一澤帆布と信三郎帆布

　本日、京都に行ってきました。目的は、最近開店した一澤帆布の様子を見に行くこと。そして信三郎帆布の状況はどうなっているのか。一澤帆布だの信三郎帆布だの、何が何だかわからないという人は、上記の商号に「お家騒動」を付け加えて、ググれば詳しい状況がわかると思います。まあ要するに、京都で人気のあるかばん屋「一澤帆布」において兄弟間で相続問題が生じ、「信三郎帆布」という新しいブランドが立ち上がったということです。
　管理人には「信三郎帆布」の主張が正しいと見て、「一澤帆布」の復活には苦々しく思っていました。ところが意外にも、「一澤帆布」の人気は高く、下の写真のように行列ができている状況です。

管理人が行った１１００頃には２０人ぐらい並んでいただろうか。並んでいる時に、社長の一澤信太郎氏が丁寧に頭を下げていました。この人が「問題のあの人」か。漫才師の夢路いとしに似ているなあ。悪い人に見えないだけどなあ。店に入ると、品数が極端に少なかったです。どうやら立ち上がったばかりで製造が追いついていないようです。
　実はここに行く前に「信三郎帆布」にも行きました。欲しいデザインのバッグがなかったので何も買わずに出ていきました。
　管理人の感想を箇条書きに。
・カバンの作りは信三郎帆布の方がしっかりしている
・店員の応対は信三郎帆布の方が洗練されている
・信三郎帆布はクレジットカードが使える
・信三郎帆布は土曜日も営業している
・一澤帆布の店内に競馬のゼッケンが飾られている。帆布で作られていることを強調したいのか、それとも社長の趣味か。
・一澤帆布で買ってから信三郎帆布に並ぶ、あるいはその逆の客が非常に多い
・お客さんは一澤信太郎氏の怪しい噂はさておいて、一澤帆布を受け入れている

　管理人としては信三郎氏に同情していることから、「信三郎帆布」の製品しか買わないつもりだけど、周囲の人は単にお家騒動で注目されている製品を買っておこうという気持ちではなく、純粋に赤い枠に囲まれた「一澤帆布製」と書かれたタグのついたカバンを求めているように思えます。
　つまり、「一澤帆布」はお家騒動がいい宣伝になって、新しいブランドを新たに手に入れたということになります。一澤帆布の品薄状態や品質はいずれ改善されるでしょう。
　しかし何となくこの状況、プロ野球のセントラルリーグ、パシフィックリーグに似ていませんか？
セントラルリーグ＝一澤帆布（伝統的なイメージ）
パシフィックリーグ＝信三郎帆布（革新的なイメージ）
お家騒動がどのような結末を迎えるのか知りませんが、一澤信三郎氏がいうように「どちらがいいのかは、お客様が判断すること」。このまま競い合って、京都から発信できるブランドになればいいと思います。
　管理人が要望するのは、両者ともこの京都の店以外でカバンを売らないでほしい、ということです。もしデパートに卸せば、価値は間違いなく急落します。信三郎氏はたぶんその気はないでしょうけど、信太郎氏はどうも「金儲け主義」という気もするので、その誘惑に駆られるのではと、心配です。
一澤帆布のWebサイト
http://www.ichizawa-hanpu.co.jp/index.html

信三郎帆布のWebサイト
http://www.ichizawashinzaburohanpu.co.jp/

コメント 4

TBありがとうございます。
同じ時間頃、同じ場所にいらしたのですね☆
私も一澤帆布より、信三郎帆布だなと思っています。
実際に見て、その印象が強まりました。
自分の目で見てみないと、判断が出来ないなと思っていたのですが、決定的だったなと思いました。
「お客様の判断」、最終的にどのように下るか、まだ分かりませんが、私の中での判断は下りました。
by (2006-10-30 21:25) 

＞マキさん
コメントありがとうございました。近くにいたんならお声をかけてくれたら・・・・。顔を知らないから無理だ(ﾟ゜)＼☆ﾊﾞｷｯ
by umayado (2006-10-31 21:50) 

一澤帆布社長に三男の奥様がなられたのは、皆さん知らないと思います。
そして休業中の一澤帆布は、どうも廃業に向かっている動きをしています。
従業員には、辞めて欲しいと伝えられています。
by かなみ (2009-09-12 14:29) 

超亀レスですいません。
もう一澤帆布のサイトは閉鎖されているし、どうやら化けの皮が剥がれたようですね。
一澤帆布の赤枠タグは復活することはないと、信三郎氏も述べています。惜しいブランドが消えてしまいました。信三郎帆布の製品を愛用してますが、やっぱりあのタグの方がいいです。
惜しい。長男が変な気を起こしたのがひとつのブランドを壊してしまった。
by umayado (2009-11-22 22:18)