルこそ7個に留まったものの史上最多の38個のメダルを獲得した。お家芸の柔道が減り、卓球やフェンシング、ボクシング、バトミントンといったこれまで力を入れていなかった種目でメダルを獲得できたのは、今後の競技人口の拡大に有効だろう。柔道にしても発祥国とはいえいつまでも日本が独占するのは国際化という点からも考え物である。
 オリンピックにしてもワールドカップにしても、開催に要求されるスタジアムが巨大すぎて、もはや先進国の大都市でないと開催できなくなっている。陸上競技場の場合、オリンピックか世界陸上ぐらいしか満員になるイベントはないから、北京オリンピックの鳥の巣スタジアムなど4年後の今は廃墟になってしまっている。野球やソフトボールがオリンピック競技から外れたのは特殊な競技場で跡利用が困難な点もあるだろう。冬季オリンピックにしてもスピードスケートやボブスレーやジャンプなどは一般人が利用しないので、稼働率が極めて低くなってしまう。今さら巨大化の流れは止められないだろう。しかし巨大化して絶滅した恐竜を思い起こさせてしまう。8万人のスタジアムは本当に必要なのだろうか。
 プロ野球は橫浜ベイスターズの運営からTBSが撤退し、DeNAが親会社となった。結果は最下位であったが、観客は増えた。今後はモバゲーと野球試合との連係、また獲得した知名度を利用して、無料通話アプリCommを展開していくことだろう。しかし相変わらず12球団による運営。しかも地上波の中継は年々減っている。試合時間が決まらず、スポンサーもつかないので放映できないのである。パリーグはインターネット中継に活路を見いだしている。セリーグは読売新聞と中日新聞がバックあるのでそのような柔軟な対応ができずにいる。選手はある程度のキャリアを積むとメジャーに移籍する流れが定着化した。しかし逆に球団にとっては高額年俸選手を減らせるばかりか、場合によっては巨額な移籍金を手に入れることになった。これを積極的に利用し、スター選手に頼らない、地域密着の経営を目指すべきだ。今年、千葉ロッテマリーンズの角中が四国アイランドリーグ出身者として初めて首位打者を獲得した。このように甲子園でも活躍しなくても、独立リーグで腕を磨けば、道が開けることを証明した。現プロ球団は現独立リーグの球団を傘下に収め、マイナーリーグを形成するべきだ。選手会との交渉でFA獲得年の短縮が話し合われると思われるが、その際、マイナー契約を仄めかすべきだ。とにかく日本のファームは利益を生み出す構造になっていない。飽くまで調整が目的の二軍なので、高額年俸選手がゴロゴロしている。
 ワールドベースボールクラシックは紆余曲折の末、日本は参加することになったが、これが日本企業をだしにしてMLBのシーズン前のひと稼ぎであることが明らかになったので、今回は別に予選敗退でもOKだと思う。それよりもアジアシリーズをやめて、4年に一度、強豪国を呼んで、プロ国別対抗戦天皇杯を開催するべきだ。
 サッカーはいずれ秋春制に移行せざるを得ないだろう。ただでさえ選手の海外流出に悩む各クラブだが、逆に欧州リーグからの大物の移籍がしやすくなり、チームの魅力が増し、観客の注目が増すだろう。問題は冬季の開催をどうするかだが、1月に天皇杯を開催し2月11日を決勝にする。天皇杯ならホーム&アウエイでないので温暖な地域で開催が可能だ。元旦にナビスコ杯の決勝をもってくれば、リーグカップも権威が増すだろう。

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