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2009年マリーンズ総括 [野球]

 「日本一になってもバレンタイン監督は今季限りで解任する」
 シーズン前フロントから発せられたこの一言が、今年のマリーンズの低迷の最大の要因であろう。シーズン前にこういう発言をされて、やる気になる指揮官はいるはずはない。MLBでプレーしていた井口が加入したことは心強かったものの、2009年のマリーンズは初めからハンデを背負い込んでのスタートとなった。昨年の覇者西武ライオンズを2勝1敗で退け、まずまずの滑り出し。しかし次の東京ドームでの日本ハムファイターズ戦でいきなり3重殺を食らい、そのまま3タテ。「ボビーに有終の美を」との構想は早くも崩れ去った。
 初期においては先発が火だるまになり、先発が安定しだしたと思ったら、救援陣が打たれまくり、チーム防御率は常に4点台だった。特に小林宏之と渡辺俊介の不振は目を覆うばかり。打撃陣は井口が孤軍奮闘していたが、交流戦以降に下降し、救世主も現れず、チームは下位に定着した。特にファイターズとバファローズに一方的にやられた。
 そんなチーム状態なので、観客が減るのは当然であったが、これまで良好な関係を保っていた、応援団と球団フロントとの間に、バレンタイン監督の待遇について、対立しているところを、次期監督候補と合わせて、メディアによって面白可笑しく取り上げられてしまい、「新潟に移転」などという極論もなされた。必ずしもボビー続投を望まないファンは、応援する気も失せて、球場から足を遠ざける結果となった。最終的には観客動員数は前年比-8%と落ち込んだ。
 明るい話題としては大嶺がホークス戦3勝を含む5勝をあげたこと。これまでヒットを期待できる雰囲気のなかった早坂がチャンスで打てるようになったこと。竹原がいいところで打棒を発揮したことだ。問題は来年も継続できるかどうかであろう。
 総崩れともいえる投手陣の中、成瀬はチーム唯一の2桁勝利を挙げた。新人では上野が負け試合を中心としながらも期待の持てる投球をした。
 珍記録としてははカープ相手の交流戦で1イニング15得点の日本記録を達成したことであろう。夏場以降はこのように勝てば大勝、負ければ惜敗という試合が続いた。
 9月になってようやく勝率を持ち直したものの、最終順位は5位。バファローズが交流戦以降調子を崩したおかげで最下位は免れたものの、最下位になってもおかしくないチームだった。
 ボビー・バレンタイン監督は予定通り退団し、西村ヘッドコーチが監督に昇格する人事が発表された。八木沢荘六氏以来久々の生え抜き監督となった。以前筆者は「伊東勤氏を監督に」という意見を書いたが、外部から呼んでハチャメチャにされるよりも、バレンタイン監督をよく知る人物が、徐々に脱ボビーを図る方が選手も戸惑いが少ないかもしれない。だからすぐに優勝できるチームにはならないだろうが、その地ならしとするならば、これもまたヨシとしよう。投手コーチの西本聖氏、打撃コーチの金森栄治氏の人選はいいと思う。ロッテ生え抜きの西村氏がどのような人脈で、このようなロッテに縁のない人物を連れて来たのかわからない。これはフロント主導かもしれない。とにかくボビー体制ではコーチは監督のイエスマンでよかったが、今後のチームの体制を考えた場合、能力の高いコーチは必要で、この人事は評価できる。ただ、このようなクセのあるコーチをまとめるヘッドコーチの人事が未だ決まらないというのは気になる。
 FA選手を大量に抱えるマリーンズ。小野、福浦の残留は既定路線として、可能性が高いのはサブロー、橋本将、清水直行の3選手。まずサブローは今年好成績だっただけに心配されたが、「メジャーからのオファーがなさそう。日本ならロッテ以外に行かない」と表明し事実上封印。橋本は2番手捕手田中雅彦が成長しつつある中で、存在感を失いつつあり、FA行使を視野に入れている。早くも今季捕手で苦労したベイスターズが食指を動かしている。清水直行は小宮山引退のあと投手陣のまとめ役として期待されるが、同期の上原、川上がメジャーに行っている以上、対抗意識もあって、その興味を隠していない。もしメジャーに行くなら、年齢を考えると、今年に宣言するのがよいといえる。家族の問題をどうするかという問題も含めて、これは彼の気持ち次第であろう。
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