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三陸流失3路線、バス専用道路を検討 [鉄道]

 東日本大震災で駅舎や線路が津波で流失した岩手、宮城県内のJR3路線について、従来の鉄道ルートに専用道路を作り、バスを運行させる「バス高速輸送システム」(BRT)で復旧させる案を、JR東日本が検討していることがわかった。

 鉄道を敷設し直すより早期の整備が可能な上、整備費用も半分以下で済むメリットがある。JR東は、実現に向けて被災自治体と協議していく方針だ。

 BRT導入が検討されているのは、不通となっている東北地方のJR7路線のうち、気仙沼線と大船渡線、山田線の一部区間で、計154キロ。線路が橋脚や路盤ごと流失するなど被害が大きく、原状回復には400億円近くかかるとみられる。今後、市街地が高台に移転すれば、ルート変更を余儀なくされるため、震災から8か月たった今も、本格的な復旧工事の着手すら困難な状態だ。

 沿岸被災地では、鉄道の代替でバスが運行されているが、朝夕を中心に通勤や工事の車両で渋滞。地元からは「通勤時間が震災前の倍近くかかる日もある」との声も上がるなど、鉄道の早期復旧を望む声は強い。

 従来の鉄道ルートをそのまま活用するBRTは、レールを敷く必要がなく、駅はバス停のような簡易な施設で済むため、鉄道より早く整備することができる。市街地が高台に移転する所や、鉄道の橋脚が津波で流された所では、一般道を使うなど、柔軟なルート設定も可能で、運行コストも安上がりだ。
----------------------(2011年11月20日08時42分 読売新聞)より引用

 先週、南三陸に行ってきました。気仙沼線の志津川、清水川、歌津駅付近を走り、津波被害のすさまじさを思い知りました。気仙沼線の被害も甚大で、海岸付近の高架線は破壊され、復旧するとすれば、新規に造る覚悟が必要です。
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↑気仙沼線清水川駅付近
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↑歌津駅南方
 津波で家が流されているせいもありますが、人家も少なく、鉄道を走らせても赤字は間違いありません。管理人は日本の鉄道に全て乗るぐらい、鉄道に愛着のある人間ですが、早くも仮復旧された国道45号線を見ると、実際は自動車交通で十分で、交通弱者対策で自治体がバスを運行する方がコスト的に有利だと思う。この付近を見る限り、気仙沼線の復旧の必要性は感じませんでした。
 ところが宿泊していた南三陸町を立ち、バスで気仙沼に向かったのですが、気仙沼市内付近は休日にもかかわらず渋滞していました。やはりバスでは定時制に欠けるといわざるを得ないです。
 そこで渋滞箇所のみ、高架によるバス専用線を走り、費用対効果の薄い場所は一般道を走るBRTは現実的な選択といえます。鉄道に深い信頼感のある東北人にとっては我慢のできないことかもしれませんが、現状のまま修復して、今回のような津波が来たら、同じことの繰り返しになります。また道路の方が修復が早いこともよくわかったでしょう。被災地では自由に路線を設定できるバスの存在感が増しているという聞きます。
 BTRに問題があるとすれば、トンネルが鉄道用だけに、バスが走った場合、排気ガス対策や安全性に問題があること。価格は高くなるがハイブリッド車の導入も考えた方がいいかもしれません。
 現在のところこの案について、国土交通省はこれを支持していますが、地元は「できれば鉄道で復旧してほしい」と要望しています。ただ陸前高田市の市長は「鉄道はいらない。三陸自動車道の全通を。」と表明するなど、結局バス専用道に落ち着くのではと思われます。
 参考までに仮設コンビニエンスストアーの写真を。頑張れ東北!
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↑清水川仮設コンビニエンスストアー
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↑志津川仮設コンビニエンスストアー

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